最終更新日: 2019.01.10 公開日: 2018.06.27
家計

ファイナンシャルプランナーは見た!家計相談中に発覚した投資詐欺…その手口とは

家計の相談を行っているなかで、運用財産についても確認する機会がしばしばあります。
 
預金はもちろんのこと解約返戻金があるような保険、一見見えにくい財形貯蓄、確定拠出年金なども合わせて確認します。
 
そして日々の値動きがある運用商品についても一定の日付で一度残高を把握してもらいます。
 
大きな問題が起きていない限り、日常的には特に意識することはないかもしれませんが、改めて洗い出すことで見えてくる問題もあります。
 
今回はそんな把握の流れで、投資詐欺に引っかかっている可能性が浮き彫りになった事例を紹介いたします。
 
塚越菜々子

Text:

Text:塚越菜々子(つかごし ななこ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
お金の不安を賢く手放す!/働くママのお金の教養講座/『ママスマ・マネープログラム』主催
お金を貯める努力をするのではなく『お金が貯まる仕組み』づくりのサポート。保険や金融商品の販売を一切せず、働くママの家計に特化した相談業務を行っている。「お金だけを理由に、ママが自分の夢をあきらめることのない社会」の実現に向け、難しい知識ではなく、身近なお金のことをわかりやすく解説。税理士事務所出身の経験を活かし、ママ起業家の税務や経理についても支援している。
https://mamasuma.com

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塚越菜々子

執筆者:

Text:塚越菜々子(つかごし ななこ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
お金の不安を賢く手放す!/働くママのお金の教養講座/『ママスマ・マネープログラム』主催
お金を貯める努力をするのではなく『お金が貯まる仕組み』づくりのサポート。保険や金融商品の販売を一切せず、働くママの家計に特化した相談業務を行っている。「お金だけを理由に、ママが自分の夢をあきらめることのない社会」の実現に向け、難しい知識ではなく、身近なお金のことをわかりやすく解説。税理士事務所出身の経験を活かし、ママ起業家の税務や経理についても支援している。
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「最近配当がもらえていない」が発端で

ことの発端は「預けて運用しているけど、最近配当がもらえていない」という話からでした。運用商品は配当が出ないものもありますので、それに関しては驚くことではありません。
 
ただ、配当が出ない原因は確認したいところです。ところが「どこでどんな商品で運用していますか?」と確認したところ答えがはっきりしないのです。
 
会社はどこですか? 何に出資しているのですか? と聞いたところ「知人にやってもらっている」「年に10%の配当がでるもの」とのことだったのです。
 
よくわからないまま運用しているのも危ないなと思いながら、いい機会なのでしっかりと確認してもらおうといろいろ尋ねたところ、証券会社などを通してではなく、知人にお金を100万円預けている。
 
毎月配当が約束されていて、毎月確かに振り込まれていた、とのことでした。
 
ところが、もうこの半年配当金は支払われていないそうなのです。
 

ポンジ・スキームという投資詐欺の一種

解約することはできるのか、どういった契約を結んでいるのか、などを確認しても相談者は「よくわからない」とのこと。
 
配当が出ないことに関して相手に何度か連絡をしたもののなしのつぶて。最終的に「金融サービス利用者相談室」(※)をはじめとするいくつかの相談機関を紹介しましたが、結局はお金を取り戻すことはできていません。
 
実は、こういった手口は「ポンジ・スキーム」と呼ばれる投資詐欺の一種なのです。預かったお金を運用せずに、別の人から集めた資金を自転車操業的に配当に回していくことで、あたかも配当が出るように見せかける手口です。
 
月利10%などのハイリターンをうたいながら、元本は保証されていると説明したり、有名人も出資しているなどと言って安心させたりしています。
 
もちろん出資した当初は配当金を支払い、さらに人に紹介すると紹介料がもらえると言われることが多いです。高い配当をもらっていて、さらに紹介料をもらえるとなれば人に勧めたくなるでしょう。
 
こうして比較的若い世代の中でも広がっているのです。
 
ですが仕組み自体は自転車操業。預かったお金を運用していないわけですから、高い配当や紹介料を払うためには、どんどんお金を集めなければなりません。集まらなくなるとすぐに配当は回らなくなります。
 
払われていた配当が遅れだし、そのうちに払われなくなります。
 
もともと「お金を催促するのは恥ずかしいこと」と思っている人が多いですし、今まで払われていたという信用があると、だまされたと気づくまでに時間がかかってしまうことが多いのです。
 
相談のケースも、払われなくなってから1年もたっていました。
 
(※)金融サービス利用者相談室
https://www.fsa.go.jp/receipt/soudansitu/
 

資産運用における大きなリスクの1つは「知らない」ということ

資産運用は「この先どうなるかわからない」という不確実性があります。上がるかもしれないし下がるかもしれない。このことをリスクといいます。
 
「金利変動(金利が変わる)」「価格変動(商品の価格が変わる)」「信用(倒産の可能性など)」「カントリー(国の情勢)」などのリスクの種類があるといわれています。
 
ですが、資産運用をするうえで最もリスクが高いのは「知らないこと」なのです。金利や価格変動が起こりにくく、国内の商品だとしても「よくわからず」に運用することほど危険なことはありません。
 
資産運用に関して基本的な知識があれば「ノーリスク・ハイリターン」はあり得ないことはわかるはずです。
 
このような被害に遭ってしまっている人は、特別な人たちばかりではありません。たくさんお金がある人だけに声がかかるものでもないのです。
 
知識がなく自信が持てないと「疑う」ことができません。詳しい人が言うのだからこんなものなのかな、だまされるほど資産があるわけではないし……そう感じたまま被害が広がっていきます。
 
人が持ち込む「うまい話」に惑わされることなく、知識を身につけ貯金では味わいにくい「うまみ」を自分で見つけてもらいたいと思います。
 
Text:塚越 菜々子(つかごし ななこ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
お金の不安を賢く手放す!/働くママのお金の教養講座/『ママスマ・マネープログラム』主催



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