更新日: 2023.02.10 その他資産運用
SDGs債って何? 企業だけでなく自治体も発行してるって本当? メリットは?
SDGs債は、企業や自治体がSDGsに取り組むための資金調達の1つとして発行する債権です。
本記事では、SDGs債の特徴から金利まで解説します。環境問題や投資に興味のある方は参考にしてみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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SDGs債とは
SDGs債は債券の1つで、自治体や企業などが資金調達のために発行し、一定期間が経過すると利息を付けて購入者に償還する仕組みです。
企業が発行する場合は、社債と呼ばれますが、SDGs債は一般的な社債と違って自治体も発行するので、「SDGs債」として社債とは別の名称を使っています。
まずは、SDGs債の特徴、普通社債との違いなどを解説します。
SDGs債は環境問題への投資
SDGs債の最も大きな特徴は、債券を発行して得た資金の使途は、SDGsに関する開発資金に限られる点です。さらに「SDGs債」は総称で、実際にはいくつかの種類があり、その種類によって資金の使い道が限定されます。
SDGs債と呼ばれる主な債券には以下のものがあります。
・グリーンボンド:環境問題解決のためのプロジェクト資金
・ソーシャルボンド:公衆衛生や福祉、教育といった社会課題解決のためのプロジェクト資金
・トランジッションボンド:グリーンボンドの発行基準を満たさない、脱炭素化プロジェクトのための資金
・ワクチン債:発展途上国の予防接種活動のための資金
・ウォーターボンド:発展途上国の飲み水や衛生的なトイレ確保のための資金
SDGs債と普通社債の違い
普通社債は一般的な社債のことで、社債発行によって集められた資金の運用に、ほとんど制限はありません。また、特別なオプションも付かず、満期到来によって利息と元本が償還されます。
これに対してSDGs債は、定められたプロジェクトなどに資金使途が限定されるのが大きな違いです。そのため、例えばソーシャルボンドの場合なら、プロジェクトを立ち上げるときにそのプロジェクトが社会的な目標に合致することを投資家に説明するべきとされています。
自治体もSDGs債を発行
債券を発行するのは企業だけではありません。国が発行する債券は国債と呼ばれて国の重要な資金源となっています。同じように地方自治体でも債券を発行していますが、自治体が発行するSDGs債が近年増加傾向にあります。
これは、国(環境省)によるグリーンボンド支援が背景にあると考えられます。地方自治体にとっては、環境に配慮した公共施設の建築や建て替え資金を調達できる点がメリットです。
興味のある人は、お住まいの地域でSDGs債が発行されていないか調べてみるのもよいでしょう。
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SDGs債の金利とメリット・デメリット
SDGs債は地球環境改善の支援など社会貢献的な意味合いがある上に、利益も見込めるのがメリットです。
しかし、SDGs債の利回りは個別の債券によって大きな違いがあります。具体的な金利については、地方自治体や企業によって大きな違いがあり、また変更の可能性もあるため、各ホームページなどで最新情報を確認してください。
SDGs債のメリット
企業や自治体などの発行元と投資家、それぞれの立場から見たSDGs債のメリットは以下のとおりです。
・社会的な貢献をアピールできる
・環境問題に関心のある投資家の興味を引けるので新たな投資を見込める
・資金の使い道が明確で、プロジェクトの説明を受けられるので投資前の判断材料が多い
・社会的な貢献をアピールできる
SDGs債のデメリット
SDGs債には以下のデメリットもあります。
・最初に公開した資金使途以外に資金を使えないため、プロジェクトの状況によって資金が余ってもほかに回せず、資金効率が悪くなる可能性がある
・SDGs債自体がまだ新しい債権なので企業も慣れていないことが多く、プロジェクトの頓挫のリスクは低くない
SDGs債は環境問題への貢献ができることが大きなメリット
投資家とSDGs債の発行企業の双方にとって、社会的な貢献をアピールできる点がSDGs債の大きなメリットです。
しかし、投資家にとっては利回りの相場は変動的で、民間企業のSDGs債には少なからずリスクが伴います。そのため、比較的リスクの少ない地方自治体のSDGs債から始めてみるのも1つの方法です。
出典
外務省 SDGsとは?
金融庁 ソーシャルポンドガイドライン
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部