更新日: 2019.01.07 貯金

みんなの貯金とローンはいくら?平均で2000万円以上の貯金を持つ高齢者たち

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

みんなの貯金とローンはいくら?平均で2000万円以上の貯金を持つ高齢者たち
「貯金いくらある?」という話は、身近な人にもなかなか聞けませんよね。「ローンいくらある?」は、さらに聞けない話です。

今回は、みなさんの貯蓄額とローンについて調べました。思ったよりも高い平均金額に、驚かれるかもしれません。

あくまで全体の平均金額ではありますが、貯蓄額の二極化と、お金を持つ高齢者世帯の存在が浮き彫りになりました。

 
FINANCIAL FIELD編集部

Text:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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みんな貯金はいくらある?平均で1000万円以上という結果に

総務省統計局の家計調査報告によると、2人以上の世帯全体における「貯蓄現在高」は平均1812万円、中央値は1074万円。年間収入の平均は617万円でした。
 
続いて、2人以上の世帯のうち、勤労者世帯(世帯主が会社,官公庁,学校,工場,商店などに勤めている世帯)の貯蓄現在高は平均で1327万円。中央値は792万円。年間収入の平均は722万円でした。
 
2人以上の世帯全体における「貯蓄現在高階級別の世帯分布」をみてみると、平均値の1812万円を下回る世帯は67.0%。全体の3分の2を占めています。
100万円未満が全体の10%を占める一方、4000万円以上ある世帯は全体の11.8%でした。
 
平均値と中央値に差があることから、貯蓄額の高い世帯に平均値が引きずられていることが伺えます。
 

70歳以上の平均貯蓄額は2385万円。高齢世帯ほどお金持ち

年齢階級別に貯蓄現在高をみると、40歳未満の世帯が602万円と最も少なく、年齢階級が高くなるにしたがって貯蓄現在高が増えています。60歳以上の各年齢階級では、それぞれ貯蓄現在高が2000万円を超えました。70歳以上の世帯は最も高く、平均2385万円という結果です。
 
貯蓄額の高い世帯に平均値が引きずられていると述べましたが、この「貯蓄額の高い世帯」は主に高齢者世帯だということが分かります。
 

貯蓄の種類は「定期預金」が最も多い。「通貨制預貯金」は9年連続で増加

2人以上の世帯全体における「貯蓄の種類別、貯蓄現在高と構成比」をみてみると、「定期性預貯金」が712万円と最も多く、次に「通貨制預貯金」が442万円、「生命保険など」が377万円、「有価証券」が246万円、「金融機関外」が36万円と続きました。
 
前年と比べると、「定期性預貯金」は15万円減少と3年連続で減少となり、「通貨制預貯金」は30万円増加で9年連続増加となりました。
 
また、2人以上の世帯のうち世帯主が60歳以上で無職の世帯でも、定期性預貯金が1056万円と最も多く、通貨性預貯金が496万円、「生命保険など」が408万円、有価証券が380万円、金融機関外が8万円となりました。
 

ローンは平均で517万円。年齢階級別では40歳未満の世帯が平均1123万円と最も高い

2人以上の世帯全体における「負債現在高」は平均で517万円。前年に比べて10万円増加しました。負債保有世帯に限ると、負債現在高の平均は1379万円。平均値を下回る世帯が57.2%を占めています。
 
2人以上の世帯のうち、勤労者世帯の負債現在高の平均は794万円。前年に比べて13万円増加しました。負債保有世帯に限ると、負債現在高の平均は1467万円で、平均値を下回る世帯が53.4%を占めています。
 
2人以上の世帯全体と比較して、勤労者世帯の方が、平均負債現在高が高いという結果になりました。
また、年齢階級別に負債現在高をみると、40歳未満の世帯が平均で1123万円と最も高く、年齢階級が高くなるとともに負債現在高が少なくなっています。負債保有世帯の割合は40~49歳の世帯が最も高く、64.8%を占めています。
 

ローンの約9割は「住宅・土地」のため。その負債は一世帯あたり463万円

2人以上の世帯について、負債の種類別に一世帯あたりの負債現在高をみてみると、負債現在高の約9割を占める住宅・土地のための負債は463万円。このうち、勤労者世帯では、住宅・土地の負債は739万円となりました。
 
しかし、この数字は住宅ローンある人、ない人全ての平均値になりますので、個別にみる必要があると思います。
 
2人以上の世帯の勤労者世帯のうち、「住宅ローン返済世帯」の貯蓄現在高は956万円、負債現在高は1690万円。「住宅ローン返済なし世帯」の貯蓄現在高は1962万円、負債現在高は231万円でした。「持ち家世帯」の貯蓄現在高は1447万円、負債現在高は978万円でした。
 

【まとめ】貯蓄額は2極化。「老後不安」もあり、高齢者世帯が貯蓄に走る傾向

2人以上の世帯における平均貯蓄額は、全体でも勤労者世帯に限っても1000万円を超えることが分かりました。しかし、貯蓄額は二極化しており、貯蓄額の高い世帯が平均値を引き上げていると考えられます。そのため、自分や周辺の人たちの感覚とは少しずれがあるように感じる方もいるかもしれません。
 
中でも60歳以上の高齢者世帯は、平均で2000万円以上の貯蓄を持っていることが明らかとなりました。高齢者世帯の平均貯蓄額の高さは、全体の平均値を引き上げるひとつの要因となっています。近年は老後不安を煽る風潮も感じられます。老後に向けて充分に蓄えようと考える方が多いことも、このような結果となった一因なのではないでしょうか。
 
また、2人以上世帯における借金の平均額は517万円という結果になりました。借金の約9割は、「土地・住宅のため」。40歳未満の世帯が平均で1123万円と最も高くなった原因は、30代で住宅を購入する人が多いからかもしれません。
 
老後に備えることは大事ですが、貯金ばかりで消費に向かわないのは考えものです。美味しいものを食べたり、旅行に行ったり、趣味を満喫したり…高齢者世帯がお金の心配をしすぎることなく、生き生きと過ごせる社会を実現したいものです。
 
参考資料:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-平成29年(2017年)平均結果-(二人以上の世帯)」

Text:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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