更新日: 2021.05.21 その他家計
一人暮らしの食費、平均額はどれくらい?
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。
広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
目次
一人暮らしの食費の平均額は月3万9300円
総務省が2021年2月に公開した「家計調査 / 家計収支編 単身世帯 詳細結果表」によれば、2020年10月から12月期の単身世帯における1ヶ月の食費の平均額は3万9300円でした。
よく「一人暮らしの食費の目安は3万円くらい」といわれることから、意外と高いと感じる方も多いのではないでしょうか。
実はこの3万9300円には、お酒やお菓子といった嗜好品だけでなく外食の費用なども含まれているため、それらを抜くと2万8000円程度に落ち着きます。そう考えると、自炊しかしない、自炊中心であるという方の食費は、おおむね3万円前後が1ヶ月の平均としての目安になるでしょう。
勤労世帯に絞ると食費の平均額は月4万円を超える
先ほど見た3万9300円というのは、全ての単身世帯を平均した数値です。ここから勤労している単身世帯、要は一人暮らしの会社員などに絞ると食費の平均は4万1318円に跳ね上がります。この跳ね上がりの原因は、主に外食費が増加したことに起因します。
1ヶ月の外食費の平均は、単身の全世帯においては7800円ほどだったのが、単身の勤労世帯に絞ると平均金額が1万2000円を超えます。そして、野菜や果物といった生鮮食品類の購入額は全世帯よりも低くなっています。
つまり、単身で就労している世帯は時間などの都合上から外食が増え、その分、食費が高くなっていると想定されます。いずれにせよ、月4万2000円程度が働く一人暮らしの方の食費の目安となりそうです。
食費を抑えるコツは?
食費を抑えるコツとしては自炊をすることと、食品関連をコンビニではなくスーパーなどで購入することです。これを実践しつつ、適宜外食や総菜の購入をしたり、コンビニを利用することで無理なく健康的に食費を抑えることができます。例えば、帰りが早い日や休日には自炊をするが、残業で遅くなる日は無理せず外食やコンビニのお弁当で済ませるといった感じです。
自炊が苦手という方はメインのおかずは惣菜などを購入し、サラダや汁物といった比較的簡単な付け合わせは自分で用意するのもいいでしょう。いきなり自炊は大変というのであれば、お米だけは炊くといったところから始めて、徐々に料理のスキルを上げていくと無理なく自炊を続けることができるのではないでしょうか。
過度な食費の削減は支出の増加につながる
食費を削って節約するために極端に偏った食生活を送る方がいらっしゃいますが、そうした節約方法は基本的にNGです。
例えば、野菜や肉をほとんどとらず、うどんやパスタなど炭水化物を中心にして月の食費を1万円以内にしているというような場合です。過度に食費を削ると短期的には節約になるかもしれませんが、こうした方法で節約を続けるといつか確実に体調を崩します。一度体調を崩して入院などをすると、短期間に数十万円の治療費が発生したり、長期間の通院や治療を続けなければならなくなる恐れもあります。
そういったリスクを考えると、過度な偏食にならないように注意するとともに、食費は居住費や通信費などと同様、ある程度必須の支出だと割り切ってしまうのが理想です。
無理に食費を削るより、健康的な食生活を目指して3万円から4万円程度を支出し、食費以外でも工夫して節約する方が人生が豊かになり、長期的には支出全体で節約がうまくいきプラスに働く可能性の方が高いのはないでしょうか。
一人暮らしの食費は平均3万9000円から4万2000円が目安
勤労世帯か、それ以外かで多少変化はありますが、一人暮らしの食費は外食も含めておおむね3万9000円から4万2000円程度と考えておけば、一般的な生活を送る分において困ることはないでしょう。
しかし、これはあくまで統計から見た平均額であり、個別の事情が反映された数値ではありません。ライフスタイルや体調、居住地域などによっては平均から大きく外れた数値となることもあり得ます。
食べることは生きることにおける重要な要素です。ある程度食費として支出することが有意義な人生に不可欠であると考え、過度に削りすぎないようにしてください。一人暮らしであるからこそ、食費には余裕をも持って家計を管理することをおすすめします。
出典
e-Stat 政府統計の総合窓口 家計調査 / 家計収支編 単身世帯 詳細結果表
執筆者:柘植輝
行政書士