更新日: 2019.01.07 NISA

2014年にNISAを始めた人は決断の時 売却するか、非課税で継続するか、課税口座に切り替えるか

2014年にNISAを始めた人は決断の時 売却するか、非課税で継続するか、課税口座に切り替えるか
NISA(少額投資非課税制度)がスタートしてから2018年末で早5年、最初の非課税期間の終了が近づいてきました。
 
2014年にNISAを始めた人は、非課税期間の終了に向けてNISA口座で保有している株式や投資信託をどうするか、そろそろ検討する必要があります。また、その手続きは、NISA口座がある金融機関からの案内に従って、定められた期限までに行わなければなりません。
 
FINANCIAL FIELD編集部

Text:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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売却するか、非課税で継続するか、課税口座に切り替えるか

NISAとは株式・投資信託等の配当金や売却益などが5年間非課税となる制度ですが、その後、未成年者用に年間80万円まで非課税で投資できる「ジュニアNISA」と、一定の条件を満たした投資信託等に年間40万円まで最長20年間積立投資ができる「つみたてNISA」が誕生したため、区別するうえで「一般NISA」と呼ばれています。
 
一般NISAとつみたてNISAは同じ年に併用できませんが、年が変われば切り替えることはできます。
 
一般NISAそのものは2023年まで利用できますが、あくまでも非課税期間は5年間であるため、2014年に投資した分はいったん終了します。このため、現在、一般NISAで保有している株式や投資信託等をどうするかは、次の3つから選択することになります。
 
(1)新たな一般NISA口座に移管(ロールオーバー)する
(2)特定口座等の課税口座に移管する
(3)非課税期間内に売却する
 

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ロールオーバーする際には来年の非課税枠に注意

ロールオーバーして新たな一般NISA口座に移管すれば、さらに2023年まで非課税で運用することができますが、その場合は2019年の非課税枠を使うことになるため、今後の投資方針を踏まえての検討が必要になります。
 
ロールオーバーする場合、2019年に新規投資分の非課税枠をどれだけ使えるかは、2018年末の時価残高により決まります。一般NISAの非課税枠は、2015年までは年間100万円でしたが2016年以降は年間120万円ですので、たとえば、2014年に一般NISA口座で購入した分で2018年末の残高が80万円だった場合は、差額の40万円まで新規投資に回せます。
 
一方、一般NISA口座で保有している株式や投資信託などが値上がりして、2018年末の残高が120万円を超えていた場合は新規投資を行うことはできませんが、超過分も含めてすべて2023年まで非課税で保有し続けることができます。
 
注意点としては、一般NISA口座そのものは1年単位で金融機関を変えることができるものの、ロールオーバーは同じ金融機関でなければできない点と、たとえ40万円以下であっても、つみたてNISA口座へのロールオーバーはできない点などがあげられます。その他にも、金融機関によっては事務処理上、年末にかけてNISA口座での取引が一時的に制限される可能性があります。
 

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課税口座に移管する際には取得価格に注意

一般NISA口座で保有している株式や投資信託等を継続する場合、特定口座等の課税口座に移管することもできます。金融機関にもよりますが、特定口座と一般NISA口座の両方を開設している場合は、特に手続きをすることなく、つまり、ロールオーバーの手続きをしていなければ、一般NISA口座の残高がそのまま課税口座に移管されることになります。
 
その場合は、2019年の一般NISA口座で新たに120万円まで非課税で投資すること、あるいは、つみたてNISA口座を開設して一般NISAから切り替えることもできます。
 
最も大きな注意点は、課税口座での取得価格が2018年末時点の時価となることです。特に値下がりしている場合は、税制上のデメリットが生じやすくなります。
 
たとえば、一般NISA口座で2014年に100万円で取得した株式が2018年末に80万円に値下がりしていた場合、80万円が課税口座での取得価格となります。これを2019年以降に100万円で売却したときは、実質的な利益はないのに20万円の譲渡益があったとみなされ、その20.315%(所得税・復興特別所得税。住民税の合計)にあたる4万0630円が課税されることになります。
 

売却する際には損益通算ができないことに注意

NISA口座で取得した株式や投資信託等を非課税期間内に売却した場合は、課税口座に移管する場合と同様、いくら利益が出ても非課税ですが、反対に損失が生じても税制上は損失がなかったものとみなされます。また、課税口座での譲渡益や配当金などと損益通算をすることができない点にも注意が必要です。
 
たとえば、NISA口座で20万円の譲渡損失が生じ、同じ年に課税口座で20万円の譲渡益が生じた場合、実際は損益ゼロなのに損益通算ができないため、この譲渡益に対する税額4万0630円が課税されたままになってしまいます。
 
心機一転新たな気持ちでスタートしたい人は、売却資金で2019年分の非課税枠を活用して投資を再開することや、つみたてNISAに切り替えて積立投資を始めることも可能なので、この区切りは良い機会になります。
 
どの方法を選択しても、その後の結果がどうなるかは事前にはわかりませんが、市場環境や投資に回せる資金状況などを確認して、悔いのないように資産形成をしていきましょう。
 
Text:FINANCIAL FIELD編集部

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