更新日: 2019.08.28 ライフプラン

専業主婦の4割がうしろめたさを感じている。本音は働きたい?働きたくない?

専業主婦の4割がうしろめたさを感じている。本音は働きたい?働きたくない?
厚生労働省の平成30年版「厚生労働白書」(※1)によると、共働き世帯は1188万世帯と年々増加し、専業主婦世帯(641万世帯)の約2倍となっているものの、3人に1人は専業主婦ということになります。
 
現在、日本では労働力不足が問題となっており、女性の社会での活躍が期待されています。また、独立行政法人 労働政策研究・研修機構(※2)によると、女性の生涯賃金は大学・大学院卒で約2億円です。収入面から見ても、女性が働く、働かないは家計に大きな影響があります。
 
社会への貢献や、何かとお金がかかる生活や育児のために、できれば働き続けたいと考える女性も多いでしょう。
 
しかし、育休・時短・テレワークなどの制度が整っている会社は少なく、妊娠・出産を機に退職する場合が多いのが現状です。ただ、働きながら家事や育児をこなすのは女性に負担が大きく、働きたくないという人が多いのもうなずけます。
 
そこで、株式会社カラダノート(東京都港区)が実施した、子育てしながら働くことに関する意識調査の結果から、女性の本音を見てみましょう。(※3)
 
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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専業主婦の4割がうしろめたさを感じている。

「専業主婦であることで、うしろめたさや罪悪感を抱いたことはありますか?」と尋ねると、40.6%が「ある」と回答しました。
 
その理由としては、半数以上が「自分がお金を稼いでいない(54.5%)」ことをあげており、次いで「周囲のワーキングマザーとの比較(15.2%)」という意見が多く見られました。
 
また「専業主婦であることについて、周りから否定的なことを言われた経験があるか」については、回答者の約2割が「ある(19.7%)」と回答。
 
多くは夫、義父母、実親など、身近な人から「子育てがひと段落したら働いたら?皆働いてるし」「家にいてすることあるの?」などと言われたことがあるということです。
 
「社会に出て働きたいと思いますか?」という問いには、「今すぐ働きたい(13.4%)」「いずれ働きたい(68.9%)」をあわせて、82.3%が働きたいと回答しています。今すぐ働きたい人は1割強にすぎず、子育てが一段落したら働きたいと思っている人が多いようです。
 
働きたい理由としては「自由に使えるお金が欲しい(42.9%)」が最も多く、「社会や人とのつながりが欲しい(12.2%)」「経済的に自立したい(8.3%)」が続きました。
 
お金が欲しいということが一番の理由ですが、家にこもっていると孤立しがちになってしまうため、働くことで社会とのつながりが欲しいという気持ちも垣間見えました。
 

家事育児と仕事の両立が最大の課題。子どもと一緒にいたいから働きたくないとの声も

「働くことになった場合に障壁になりそうなこと」は、「家事育児と仕事の両立(29.1%)」が最も多い結果となりました。次に「自分のブランクや希望する条件の就業先があるかどうか(25.6%)」という意見も多く見られました。
 
時短など柔軟な対応ができる就業先が見つかるかという不安がありますが、ビジネスの変化が早い昨今、数年のブランクでも浦島太郎状態になってしまう可能性があります。
 
また、「保活を含む預け先の確保(13.4%)」という回答も。保育園の空きが少ない今、預け先を確保するのは至難の業です。このような点が障壁となり、なかなか働くことに踏み切れないようですね。
 

女性の活躍の推進は必ずしも求めていない。家事や育児も立派な仕事

また、2015年に「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」が制定されるなど、社会における女性の活躍を推進する動きが高まっています。この取り組みについてどう考えるかと尋ねると、42.5%は「賛成」、50.4%は「どちらともいえない」という結果となりました。
 
賛否の理由については、約3割が「賛同しているし、もっと進むといい(34.7%)」と答える一方で、「そんなことは求めていない(14.6%)」や「焦りやプレッシャーを感じる(11.8%)」というような回答がありました。
 
「家事や育児を頑張ることも立派な活躍」だという考えも多く、女性が社会で活躍できることを必ずしも求めていない人も一定数いるように見えます。
 
家事と育児は重労働で、これに仕事が加わると、女性の負担がさらに重くなってしまいます。少子化の時代、子どもを産み育てることは大切な仕事です。日本の人口は減少傾向にあるため、育児をしながら働き続けることができる労働環境の整備が急がれるでしょう。
 
※1:平成30年版「厚生労働白書」
※2:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計 2018 労働統計加工指標集」
※3:株式会社カラダノート「子育てしながら働くことに関する意識調査」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部