更新日: 2024.10.07 働き方
仕事は生活の手段か、生きがいか? 「働く」ということについて考える
そもそも「過労死」という言葉は日本にのみ存在し、海外にはないといわれます。実際にはまったくないわけではないにしても、労災事故は別として仕事を通じて死に至ることや自殺することは海外では少ないでしょう。
人生は楽しく愉快に過ごすためにあり、仕事は楽しく過ごすためのお金を稼ぐ手段と考えれば、過労死は少なくなるでしょう。
執筆者:手塚英雄(てづか ひでお)
有限会社テヅカプラニング 代表
CFP(R)認定者 1級ファイナンシャルプランニング技能士 証券外務員
CFP(R)認定者 1級ファイナンシャルプランニング技能士
お金に振り回されない生活設計を目指している
可処分所得の最大化に拘れば人生に満足がない
人生を明るく豊かに過ごすためにお金を用いたい
他のFPとは一味異なる論点を持つ
http://www.fp-tezuka.com/
仕事はお金
初めて就活する時の企業の選定基準は、高賃金、高福利厚生、有名企業かもしれません。少ない給料をあえて望む人はいないでしょう。
今では簡単に賃金水準を企業別に比較することができます。自分の専攻とマッチする企業を高賃金、高福利厚生で選択することは容易です。後はエントリーシートに自分の志望動機を上手にまとめられれば、就活スタートです。
有名企業に就職できれば給与ばかりではなく、退職金や企業年金、有給取得、社員住宅、保養所等福利厚生は充実しています。これはお金に換算すれば現金で支給されないまでも、それと同程度の経済的な利益(価値)を期待できます。
なにより給与も高く福利厚生制度が充実していれば、企業選択として安心です。
今後ますます少子高齢化が進み、国の社会保障制度は先細りになります。時代の変化とともに企業の時代の変化とともに企業行政にも浮き沈みがあります。企業の安定性に対する期待は大きくなる一方です。そのため、名前が知られた企業は存続が期待され有利に映ります。
年収は200万円より400万円、さらに800万円、1000万円を超えればなお結構と思われているでしょう。年収や保有資産の多寡が人の価値に影響を与えるように思われがちです。
こんな安い給料ではやっていられない。倍の給料をもらわなければこの仕事は合わない、などと聞くことがありますが、本当に倍の給料でやっていけるのでしょうか。仮に給料が3倍になろうとも「やっていられない」とぼやくかもしれません。
仕事は生きがい
厚生労働省の調査によると、新規大学卒業者の3年以内の離職率は3割を超えるそうです。高卒、中卒となればその割合はさらに高まります。また、企業規模が大きいほど離職率は低くなる傾向があります。
退職事由は、(1)労働時間、休暇、休日の条件が良くない、(2)やりたい仕事と異なる、(3)人間関係が良くない、という順に続きます。上位の2つは企業案内や会社説明会等である程度認識できても、人間関係は入社してみなければ分かりません。新卒者に限らず退職事由の多くは人間関係といわれています。
給料が少なかろうと仕事がきつかろうと、職場の人間関係が良ければ、互いに助け合いチームとして業務に当たることができ、その仕事を辞めようとは考える人は少ないかもしれません。一方、職場に自分の居場所がなければ給料の多寡に関係なく辞めるかもしれません。
現在の仕事を「くだらない」「バカバカしい」と捉えれば、すぐにでも辞めたくなります。同じ仕事でももっと早く簡単にできないだろうか、後工程の作業と重複はないだろうかと改善を考えれば関心は深まります。
どんな仕事でももっと良いものにしようと思えば、仕事は面白くなり、得られた結果から達成感を感じ、自信が生まれます。つまり、本人の意識の中で仕事が苦痛になったり生きがいになったりするのではないでしょうか。
自分で選んだ夢中になれる道に進んだ人は、お金の多寡など気にせず充実した人生を送っているのではないでしょうか。このような人は人生に後悔を持つ方は少なく、長生きの傾向が見られるのではと、筆者は考えます。
執筆者:手塚英雄
有限会社テヅカプラニング 代表
CFP(R)認定者 1級ファイナンシャルプランニング技能士 証券外務員