更新日: 2019.06.14 株・株式・FX投資
株主優待でちょっとしたお得を感じる方法
日本経済新聞(2019年3月12日)によると、株主優待制度の導入数は今年1月末で1500銘柄を超えており、過去最多となっています。これは上場銘柄全体の4割近くに達します。また、長く保有するほどより優遇する仕組みが増えており、440銘柄と優待の3割を占めています。
現在、50万円以内で優待を受けることができる銘柄は1300銘柄以上となっています。株主優待でもらえるものは、飲食料品、食事券、買い物券、プリペイドカード、日用品、旅行、宿泊券など多岐にわたります。
優待を得ることができる決算は3月、9月が多く、その次に12月、2月が多くなっています。毎月どこかしらの会社が決算を行っているため、毎月優待を得る機会があります。
執筆者:高畑智子(たかばたけ ともこ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者
株主優待の具体的例
優待銘柄を2つほどあげてみましょう。
1社目は株式会社オリエンタルランドです。オリエンタルランドは、東京ディズニーランドを運営している会社で、権利確定月は 3・9月です。東京ディズニーランドまたは東京ディズニーシーで利用可能な、1デーパスポートを配布しています。
有効期限は1年間で、100株以上の所有者は3月末に1枚、400株以上の所有者は3月末と9月末に1枚ずつもらえます。それ以上は保有株数に応じて、枚数が増えていく形になっています。また、長期保有株主向けに、5周年ごとのアニバーサリーイヤーに株主用パスポートを配布しています。
とはいえオリエンタルランドは、100株で126万円(令和元年5月7日現在)ほど必要であり、少し敷居が高いかもしれません。
2社目は、イオン株式会社です。イオンは株主優待カード(オーナーズカード)を発行しており、権利確定月は 2・8月になっています。買い物金額合計に返金率を乗じた金額が、半年ごとに返金されます。
100株~499株で3%、1000株~2999株で5%など、持ち株数に応じて返金率が上がる形になっています。また、お客さま感謝デー(毎月20日・30日)では、5%割引の特典に加えて、先にあげた返金の対象にもなります。
さらに、イオンイーハート、イオンシネマ、タルボット、イオンペットなどで会計時、割引・優待料金特典を受けることができます。
長期保有株主優待制度として、3年以上継続かつ毎年2月末日時点の株主名簿に基づき1000株以上保有の株主に、保有株式数に応じたイオンギフトカードを進呈しています。イオンは100株20万円ほど(令和元年5月7日現在)で購入できます。
【PR】日本財託グループセミナー
何を買うのか?
では、優待目的の株をどのように選べばいいのでしょうか。アプローチ方法を2つあげてみたいと思います。
ひとつ目は、自分が日頃よいと思っている商品や会社から選ぶ方法です。株主になるということは、その会社に投資するということです。自分が常日頃接していて、信頼できる会社であるならば、投資するに値すると言えるのではないでしょうか。
いくつか候補をあげてみて、会社のHPなどから、その会社に優待制度があるのか、売買するにはいくら必要なのかを確認してみてください。
もうひとつは、証券会社のHPを使って商品から探す方法です。
証券会社のHPでは、株主優待の商品からその会社について簡単に調べることができます。興味のある優待品でも、その会社については知らないことが多いと思いますので、どのような会社なのか確認のうえ、選択していただきたいと思います。
【PR】SBI証券
株主優待の注意事項
先にも述べたとおり、株を買うということは、その会社に投資するということです。 その会社の業績や資産状況などを確認のうえ、選択していただきたいと思います。優待目当てで株を買っても、業績が悪くて倒産してしまえば優待どころではなくなります
また、株主優待は取締役会の決議事項となっており、いつでも内容を変更できます。
そのため、変更内容によって個人株主が株を手放す、保有していない投資家がその株を購入するなどで、株価が大きく変動することもあります。株主優待で株を売買する方は、その点も理解しておくといいでしょう。
出典:日本経済新聞「株主優待銘柄、1500超で最多 「長期保有で優遇」増える」
執筆者:高畑智子(たかばたけ ともこ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者