更新日: 2021.04.20 働き方
コロナ禍で派遣切りが増加?派遣社員の実態と平均月収はいくら?
今回は、コロナ禍における派遣社員の実情を知るべく、株式会社Agooraが発表した調査結果(※)をひもといてみましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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不安を抱える派遣社員。3人に1人が派遣切りを経験
この調査は、現役の派遣社員もしくは派遣社員経験のある(現在無職)20代から50代の方150人を対象に行われたもの。いったいどれくらいの割合の人が、派遣切りを経験しているのでしょうか。
・はい 33.33%
・いいえ 66.67%
なんと3割以上の人が派遣切りの経験があると回答しています。3人に1人と考えると、決して少なくない割合といえるため、派遣社員として働く場合、希望しても契約を更新できない可能性があるということを覚悟しつつ働かなければならないのかもしれません。
このような心配があるなか、派遣社員のみなさんはどのような不安・不満を抱えているのでしょうか。
1位:将来が不安 84.54%
2位:次の仕事が見つからず不安 31.96%
3位:給料が安い 28.87%
4位:契約が更新されるか不安 23.71%
5位:職場環境が良くない 10.31%
派遣社員のうち、およそ85%の人が将来に漠然とした不安を抱いているということがわかります。
なかには、「次の仕事がみつからない」「契約が更新されるかわからない」といった具体的な理由で不安になるという人も。給料が安いという不満を持っている人も3割近くいるという結果になりました。
3人に1人が派遣切りにあっているという背景がある以上、いつ仕事を失うかわからないという不安とともに過ごさなくてはならないというのは精神的にもつらい状況といえます。
派遣という形態についての具体的な不満としては、「交通費完備とかいているのにいざ働くと出してくれない求人があって困る(44歳 男性)」「契約が更新されないときは、早めに次の職場を探せるように援助してほしい(33歳 女性)」「提示される職種の範囲が狭すぎて選べない(42歳 女性)」といったものも挙がっています。
派遣社員のみなさんの不満が膨れ上がっていることが伺えますね。
派遣切りの背景には新型コロナウイルスの影が
派遣切りの理由として、新型コロナウイルスの影響は考えられるのでしょうか。
・はい 38.0%
・いいえ 62.0%
なんと、およそ4割の人が、派遣切りの原因は新型コロナウイルスが関係していると回答しています。これはかなり大きな影響といえるのではないでしょうか。
具体的には、「コロナ以前から当該部門の業績が悪く、コロナをきっかけに派遣切りに」「働いていたお店のお客様が減少し、シフト数が激減しそのまま派遣切りになりました」「新型コロナの影響で業務で扱う物量が減ってしまい、そのまま仕事がなくなった」などの声が上がりました。
コロナ禍でさまざまな制限がかかり、不安も少なくない時代。輪をかけて仕事を失うかもしれないという不安がかかるため、派遣社員のみなさんの心労は察するに余るほどです。
派遣社員の平均月収は?
最後に派遣社員の平均月収を見てみましょう。これは、時短・フルタイム問わずの平均です。
1位:10万円未満 34.0%
2位:15万円以上20万円未満 21.33%
3位:10万円以上15万円未満 13.33%
TOP3は上記の結果に。現在無職の人や時短の人も含まれていることも影響しているからか、月収10万円未満という方が3割強という結果に。およそ7割の人が、月収20万円未満ということがわかります。
内訳としては、週5フルタイムで働いている人の多くは10万円以上20万円未満に該当するとのこと。しかし、フルタイムでありながら月収10万円未満という方もなかにはいらっしゃるようです。
この調査によると、コロナ禍で立場が弱くなり、待遇に不満を募らせたり派遣切りにあったりする派遣社員が少なからず存在するということがわかります。国の補償はもちろんのこと、将来の仕事への不安を払拭できる政策にも期待したいものです。
[出典]
※株式会社Agoora「『2021年』派遣社員の実情調査実施 33%が派遣切りに遭い、 85%が将来に不安とアンケートに回答」(@Press ソーシャルワイヤー株式会社)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部