更新日: 2021.03.15 働き方
「この会社にいて大丈夫?でも転職はリスク…」副業で別の業界や会社をお試しできる仕組みを知っていますか?
これまでは、他の業界や会社のことを知りたい、違う仕事を経験したいと思っても、「転職」しか方法がありませんでした。しかし、コロナ禍で先行き不透明な時代に会社を辞めてしまい、もし転職先の風土と合わなかったら、また聞いていた条件と全然違っていたら大変です。
そんな「転職」しか選択肢がなかったところに、「短期出向(越境)」「副業」「お試し転職」という方法が登場してきました。
執筆者:藤木俊明(ふじき としあき)
副業評論家
明治大学リバティアカデミー講師
ビジネスコンテンツ制作の有限会社ガーデンシティ・プランニングを28年間経営。その実績から明治大学リバティアカデミーでライティングの講師をつとめています。7年前から「ローリスク独立」の執筆活動をはじめ、副業・起業関連の記事を夕刊フジ、東洋経済などに寄稿しています。副業解禁時代を迎え、「収入の多角化」こそほんとうの働き方改革だと考えています。
「短期出向(越境)」というほとんどリスクのない仕組み
まず「短期出向(越境)」。大企業の中には、社員を別の企業(特にスタートアップなど新興企業)に、一定期間出向させ、そこで経験を積んでもらう制度を取り入れているところがあります。
これは、社員にスタートアップならではのスピード感や風土を体験してもらい、その経験やスキルを持ち帰ってきてもらうことを目的としています。この場合は、所属はもとの会社のままですし、必ず帰って来られますから安心で、大きなリスクはありません。
会社にそんな制度があり、外の世界をぜひ見てみたい人はチャレンジすると良いでしょう。しかし「短期出向(越境)」の制度を取り入れている会社は、まだまだ多くないはず。その場合は、副業で別の世界を見てみる方法もあります。
「副業」で新しい世界を体感してみる
副業というと「おこづかい稼ぎ」みたいなイメージを持つ人も少なくないでしょう。副業・転職のキャリアSNSを運営するYOUTRUST(ユートラスト)の調べによると、YOUTRUSTユーザー全体の約5割の副業報酬は1ヶ月あたり「10万円超」に達するそうです。
また、副業の平均時給は、「2001~3000円」が最多で、しっかりとした仕事をし、それで収入を得ている人が多いことがわかります。そんな収入を得ながら、別の業界や会社を経験できるというのは魅力的です。
実は、この「副業」と「転職」が、結びつきつつあるのです。いわば「お試し転職」です。
「お試し転職」で転職のリスクを減らす
副業をするにしても、転職をするにしても、「実際その会社で仕事をしてみたら何だか合わないことがわかった」ということがあり得ます。数字などの条件とは別に、会社の風土や人間関係に「合う」「合わない」ことが大きな影響をもたらすことは、みなさんもよくわかるでしょう。
先ほどご紹介したYOUTRUST広報に聞いてみると、同社は信頼できる友達、または友達の友達から仕事のオファーが届く仕組みを提供しているとのことです。
例えばそのオファーを受けて、まず副業として働いてみる。そして「お互い合いそうだ(カルチャーフィット)」となったら、本当に転職に進むことができる仕組みだそうです。こういう「お試し転職」であれば、大きな失敗はないかもしれません。
まとめ
「今の会社が合わないなあ」または「別の業界、会社で働いてみたいなあ」と思ってもコロナ禍では“いきなり転職”はリスクといえます。
今回述べたような「短期出向(越境)」を利用して貴重な経験を積む、あるいは「副業」そして「お試し転職」を経て、自分にぴったり合う副業先や転職先を見つけるなどのステップを検討するといいでしょう。
[出典]
※YOUTRUST「副業に関する実態調査」(株式会社 PR TIMES)
執筆者:藤木俊明
副業評論家