「基準価額が上昇すると思っていたのに…」 基準価額の下げが止まらない投資信託を持っているなら
配信日: 2018.10.10 更新日: 2019.01.10
こんな場合はどうすればいいでしょうか?
Text:柴沼直美(しばぬま なおみ)
CFP(R)認定者
大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
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なぜ下がっているのかを見極める
まずなぜ下がっているのかの理由をはっきりさせましょう。
大口の投資家が利益確定のために売却しているなど、需給関連で下がっている、あるいは新興国などで政治スキャンダルや必要以上に大きく報道された理由のために下がっているといった、経済成長力とは少し違う理由で下がっている場合は、一巡すれば収束する場合があります。
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大きく報道されたことが理由で下がっている場合
大きく報道された理由で下がっている場合でも、例えば、2018年の9月現在であればトルコ情勢など、原因で下がっていると考えられる場合は収束するまでにはかなり時間がかかり、なおかつ落ち着いたところで反転を期待するのは難しいと思われます。
金融政策など国家の根幹にかかわる政策転換、あるいは大統領そのものが変わるなど政策運営の基盤整理、さらにはその政策がうまく機能するかどうかある程度の月日を要します。加えて、政策運営がスムーズに軌道に乗っても、肝心の経済が巡航速度で進んでいくかどうかは別の話になります。
最後に、その両輪がきちんと機能「しそうか」どうかを「市場が」判断してはじめて上昇に転じます。このように考えてくると、少なくとも政策運営➡経済成長➡市場判断の3つの関門をクリアしなければならないことになります。
見切りをつけるほうが次への教訓と時間の節約に
こう考えてくると見切りをつけて損切りするほうが有意義ではないでしょうか。自助努力で解決する問題ではないので、悩む時間は全くの無駄です。むしろ損切をした経験はどの教科書にも載っていない、オリジナルレッスンを体現したことになります。必ず次の投資行動(銘柄選択、売買のタイミング)に役に立ちます。
ダラダラ思い悩んで何年もたった後にようやく戻っての「やれやれ売り」ほど、時間と気持ちの無駄遣いはないと思います。
最後に付け加えるならば、損切のときには必ず「そもそもなぜこの商品に投資しようと思ったのか」を振り返ってみるといいでしょう。おそらく「よくわからなかったけど、誰かに勧められたから」という理由がある場合は「投資は自己責任」という言葉の意味がまだ消化しきれていなかったのかもしれませんね。
Text:柴沼 直美(しばぬま なおみ)
CFP(R)認定者