更新日: 2020.04.06 不動産投資
近年、不動産を所有し、オーナーとして家賃収入を得ることで利益を出す「不動産投資」が流行!本当に儲かるの!?
人口減少が叫ばれている今の日本ですが、2020年には東京オリンピックも控えており、首都圏の不動産価格は上昇中。
そのような中、不動産投資は今からやるべきなのか。さまざまなリスクも踏まえて、考察します。
執筆者:藤山優里(ふじやま ゆうり)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP、第一種証券外務員
防衛大学校卒業後、海上自衛隊に入隊するが、体調悪化のため退職。
退職後、自身のお金に関する知識がないことに危機感を持ちFPの勉強を始める。
現在は保険の見直し業務や転職支援などを通して、ライフプランのトータルサポートを行っている。
https://www.kura-so.com/
不動産投資とは何か?
まず、不動産投資についてですが、「マンションなどの不動産を所有し、貸し出すことによって家賃収入を得る」ことで将来の資産形成をしていきます。
不動産「投資」という名前からも分かるとおり、リスクが伴うものです。しかし、リスクを伴いながらも、高い利回りが期待できるとして、不動産投資を始める方も増えています。
最近では、都市部で単身世帯が増加していることから、ワンルームマンションのオーナーになって、家賃収入を得る方法が多くみられます。
不動産投資は、「メリット」と「リスク」をしっかりと理解したうえで、判断することがとても大切です。
もちろん、非常に高価な買い物であるからこそ、大きな利益を生むこともありますが、同時に大きな損失を生む可能性も考えられますので注意しましょう。
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メリットは年金代わりや生命保険代わり? 高い利回り?
不動産投資のメリットとしてよく挙げられることは、
(1)年金の代わりになる
(2)生命保険の代わりになる
(3)高い利回りで運用できる
(4)自己資本ではなく、第三者の資本で運用できる
この4つが代表的なものになります。不動産投資はオーナーとして第三者からの家賃で収入を得ていくので、高い利回りでの運用を期待できたり、年金の代わりにすることができます。
また、住宅ローンを組むときに団体信用生命保険に加入すると、万が一の場合は、この保険でローンの残金がなくなります。
そして、手元に残った不動産が生命保険の代わりになると考える方もいらっしゃいます。
しかし、この不動産投資には大きな「リスク」があることも忘れてはなりません。
不動産投資の「リスク」とは?
不動産投資は貸し出す部屋である「住むモノ」と、実際にその部屋に「住む人」の要素がリスクとして挙げられます。
代表的なリスクとしては、
・経年劣化による修繕費
・自然災害による破損の修繕費
・空室リスク
といったものが挙げられます。
場合によっては、高価な不動産を購入したとしても、借りてくれる人がいないために家賃収入が得られない。
また、最初は賃貸管理会社が家賃保証をした場合であっても、後から家賃保証を打ち切る可能性もあることを考えておく必要があります。
不動産投資は短期間で成果が得られるものではないために、経年劣化後の修繕についても考えておかねばなりません。
時代の流れ=「リスク」?
不動産投資のリスクは時代によっても変化していきます。近年では新たなリスクが2つ考えられます。
(1)「建て替え」の問題
(2)「空港の空路」の問題
「建て替え」の問題に関しては、東京都のワンルーム規制が代表的なものです。この規制により、ワンルームマンションの部屋における、最低面積などの制限が設けられました。
中古の不動産投資物件には、この最低面積を下回る部屋が数多くあります。
そのため、このようなマンションを建て替えるときは、これまでよりも広い部屋を作らなければなりません。その際に、部屋数を減少させる計画があれば、部屋の所有権を失うことも考えられるのです。
最近話題となっている「空港の空路」の問題として、羽田空港の離着陸ルートの変更案が挙げられます。現在、2020年に向けて、増便のための空路案が作成されています。
その中には、東京都心上空を飛行する案もあり、騒音の心配があります。騒音によって住む人がいなくなると、さらに空室リスクは高まる危険性があります。※1
このような代表的なリスクに加え、時代の流れに応じてやってくる新たなリスクがあることも把握しておきましょう。
出典
※1 国土交通省 羽田空港のこれから
Text:藤山 優里(ふじやま ゆうり)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP