更新日: 2021.05.20 働き方
コロナ禍の影響は? 収入の安定とは? フリーランスが直面する今とこれから
一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会が発表した、「フリーランス白書2021」(※)について見ていきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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フリーランスの仕事はどこで見つける?
この調査は、フリーランスとして働く733名を対象に行われたもの。まず、フリーランスの人たちがどこで仕事を見つけているのかを見てみます。
1位:人脈(知人の紹介含む) 69.2%
2位:過去・現在の取引先 62.0%
3位:自分自身の広告宣伝活動 28.7%
4位:エージェントサービスの利用 23.6%
5位:求人広告 14.1%
半数以上の回答を得たのは、「人脈」「過去・現在の取引先」でした。どちらも、日頃お世話になっている人たちがいてこその仕事ということになりそうです。積極的に宣伝をしたりエージェントサービスを使ったりしている人は、どちらも3割以下とまだ少ないようです。
では、実際の収入源になる仕事は、どこから見つけたものなのでしょうか。
1位:人脈(知人の紹介含む) 36.1%
2位:過去・現在の取引先 33.3%
3位:エージェントサービスの利用 12.9%
4位:自分自身の広告宣伝活動 6.9%
5位:求人広告 4.2%
やはりこれも、「人脈」「過去・現在の取引先」が固いようです。先ほどは28.7%で3位だった「自分自身の広告宣伝活動」は、順位を落として6.9%という結果に。自分自身を売り込むのが上手な一部の人だけが、この方法でしっかり稼げているのかもしれません。
フリーランスの人の多くは、今までに付き合いのある人やそこから広がる人脈を頼りに仕事を得ているということがわかりました。
オンラインの仕事は強し? コロナ禍の影響は
コロナは、フリーランスで働く人たちの収入にも影響しているのでしょうか。
1位:1~3割減 22.2%
2位:変わらない 20.7%
3位:4~6割減 19.3%
4位:1~3割増 11.5%
5位:7~9割減 10.3%
全体をまとめると、減ったという人が55.0%、増えたもしくはわからないという人が45.0%でした。減ったという人のほうが少し多いものの、明暗がクッキリ分かれた形になりました。
ちなみに、「オンライン中心での業務が可能な職種」の人たちに絞ると、収入が減った人は47.8%。「オフライン中心で業務をする職種」の人たちに絞ると、収入が減った人は69.9%でした。緊急事態宣言や外出自粛、リモートワーク推奨の流れの中、オフライン仕事については打撃を受ける人が多かったということがわかります。
職種別に見ると、もっとも打撃を受けているのは「対面でのパフォーマンスやケアが必要な仕事」(芸術系、美容ファッション系、スポーツ・健康系、医療福祉系、ライブサポート系)で、収入が減った人が78.9%。
逆に、もっとも影響を受けていないのは「ビジネス事務職」(事務・バックオフィス系)で30.0%でした。50ポイント近くもの差があるという事実に、コロナの影響の強さが伺えますね。
フリーランスのキャリアプランとは
会社員と違って、定年退職という概念のないフリーランス。自身のキャリアプランをどう捉えているのでしょうか。
<フリーランスが働き続けたいと思う年齢>
1位:生涯現役 30.9%
2位:60代後半 16.2%
3位:60代前半 12.6%
<フリーランスが働く自信のある年齢>
1位:60代後半 20.3%
2位:60代前半 18.3%
→生涯現役は11.0%
前者が理想、後者が現実の回答です。理想としては生涯現役という人が3割ですが、現実的に考えると60代……という人が3割に変わっています。現実でも生涯現役という人は、1割強という結果になりました。
希望年齢まで働く際に不安に思うこととしては、「自身の健康」「体力」「スキルの陳腐化」「市場価値の低下」などがあがりました。
さらに、会社員と違って社会保障に課題があるという、フリーランスならではの弱点も浮き彫りに。
●とても必要だと思う 80.3%
●どちらかといえば必要だと思う 15.4%
●どちらともいえない 2.8%
●どちらかといえば必要ではないと思う 0.7%
●まったく必要ではないと思う 0.8%
多くのフリーランスが、社会保障の提供について必要だと考えていることがわかります。フリーランスで働く場合は、現状の社会保障の手薄さをしっかり把握した上で始める必要があるのかもしれません。
今後、働き方に関わらずしっかりとした社会保障が提供されることを期待したいですね。
[出典]
※一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書 2021」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部