更新日: 2019.03.12 株・株式・FX投資
国内ETF(上場投資信託)と海外ETFはどちらがいい? そのメリットとデメリット
執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)
CFP(R)認定者
大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
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手数料に着目
ETFは、以前にもお伝えした通り、さまざまな種類があり、幅広い銘柄に分散投資されているので、全体的な景気の動きから、「海外の、例えばアジア圏の成長が期待できそう」と思えば、海外ものでも新興国もののETFに投資してみるのも面白いかもしれません。
ですが、対象となるのが国内→海外→新興国になっていくにつれて、手数料が高くなっていくことに注意が必要です。以前にもお伝えしたかもしれませんが、手数料については、皆さんが自分でコントロールできます。販売用資料などを見て、「高い」「安い」というのがすぐにわかりますから、「安い」ものを選択すればいいのです。
では、どうして手数料は高くなるのでしょう。それは取引が難しくなるからです。私たちは、流動性と言っていますが、「買いたいときに買いたいだけ買える」「売りたいときに売りたいだけ売れる」ものは安く、そうでないものは高くなります。日本や米国のように株式市場が多ければ、さまざまな思惑の投資家が参加しますから、売り買いがしやすくなります。その結果、新興国ものETFに比べて手数料は低くなります。
手数料が高いということは、より高い収益を獲得してもらわなければわりにあいません。その点から考えれば、あまりよくわからない新興国のETFというのは手数料の観点からみれば難しいと言わざるをえません。もっとも海外ものでも国内ものよりも手数料が低く設定されているもの(先進国中心ものが多いです)などは面白いかもしれませんね。
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取り扱っている金融機関や為替に着目
海外のETFは取り扱いの金融機関が、国内ものに比べて限られます。ネット証券会社などが強みを発揮していますが、それぞれの地域の強みは証券会社によって異なります。最初は中国かな?と思っていたのでA証券会社で口座開設したけれど、やっぱりインドネシアがいいと思うと、A証券会社では取り扱っていなかった、となれば、今度はB証券会社にまた新たに口座開設しなければならなくなります。その後の値動きを観察する情報が十分に提供されないなど、必ずしもすべてが「痒い所に手が届く」というところにまで至らないかもしれません。
加えて為替のことも考えなければなりません。その国でのETFそのものは上昇しても、日本円に戻した場合に、もし購入時に比べて円高であれば一気にその国での上昇分を吹き飛ばしてしまうということも起こりえます。
こうやって見てくると、海外ETFはいろいろな種類があって、手数料もぴんきり、選択肢がたくさんありますが、高い収益が期待できる場合と、為替や流動性など思わぬところでマイナス要因にかき消されてしまうという落とし穴が潜んでいることに注意しなければなりません。
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より上がりそう、という根拠のない期待だけで飛びつくのは危険
これまでの記述をまとめると、海外ETFについては手数料、為替、取り扱い金融機関の数といった「収益以外」のポイントが重要になります。これらを考えても高い収益が期待できる場合でない限り、海外ETFに投資をするのは慎重に検討した方がよさそうですね。