更新日: 2019.01.10 その他資産運用

預貯金など「資産の終活」をしておきましょう

執筆者 : 黒木達也

預貯金など「資産の終活」をしておきましょう
自分の死後、葬儀の形式やお墓をどうするかを考え、それを自分なりに準備し、身近な家族に伝えておくいわゆる「終活」に、非常に関心が高まっています。
 
しかし、亡くなった親の預金通帳などが、どこに何通あるのかがわからずに、相続財産の確定の際に苦労したという話も増えています。
 
葬儀の形式への希望だけでなく、自分の金融資産や不動産がどのくらいあるのかを、しっかり把握し書面などで残す「資産の終活」は、相続の準備としても大切です。
 

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黒木達也

Text:黒木達也(くろき たつや)

経済ジャーナリスト

大手新聞社出版局勤務を経て現職。

銀行・証券会社の金融資産

まず最も利用頻度の高いのが、銀行や郵便局などの預貯金です。預金通帳は知らず知らずのうちに取引する口座数が増えるもので、いくつ持っているのかわからないことすらあります。
 
若い頃に転勤が多かった人は、赴任地で口座をつくり、そのまま放置してあるかもしれません。現在利用頻度の高い金融機関の口座を中心に、できるだけ口座数を絞り込み、集約・管理することが大切です。
 
利用しなくなった通帳は残高をゼロにした後、廃棄するか、「残高なし」と表紙に記入し処理します。プラスの資産だけでなく、住宅ローンなどの借入金が残っている場合は、その金融機関名と借入残高を書き留めておきます。
 
株式や投資信託を証券会社経由で保有している場合も、それぞれの証券会社ごとに抜き出し、支店名、口座番号、所有する金融商品の種類と数量を書き留めておきます。店頭取引がある場合は、担当者名も書き留めておきます。
 
最近では、コストの安いネット証券の利用も増えています。その場合は取引している証券会社名、口座番号とともに、パソコンなどでログインする際のパスワードも書き留めておくことです。
 
ネット証券の場合は、預金通帳のように目に見える形のものが少ないので、実際取引していかもわからず、遺族が実情を把握するのに大変苦労していると聞きます。ネットで証券取引していることを家族にも伝え、いざというときに、内容が確認できることが大切です。
 

クレジットカードや保険証書

意外に処理が大変なのはクレジットカードです。会社勤めや知人との関係上、義理で会員になってしまったことも多いはずです。現在でも利用しているものがあれば、なるべく最小限にして、利用頻度の低いカードは解約しましょう。
 
特に仕事の関係で質の高いサービスを受けられるクレジットカードは、年会費も高く設定されています。あまり利用しないにもかかわらず、年会費だけが引き落とされているカードなどは、即解約の対象になります。ただし、解約したカードを処分する際、マイレージなどの電子マネーの残金や高いポイントのあるカードは、残高をチェックしてから処理します。
 
生命保険に代表される各種の保険は、多くが証書の形式になっています。保険金額や支払い条件、保険金の受取人が明記されています。これらも正確に書き留めておきます。
 
医療保険など主目的が病気や怪我の保障であっても、死亡保障もついている保険があります。証書の内容を確認しておきましょう。家屋や自動車などに掛けている損害保険についても抜き出しておきます。遺産相続とは多少性格は異なりますが、今後の支払いなどがあり、誰かに引き継いでもらう必要があります。
 

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土地などの不動産はどのくらいか

土地や家屋など不動産も洗い出しておきます。現在住んでいるところの土地や家屋については、権利証などの所在をはっきりとさせます。同時に土地などの評価がかなり高い場合は、子や孫への生前贈与なども考慮します。多くの土地を相続させると、相続税自体も税率が高くなり負担が増えるからです。
 
特に自宅以外に所有している、投資用のマンションやリゾート地の別荘、親から引き継いだ山林など、リストアップが必要です。場合によっては利用価値の少ないものもあり、相続に困るからです。
 
特にバブル時代に購入した別荘など、あまり利用しない不動産は、資産価値が下がる危険が大です。相続自体を、妻や子が望まないケースも多く、多少安い価格であっても売却を検討したいものです。
 

資産リストの作成とデータ更新

銀行預金の口座や証券口座などは、不要と思われる口座を解約したうえで、現在使用している口座の番号を控え、用紙1枚でも構わないので一覧表にしておくことが必要です。自分史の最後のページに書いてもいいかもしれません。
 
相続が発生した場合に、これがあると非常に役に立ちます。通帳や保険証書、不動産関係の権利証なども合わせて保管場所も明記しておくことです。個人的な借金の借用証がある場合も同様。借入金を家族に秘密にしていると、思わぬ負債に驚き、大きな問題に発展しかねないからです。
 
すべて一括して小型の金庫に入れておくのは不安と思う人は、銀行の貸金庫なども利用し、どれがどこに保管してあるのかをきちんと表記しておきましょう。不動産取引などには必ず必要になる実印、銀行の通帳に利用している届け出印についても、保管場所を示しておきます。
 
親しい家族には、保有する資産の内容を詳しく説明したうえで、資産リストの保管場所も伝えておきます。コピーを多く作成し、作成した用紙を目立つところに置いておくと、盗難に遭った場合に、証書や権利証をすべてもっていかれる危険があるので、注意が必要です。
 
また、預金や株式の移動、不動産の売買があった場合は、必ずそのデータは更新します。その際、手書きで保存するよりも、パソコンなどを使って管理していると、データの更新は容易です。
 
月に1回程度定期的な更新がベストだと思いますが、少なくとも年に数回はチェックし、データの更新をしたいものです。資産リストはつくった後に大きく資産が減少に直面、更新せずに放置しておくと、相続財産を配分する段階で揉めごとに発展してしまうこともあり、注意しましょう。
 
Text:黒木 達也(くろき たつや)
経済ジャーナリスト