投資の基本 分散投資とは? その2

配信日: 2023.01.26

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投資の基本 分散投資とは? その2
その1では、分散投資の手法のひとつとして長期投資とそれによる時間のリスクについて説明しました。その2では、銘柄・地域のリスクの分散について説明していきます。
浦上登

執筆者:浦上登(うらかみ のぼる)

サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

東京の築地生まれ。魚市場や築地本願寺のある下町で育つ。
 
早稲田大学卒業後、大手メーカーに勤務、海外向けプラント輸出ビジネスに携わる。今までに訪れた国は35か国を超える。その後、保険代理店に勤め、ファイナンシャル・プランナーの資格を取得。
 
現在、サマーアロー・コンサルティングの代表、駒沢女子大学特別招聘講師。CFP資格認定者。証券外務員第一種。FPとして種々の相談業務を行うとともに、いくつかのセミナー、講演を行う。
 
趣味は、映画鑑賞、サッカー、旅行。映画鑑賞のジャンルは何でもありで、最近はアクションもの、推理ものに熱中している。

https://briansummer.wixsite.com/summerarrow

銘柄のリスクの分散とは?

ひとつの会社の株式のみに投資をしていると、その会社の業績が変わったときや、予期せぬ出来事が起こったときに株価が急落するリスクがあります。2011年3月の東日本大震災では東京電力の株価が急落し、無配に転落しました。2018年11月のカルロス・ゴーン会長逮捕から日産自動車の株価が下落し、現在も低迷しています。
 
単独の企業だけに投資をすると、その企業特有のリスクを受けることになります。複数企業に投資すればそのリスクは和らぎ、金融、情報通信、消費財、生産財などさまざまな分野の企業に投資することでさらに業種ごとのリスクも分散させ、安定した投資ができるようになります。
 
これを可能にするものが、「インデックス・ファンド」です。インデックス・ファンドは日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)などの指数(インデックス)にリンクする投資信託のため、これに投資をすれば日本の全ての企業に投資したと等しくなり、銘柄のリスクを分散できることになります。
 

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地域のリスクの分散とは?

銘柄のリスクの分散だけで十分かというと、まだ不十分です。日本の景気が低迷すれば日本の株価も低迷してしまいます。日経平均株価は、1989年12月29日3万8915.87円の史上最高値を付けて以来、2022年11月までその高値を更新していません。それに対しニューヨークダウ平均株価は、1989年12月1日の株価2753.2ドルから2022年11月6日の3万2403.23ドルで約11.8倍になっています。
 
投資においては、国=地域のリスクも分散しなければなりません。そうした観点からは、日本の株だけではなくアメリカなど国外の株も購入する必要があります。
 
さらに地域分散を徹底させるため、ヨーロッパや新興国などの株式も購入すれば、全世界の状況の異なったさまざまな地域の株に投資をしたことになります。これが株式投資における、リスクの地域分散です。それを可能にする方法が、銘柄分散でも述べたインデックス・ファンドです。
 
MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)という会社では、複数国の株式市場に上場する銘柄の指数を発表しています。
 
例えばMSCIコクサイ・インデックスは、日本を除いた先進国22ヶ国の銘柄に関する指数、MSCIエマージング・マーケット・インデックスは中国、インド、ブラジル、南アフリカなどの新興国26ヶ国の銘柄に関する指数です。それらの指数にリンクするインデックス・ファンドに投資することで、リスクの地域分散が可能になります。
 
日本を含む先進国と新興国のインデックス・ファンドに投資をすれば、全世界のさまざまな地域の株式に投資したことになります。
 

時間のリスクの分散と銘柄・地域のリスクの分散を組み合わせる


 
全世界のインデックス・ファンドに長期積立投資をすると、時間のリスクの分散と銘柄・地域のリスクの分散を組み合わせたことになります。株式による資産運用では、これが最もリスク分散を徹底させた運用となります。
 

まとめ

今回のその2では、銘柄・地域のリスク分散とそれを可能にする方法として、インデックス・ファンドに関することを説明しました。また、株式投資においては、世界株式にリンクするインデックス・ファンドへの長期投資が、最もリスク分散を徹底させた方法であることも述べました。
 
次回その3では、株式と、株式以外の株式と異なった値動きをする資産を組み合わせて投資する方法について解説します。
 
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

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