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執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)
CFP(R)認定者
大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
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これまで円を売っていた投資家が買い戻しているから
機関投資家の動きの1つの方程式として、カラ売り、いわゆるショートポジション(これに対して素直に買う場合を「ロングポジション」と言います)があります。これまでの円安状況。つまり、「円はもっと安くなる。その理由はこれから好調な米国経済から米国では利上げが予想されている。金利差が開けば、高い金利がついている通貨のほうが選好されることになるだろうから、将来的にはもっと円の価値が下がるはず。今のうちに円を売って、円の価値がもっと下がったら買い戻そう」という動きになるのですね。
しかし、トランプ政権運営がもたついていることや北朝鮮がどうなるかわからない、ということでこれまで機関投資家が考えていたシナリオ通りに動くとは言い切れなくなってきました。彼らの投資行動の前提が逆になりつつあるわけです。そうなれば、リスクを抑えるために、反対の動きをしておかなければなりません。これが今、みられている「円売りポジションの巻き戻し」という行動で、このために、日本にとっては有事であるにもかかわらず、円が上昇しているのです。
政治的なイベントや要人発言は長くは続かない
ただ繰り返しお伝えしている通り、政治的イベントや要人発言、国際紛争によってグローバルマーケットがかく乱されるのは、サーフィンで言えば、ビッグウェンズディのようなものであるということです。その場の衝撃は大きいけれど「長くは続かない」「相場のトレンドを転換させるほどの力はない」ということです。もちろん、政治・軍事・国際イベントによって経済状況がかわってしまうリーマンショックのような超メガトン級のアクシデントもなくはないですが、きわめて稀です。相場を動かすのは、「利益成長」であることをもう一度ここで言及しておきたいと思います。
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