更新日: 2019.06.14 株・株式・FX投資

株主になって優待品をゲット! 仕組みや注意点を教えて

株主になって優待品をゲット! 仕組みや注意点を教えて
「株主になったので株主優待で○○が送られてきた」自慢げに話す友人がいます。何か“貰える”というのは、とても気になります。
 
ここ数年、この制度が注目されていて、導入する企業も増えています。そこで、株主優待制度の仕組みと注意点を考えてみます。
 
宮﨑真紀子

執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。

株主優待を始めたい

株主優待制度は、一定の株数以上を持った株主に商品やサービス等をプレゼントする制度です。全ての企業で導入されている訳ではありません。業種ごとに導入に差があります。
 
小売業・食料品・最終製品を扱うメーカーは、自社製品やサービスがありますので導入しやすい業種です。例えば、食品会社は新製品を株主に送ることによって、広告効果が期待できます。株主にとっても、新製品や限定商品をいち早く手に出来れば、「特別感」を感じることが出来ますので、株主優待の満足度は上がります。
 
例えば、ビール好きでお気に入りの銘柄があるとします。そのビールを優待で貰えるのなら企業に投資したい、と考えます。株主優待を調べてみると、例えば「優待制度あり 権利確定月は12月末 100株以上の株主には年に1度ビールの詰め合わせセット他が贈られる」
 
優待制度の有無や内容は、株主優待ガイドブックやサイトで調べることが出来ます。株主になっても制度を取り入れていない場合は貰えませんし、優待を受けるのに必要な株式数が100株ではない場合もありますので、事前に調べる必要があります。
 
株主優待を受けるための手順を大きくまとめると、以下のとおりです。
 
(1)証券会社の口座を開く
(2)株式を買い付ける
(3)割当基準日を迎える
(4)株主優待が届く
 
(1)(2)は株主になるステップです。株主にならないと優待は受けられませんので、第一歩といえます。優待目的の株式投資の注意点として、「優待を受けるためには500株以上必要」といった条件を確認することです。株式の数によって優待内容が異なる場合も多いので、併せて確認が必要です。当初株価500円で100株購入する予定でも、内容を調べたら200株必要だった、という場合も多いです。
 
また株式の購入には、買付代金以外に株式委託手数料や口座管理料がかかります。証券会社によって手数料の計算が違うことも注意点です。
 
(3)の割当基準日は、株主優待を受ける権利を確定する日付です。これは会社ごとに決められています。先のビール会社の例では12月ですが、3月末と決めている会社が多いです。
 
ここで注意することがあります。割当基準日に株主登録されている状態にするためには、割当基準日の3営業日前の「権利付最終日」までに株式を購入しておく必要があります。株式を購入しても即日には名簿登録できない、タイムラグがあるということです。口座開設から始める場合は、さらに日数がかかりますので、余裕を見ておくことが大切です。
 
また、株主優待で人気の銘柄は、割当基準日前に株価が上昇する可能性が大きいことにも注意が必要です。
 
(4)企業によっては、優待のサービスや商品を複数からの選択制にしています。その場合は事前に案内が届き、返信します。手順はこれで完了です。
 

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優待内容が変更になることも念頭に

「株式投資をして企業を応援したい、という投資家の気持ちに応えるため」「自社製品やサービスを知ってもらうため」株主優待の制度導入にはいろいろな理由があると考えられます。最終製品を扱っていない企業も、クオカードなどで優待を実施している会社が増えました。
 
個人投資家の裾野を広げたいという思惑もあります。企業にとっては長期で安定的に株主になってもらいたいので、長期保有者に特典を加算している例も多いです。
 
投資家の株主優待への関心は高まっており、企業も期待に応えるべく努力しています。とはいえ、諸事情により優待内容が変更になる、もしくは中止になる場合もあります。最近では、年2回実施されていたものが1回になったケースが多くあります。送料が値上げされたことと事務作業の軽減が理由だと考えられます。
 
執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
相続診断士
 

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