ビットコインの分裂 キャッシュ、ゴールド、まだ続く?

配信日: 2017.11.25 更新日: 2019.01.11

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ビットコインの分裂 キャッシュ、ゴールド、まだ続く?
仮想通貨の代表格であるビットコインの価格の上昇が続いています。米シカゴ・マーカンタイル取引所がビットコイン先物の上場計画を発表した結果、取引の拡大が予想され、価格上昇への期待がますます高まりました。

一方、8月のビットコインキャッシュに続き、10月にビットコインゴールドが分裂しました。この問題にも注目が集まっています。
宮﨑真紀子

Text:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。

分裂のカギを握るマイナー

 
ビットコインは、通貨と言っても実物がありませんので、電子上のデータで成立しています。そしてその取引履歴を複数のコンピューターが記録するブロックチェーン(分散台帳)で管理しています。取引量を増やすためには台帳の新しいページを作成しなければなりません。この作業を採掘(マイニング)と呼び、採掘には膨大な時間や労力、お金がかかります。採掘者(マイナー)は、対価としてビットコインを受取ることが出来ます。
 
8月にビットコインキャッシュが分裂した時の状況を振り返ります。“ビットコインの取引が増加したので、その処理能力を増やすためにはどうするか”が焦点でした。「台帳はそのままで記入する、文字を小さくすることで対応する」案と「台帳を大きくする」案で対立し、「大きくする」派が、新通貨を誕生させました。これがビットコインキャッシュでした。
 
では今回のビットコインゴールドの分裂がどうして起こったのかというと、ビットコインの計算が複雑化してきて、高度なコンピューターでないと追いつかない状況になってきたことが原因とされています。こうなってくると、マイナーになれる業者は限られてきます。
 
処理能力の高い業者の独占を改善するために、計算手順(アルゴリズム)を変更して、暗号の難易度を低くしようと生まれたのが、ビットコインゴールドです。ビットコインキャッシュの時と同様に、ビットコインの保有者にはビットコインゴールド(BTG)が付与される予定になっています。
 

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加熱する相場に注意が必要

 
ビットコインに関しては、今後も分裂が起きるというのが大方の見方です。分裂の前後で値動きがありますので、投資対象として注目が集まります。過渡期であるとはいえ、こうした状態が続くと、通貨本来の決済手段としての役割が果たせないのではないかと心配です。
 
当初は「外貨の送金に便利」「海外からの旅行客に支払い手段として利用してもらいたい」といった便利なツールとしてのビットコインだったはずです。将来の成長が見込めるので長期保有で分散投資の対象にという思惑とは逆に、短期的な利益を追求する投資家が増えているのが現状。加熱する相場には注意が必要です。
 
Text:宮﨑 真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

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