隣のお宅も始めてる?投資ってどう始めるの?
配信日: 2017.11.09 更新日: 2019.01.10
年金不安、少子高齢化、単身世帯増加、そして低金利。現在から将来にかけての日本を象徴する言葉を並べてみると、すべての言葉に共通して個人ができる対策は、《自助努力・自分資金づくり》。つまり、自分自身が今、頑張って働いて得ている収入を将来のためにいかにふやすか。
それが、他の誰でもない、自分自身の老後生活のために不可欠な時代なのです。
今や、すべての人にとって、投資(資産形成・運用・管理)は、貯蓄と同じくらい必要不可欠事項といっても過言ではありません。
しかし、張り切って初心者向け投資セミナーに参加した投資・超初心者が必ず抱く疑問。
「で?投資を始めるには何をしたらいいの?どこに行けば始められるの?」
…。
確かに。どんな初心者向けセミナーでも、そこまでは教えてくれないですね。このままでは、投資の必要性は分かっていて、始めたいのに、始められない…投資難民(!?)になってしまいますね。
なので、そんな人生初!投資デビューを果たしたいあなたのために、【投資を手取り足取り】。極々、ベーシックな方法、そして私、ファイナンシャルプランナーとしてのこだわり、低コスト、挫折しない仕組みづくりを意識してアドバイスしたいと思います。
まずは【証券口座をつくる】です。
Text:平田純子(ひらた じゅんこ)
CFP(R)認定者
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、2級建築士、インテリアコーディネーター
大阪市立大学・生活科学部・住居学科卒業。電機メーカーで商品企画の仕事を経て、好きが高じて、株式会社良品計画に中途入社。無印良品の店舗にて、家具やカーテン、照明のコーディネート提案を得意とする店長として10年以上勤務。しかしある時、お金に無計画・無頓着に過ごした自身のこれまでの人生を振り返り、後悔の念。豊かな人生を送るために、ライフプランニングの必要性を痛感。その必要性をより多くの人に伝えたいとの思いで、ファイナンシャルプランナーを志す。
現在、ファイナンシャルプランナーとして、ライフプランとキャッシュフロー分析・アドバイスを個別相談で行う傍ら、セミナー講師,や執筆も行う。得意分野はライフプラン(資金計画)、生命保険見直し、資産形成・運用。お金の相談に加えて、インテリア計画や片付け、収納計画についても、ご要望に応じて相談を承っている。
https://hataraku-okane.com/
証券口座とは?
投資に必要なのは、証券口座です。銀行口座ではありません。まずは、ここに戸惑う人が多いようです。
日頃、銀行口座にはこれほどにも馴染みがあるのに、証券口座は、日常生活で不思議なくらい関わりがないものです。
証券口座とは、簡単に言うと、投資商品(株・投資信託・債券など)を買ったり売ったり、または商品を買う前の待機資金を留保しておくための口座です。つまり、証券口座にお金を留めておく限りは、減ることはありませんし、ふえることもありません。
証券口座にお金を入れたら、直ちに運用が始まる!減ったりふえたりする!と誤解されている方が多いようです。証券口座に入金したお金を使って、自分の意思で商品を買うという行動を起こさなければ、そのお金はいつまでも眠ったままです。ちっとも働き出しません。
投資を開始するためには、何よりもまず、この証券口座を開設する必要があります。
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証券口座のつくり方
証券口座はどこに行ったらつくれるのか?これまた、難しい。
大きく二つ、その申込経路があります。一つは、いわゆる証券会社や銀行の窓口で口座をつくる。そして、もう一つは、ネット経由で書類を取り寄せてつくる。近頃は、後者の方がメジャーだと思います。大手証券会社や銀行も概ね、窓口経由とネット経由の二つの経路を完備しています。各社のホームページを覗いてみましょう。
次に、どこの会社の証券口座をつくるか?これは、かなり難しい。
これは今後、様々な局面でかかってくるコストという面で、是非、慎重に選びたいところです。
大きく二つに分かれます。街で店舗(窓口)を見かける、いわゆる大手証券会社や銀行と、そう言えば店舗や窓口はどこにあるのかわからないというネット証券会社です。ネット証券会社は、どこを探しても、基本、店舗(窓口)はありません。
さて、どちらを選ぶか?
投資は、売り買い、そして商品によっては保有期間中に手数料がかかります。つまり、多少なりのコストがかかります。
しかし、自分のお金をふやすのだから、できればコストは抑えたいもの。
店舗(窓口)がある大手証券会社や銀行と、それらがないネット証券会社、どちらが低コストかは明らかですね。店舗出店維持コスト、人件費が抑えられている方がコストがかからないのは、言うまでもありません。
ただし、店舗(窓口)がある分、きめ細やかなサービスを受けれるというメリットもあります。でも、その先に『営業』という二文字があるのはお察しの通りです。だって、相手もビジネスであり、仕事ですから。
大手証券会社か、ネット証券会社か。それぞれのメリット・デメリットを吟味し、自身の価値観にあった会社とお付き合いを開始したいものです。
今回の主旨を踏まえると(個人的な意見では)、断然、ネット証券がベストチョイスだとアドバイスいたします。
念のため言っておきますが、証券口座を開設するにあたり、必要なお金はゼロ円です。
現金の流れ
開設にこぎつけた証券口座でいよいよ投資をスタート。さて、お金はどうやって入金すればいいの?振込手数料かかるの?
次なる大きな壁はこの【現金の流れ】のようです。なかなか、理解が難しく、入金方法がわからずに困っている方が多いのです。大丈夫です。あなただけではありません。
ここでは、ネット証券会社で口座を開設したことを前提に、その現金の基本的な流れをご説明します。
下図の通り、基本的に、証券口座に直接入金、証券口座から直接出金はできません。あくまでも、銀行口座を介する必要があります。
この銀行口座は、もちろん、あなたの現在のメイン銀行口座で構いません。郵便貯金でも大丈夫です。ただし、地方銀行にそのメイン口座がある場合は、証券口座との現金の流れ(入出金)にそれぞれ手数料がかかる可能性があるので注意が必要です。
そして、ネット証券口座と銀行口座の間で、スムーズ且つ、低コストでの入出金(現金流れ)には、やはり、ネットでのやり取りが必要となります。お手持ちの銀行口座に関して、ネットバンキングの設定を同時に済ませておきましょう。(ネットバンキング設定方法は、ご自身の口座がある銀行のホームページを確認するか、窓口に問い合わせましょう。改めての設定が不要な銀行もあります。)
さらに、その入出金の操作は自身の証券口座のログイン画面(いわゆるマイページ的なページ)から行えます。各社ネット画面上の表現は違うかもしれませんが、【入出金】というページを探してみてください。
今回はまず、証券口座とは?というところと、基本的な現金の流れについてまとめてみました。
少しはイメージが掴めたでしょうか。投資や運用の必要性を感じてはいるが、商品選びなど、まだまだ不安やわからないことなどたくさんあることでしょう。
しかし、iDeCoを始めるにも、NISAを始めるにも、まずは証券口座をつくるというステップは必ず踏む必要があります。まずは、ご自身のメインバンクがあるように、ご自身のメイン証券口座を開設するところから投資へ一歩、踏み出してみましょう。
次回は、長期的に確実に貯められて、ふやすための仕組みづくりについてご紹介したいと思います。実は、【銀行口座】にそのヒントがあるのです。お楽しみに。
Text:平田 純子(ひらた じゅんこ)
CFP®認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、2級建築士、インテリアコーディネーター