更新日: 2024.10.08 株・株式・FX投資
株の「パニック売り」は危険といいますが、具体的にどういった部分が危険なのでしょうか? 株価が下落しているなら早く売るべきだと思うのですが…。
しかし、株の世界では「パニック売り」と呼ばれる感情的な売却は危険だとされています。そこで今回は、なぜパニック売りが危険なのか、具体的なリスクについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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株のパニック売りの危険性
パニック売りは、投資家が市場の急激な下落に対して恐怖や不安から一斉に売却を行うことを指します。これにはいくつかの危険性があるといわれています。
損失の拡大
パニック売りは、株価が急激に下落している際によく見られ、売却価格が非常に低くなるため、大きな損失を招く恐れがあります。株価の急落を目の当たりにして、損失をこれ以上拡大させたくないという不安から、慌てて株を売却する人が多く見られるようです。
市場のさらなる悪化
多くの投資家が同時に売却を行うことで、株価がさらに下落し、市場全体が悪化することがあります。売りが売りを呼び込んでしまうのです。
心理的な影響
パニック売りは、投資家の心理に大きな影響を与え、冷静な判断ができなくなることがあります。これにより、将来的な投資機会を逃す可能性があります。
長期的なリターンの損失
短期的な下落に対して過剰に反応することで、長期的なリターンを得る機会を失うことがあります。市場は一時的な下落から回復することもあるため、冷静な判断が求められます。
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株価が下落しても早く売るべきではない
株価は時折急落し、その急落がさらなる下落を引き起こす連鎖反応が起こることもあります。そのため、こうしたメカニズムを理解した上で投資を行うことが重要です。株価が大きく下がったからといって、慌てて売却するべきではありません。
日本経済新聞によると、実際に株価は2024年6月半ばに一時3万8000円を下回ったものの、7月中旬には4万2000円台まで持ち直しました。しかし、8月2日の日経平均株価は2200円以上の大幅な下落を見せ、終値は3万5909円となりました。
それでもなお、この3万6000円前後の水準は前年の同時期と比較して3000円以上高い水準です。急な下落を目にすると「大きな損失を被った」と感じることがあるかもしれませんが、もし株価の動きが気になり過ぎるようであれば、少し距離を置くことをおすすめします。
株を売るタイミング
株を売るタイミングは投資のスタイルや個々の考え方によって異なるため、一概に正解はありませんが、売却の基準を事前に設定し、その基準に達したら売却するという方法もあります。
また以下のように、あらかじめ売却するタイミングや条件を決めておくことで、迷わずに行動できる可能性があります。
・購入価格から30%上昇したときに売却する
・購入価格の2倍に達したら売却する
・株主優待が目的の場合、株価がどれだけ上昇しても保有を続ける
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株が下落する主な理由
企業に関するネガティブな情報が発表されると、株価は下落する傾向があるようです。例えば、業績の悪化、業績予想の下方修正、債務超過、株主優待の廃止や減配などが該当します。
このような状況では、売却を検討するのも一つの手段です。特に、予想外の悪材料が急に発生した場合や、不正会計や虚偽記載などのコンプライアンス違反が報じられた場合には、株価が急落しやすくなるとされています。
また、株価の変動には企業固有の要因だけでなく、外部環境の影響もあります。例えば金融政策の変更、海外主要国の経済状況の悪化、地政学的リスク、大規模な自然災害などが挙げられます。
こうした要因が発生すると、投資家は株を手放す傾向が強まり、株価は下がりやすくなるようです。また、年末年始やゴールデンウィークなどの長期休暇の前には取引が停止するため、休暇中に市場に影響を与える要因が発生すると迅速に対応できず休暇明けに損失を被るリスクがあります。
慌てて売却するのはリスクが高い
株価が下落している状況でも、慌てて売却するのはリスクが高くなる可能性があります。
パニック売りを避け、事前に設定した投資方針や基準に基づいて冷静に対応することが、長期的な成功につながるといわれています。市場の短期的な変動に惑わされず、長期的な視点での投資を心掛けることが大切です。
短期的な市場の変動に惑わされず、事前に決めた投資戦略に従うことで、感情に左右されない賢明な投資行動を行いましょう。
出典
日本経済新聞 個人の投資心得は常に「下がりましたけど、何か?」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー