更新日: 2019.10.08 その他資産運用

親切な人だと思ったら、勧誘だったのか。投資初心者が知っておきたい、人間のリスクって?

親切な人だと思ったら、勧誘だったのか。投資初心者が知っておきたい、人間のリスクって?
皆さんは、資産運用を始めようと思ったときに誰に相談しますか? 直接、銀行や証券会社の窓口に行って相談する方もいらっしゃるでしょう。また、現在は、IFAと呼ばれるアドバイザーも存在します。いずれにしても、ビジネスとして誰かに相談をする際には、相手が相談するにふさわしい人物かどうか見極めなければなりません。
 
今回は、その見極めるポイントについて考えてみたいと思います。
 
廣重啓二郎

執筆者:廣重啓二郎(ひろしげ けいじろう)

佐賀FPオフィス 代表、ファイナンシャルプランナー、一般社団法人日本相続支援士会理事、佐賀県金融広報アドバイザー、DCアドバイザー

立命館大学卒業後、13年間大手小売業の販売業務に従事した後、保険会社に転職。1 年間保険会社に勤務後、保険代理店に6 年間勤務。
その後、コンサルティング料だけで活動している独立系ファイナンシャルプランナーと出会い「本当の意味で顧客本位の仕事ができ、大きな価値が提供できる仕事はこれだ」と思い、独立する。

現在は、日本FP協会佐賀支部の副支部長として、消費者向けのイベントや個別相談などで活動している。また、佐賀県金融広報アドバイザーとして消費者トラブルや金融教育など啓発活動にも従事している。」

相談する相手で、投資の成果が変わる

資産運用を始めようと思ったとき、誰(何)から情報を得ますか?
 
例えば
・銀行や証券会社の担当者
・IFA
・FP
・友人・知人
・ロボアドバイザー
・マスメディア
・ウェブサイト
・書籍
 
人間の力を借りて、情報を得ようと思う場合、そこには、人間のリスクがあることを忘れてはなりません。特に、無料のセミナーや無料の個別相談などは要注意です。
 
ビジネスとして事業運営している以上、無料では事業は成り立ちません。ひょっとしたら、そこには、大きな落とし穴があるかもしれません。では、どうやって、相談する人を見極めればいいのでしょうか?
 

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相談する相手は、何から利益を得ているのか

無料セミナーや無料の個別相談などを実施している場合は、金融商品の販売をすることで手数料を得ていることが多いです。よって、無料に飛びつく場合は、その後の商品の営業を受けることは、覚悟しておかなければなりません。
 
無料で開催するために、事業者側には、当然、コストがかかります。よって、そのコスト分も回収するためには、手数料の高い金融商品を勧めてくることは想像がつきます。金融商品を購入した側からするとその後、高い手数料分を負担し続けなければなりません。
 

年間の手数料を0.5%以下に抑える

筆者は、これから、資産運用を始める方には、投資信託や上場投資信託(ETF)を検討することが妥当だと考えています。なぜならば、投資信託は、少額で始めることができて、すでに複数の投資対象に分散されているため、リスクを一定程度軽減できます。
 
しかし、数ある投資信託の中から、投資初心者の方が選ぶのは大変です。そこで、筆者が推奨する投資信託を選ぶコツは、手数料を0.5%以下に抑えることです。
 
もし相談する相手が、販売する商品から収益を得ている場合、信託報酬が高い商品を勧めてくることが考えられます。0.5%以下であれば、その可能性が低いと考えられます。
 
また手数料、つまり信託報酬は投資信託を保有している間ずっとかかります。信託報酬を抑えることで投資にどのような影響があるのでしょうか?
 
例えば、100万円を投資して、年利回り5%で20年運用できたと仮定します。信託報酬が、0.5%の場合、100万円は20年後、約241万円に対して、信託報酬が、2.0%の場合、100万円は、約180万円となります。年間手数料は、特に長期間保有する場合、その差は、確実に期待収益に影響を及ぼします。
 
ほかにもメリットがあります。それは、相談する相手を見極める材料になるということです。手数料が極端に高い商品を勧めてくる販売者は、自己の利益を優先しているかもしれません。投資に関しては、専門家と称して、いかにももっともらしいことを言ってくる場合があります。
 
しかし、将来の期待リターンなどふたをあけるまで誰にもわかりません。確実にわかるのは、投資家が支払う手数料だけです。であれば、できるだけ、手数料を抑えることが懸命だと思います。
 
最後に、これから投資を始める方は次の2つのことをぜひ意識してください。
 
1.相談する相手は、何から利益を得ているのか
2.相談する相手は、なぜこの情報を自分に教えてくれるのか

 
執筆者:廣重啓二郎
ファイナンシャルプランナー、DCアドバイザー、相続支援士


 

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