1900種類もある仮想通過 過去5年間の変貌、生き残った仮想通貨とは
配信日: 2018.10.14 更新日: 2019.01.10
今後、新たに誕生する仮想通貨と反対に、淘汰される仮想通貨が存在するのも事実です。
仮想通貨を投機対象から投資対象へ変えるため、生き残る仮想通貨や新たに台頭してくる仮想通貨を予測し、ファンダメンタルズ分析を意識することが重要です。
今回は、過去5年から現在まで、仮想通貨の種類がどう入れ替わってきたのかみてみましょう。
Text:佐藤美輪 (さとう みわ)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
会計事務所勤務を経て、中小企業のFP分析を行う企業に勤務。
一般の家計にも投資を取り入れる投資コーチとして活動中。
特に、今後、無視できない金融商品となる仮想通貨への安全な投資を広めるために、仮想通貨のファンダメンタルズ分析の実現に向けて研究しています。
5年前の仮想通貨のランキング
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当時の取引価格のトップ15位と現在を比較してみると、トップ15位以内にランクされていた仮想通貨のうち、5種類のコイン以外はトップ15位のランク外となり、代わりに10種類の新アルトコインが台頭しています。仮想通貨としての生存率はおよそ33%となります。
2013年のトップ15位以内にランキングされ、現在もトップ15位以内に残っている仮想通貨は、次の種類です。
Bitcoin(BTC), Litecoin(LTC), Ripple(XRP)
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2018年に台頭した新仮想通貨
現在、トップ15位にランキングされているなかで、新たに台頭した仮想通貨は次のコインになります。
Eathereum(ETH), Bitcoin Cash(BCH), EOS(EOS), Stellar (XLM), Cardano (ADA), IOTA (MIOTA), TRON (TRX), NEO (NEO), Ethereum Classic(ETC), Tether(USDT), Monero(XMR), Dash(DASH)
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生き残っている仮想通貨と新たに台頭した新仮想通貨には共通点がある
生き残っている仮想通貨や新たに台頭した新仮想通貨には、いくつかの共通点があります。それは個々の仮想通貨が持つ独自の機能とコミュニティの強さを持っていることです。
まず、2018年でも生き残っている仮想通貨や新たに台頭した仮想通貨は、特化した独自の機能を持っています。
例えば、スマートコントラクトを実装している、高度な匿名性を実現している、送金システムに特化している、日常の決済を意識している、今後主流となるインフラを想定した設計がされているなどです。
次に、個々の仮想通貨プロジェクトが強いコミュニティを持っていることです。
仮想通貨は、簡単にいってしまうとプログラムが集まったソフトウェアです。ソフトウェアは、想定していないデータが入力された場合、停止したり、間違った結果をはじきだしたりします。これがバグや設計不良でありメンテナンスが必要です。
このようなメンテナンスが行われなければ、安定した動作ができず、結果、利用頻度が下がることで仮想通貨市場から姿を消すことになります。
コミュニティの強さとは、次のようなことをいいます。
(1)プロジェクト(仮想通貨)のコミュニティの強さ
(2)プロジェクトのマイルストーン(具体的は開発計画やメンテナンス計画)の確かさ
(3)ICOの規模や開発にあたり潤沢な資本を確保している
(1)プロジェクト(仮想通貨)のコミュニティの強さ
コミュニティ、いわゆる開発者同士で活発な意見交換ができていることが重要で、その判断は各仮想通貨プロジェクトのホームページやブログから行います。
(2)プロジェクトのマイルストーンの確かさ
プロジェクトのマイルストーンとは、ソフトウェアの開発工程を示しています。そのプロジェクトが計画通り進行しているのかを正確にマネージされてことが重要です。ただし、これはホームページやツイッターから途中経過を判断することは少々難しい側面を持っています。
(3)ICOの規模や開発にあたり潤沢な資本を確保している
ICOで大規模な資金が集まっていることは、潤沢な開発資金を持っていることになるため、非常に重要です。
この2点を踏まえ、トップ15位から今後も生き残るポテンシャルを持つ仮想通貨をピックアップし、その特徴をまとめました。
Eathereum:スマートコントラクトはもちろんのこと、強いコミュニティを持ち、将来を見据えた量子コンピュータにも対応している
Dash/Monero:議論の余地はあるものの他の仮想通貨よりも高度な匿名性機能を実装している。ただし、その匿名性がマネーロンダリングなどに利用される可能性も高く、今後取引の規制対象になる可能性もある。コンチェック社の流出の際に追跡を逃れるために一部がMoneroに換金されていた
IOTA:Internet Of Thingの普及を意識した設計であり、IOTA独自の承認方法であるTangleと呼ばれる有向非循環グラフ(DAG)を採用していることで、未承認トランザクションをなくすことや、IoTの普及によりデバイス間でのデータのセキュリティを意識している
Rippl/Stellar:既存の銀行間で行われる送金システムを意識してより既存銀行での利用を想定して設計されている
Lightcoin:RippleやStellar同様に送金速度を意識して設計されている。RippleやStellarよりも、日常の決済としての利用を意識した設計であり、アルトコインのなかで一番歴史のある仮想通貨である
まとめ
今回調べてみて、4年程度でこれだけの仮想通貨が入れ替わっていることに、少々驚くものがありました。今後どのような仮想通貨が生き残るのかを予測することは、非常に難しいのが事実です。
しかし、やはり独自の機能的な特徴を持つものや、コミュニティが強い仮想通貨が生き残っています。
今後もその流れが大きく変わる可能性は、非常に低いといえます。
これからも、時代のニーズに対応した機能を持つ新しい仮想通貨が現れてくるでしょう。また、現在TOP15位以内にランクされている仮想通貨も、新たな時代のニーズに合わせ改変していかなければ淘汰される可能性があります。
仮想通貨を見極めるファンダメンタルズ分析として、時代のニーズに特化した独自の機能やコミュニティの強さをみることが重要な要素といえます。
※1 https://coinmarketcap.com/historical/20130915/
(2013年9月15日当時:CoinMarketCapから引用)
※2 https://coinmarketcap.com/
Text:佐藤 美輪 (さとう みわ)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士