投資信託を始める前に知っておきたい種類と分類を知る

配信日: 2017.12.19 更新日: 2019.08.07

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投資信託を始める前に知っておきたい種類と分類を知る
柴沼直美

執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com

投資信託のほとんどが株式を組み入れた商品であることを確認しよう

目の付け所によっていろいろ分類できますが、ざっくり分類して図解したものを以下に掲載していますのでご覧ください。リートと呼ばれている不動産投資信託は、2001年に日本で取引が開始された新しいもので、販売本数は60本、市場規模は10兆を下回る水準です。次に、MRFとかMMFとか言った方がピンとくるかもしれませんが、債券だけを組み入れた商品(公社債投信)の規模は11兆円、120本です。これに対して株式が組み入れられている投資信託は約78兆円、5,940本です。そうです。投資信託といえばほとんどが、株式を組み込んだ商品であることを確認しましょう。

投資信託がどのような商品で作られているのか(株なのか債券なのか不動産なのか)で分類したあとは、その商品の国籍について分類してみましょう。国内ものなのか、海外ものなのか、それともそれをミックスしたものか、です。ここまでくれば、皆さんが投資しようとしている投資信託は、リスクが大きい(値動きが大きい)商品なのか、あまり値動きがない(安定)商品なのか、といったイメージをつかむことができます。

こちらは、以前にも触れましたが、ざっくり言って、リスク順にランキングをすると「日本債券<外国債券<日本株式<外国株式」という感じですね。海外もののほうが、リスクが大きい(=値動きが大きい)のは当然為替要因が絡んでくるからです。

次に気になるリート(不動産投資信託)のリスクですが、これはいろいろな説があって、株と債券の中間に位置するともいわれていたり、まだ取引が少ないために、価格が動くときには一気に大きく動くことが懸念されるためリスクは高い(値動きは大きい)とも言われています。結論としては、株や債券とは別物として考えた方がいいです。(詳細については別の機会にご紹介します)。

さて、ここまでで、投資信託はほとんどが株式を組み入れた商品で、海外ものが入っていれば値動きが大きくなることを確認しました。

日本の投資信託の全体像
出所:日本証券業協会ホームページを参考に筆者作成

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リスクをとりたいなら「新興国株式型」を

だいたいの値動きの大きさのランキングを確認しました。もう少し深堀してみましょう。海外と言っても、先進国と新興国では成長率や産業構造、政治リスクなどが大きく異なりますので、十把ひとからげにまとめるのはやや乱暴です。結論から言えば、新興国のリスク>先進国のリスクとなります。すなわち、一度景気成長サイクルが機能すれば大きく成長する余地が残されている(=大きく値上がりが期待できる)反面、政治的不安定さや産業構造の未成熟さから下落のリスクも大きくなることが考えられるからです。加えて、取引が円滑に進むためには、流動性(売り買いがどれだけスムーズにできるか)という要素はとても重要になります。相場が上がったり、下がったりしたときに先進国であれば無数の市場参加者が様々な思惑で売りと買いをぶつけあいますので、ある程度値動きも緩和されるのですが、新興国ではまだ証券市場も成熟しておらず市場参加者が少ないので値動きに加速がついてしまうので、「まずい!」と思ってもなかなか売れない、「買いたい!」と思ってもあっという間に暴騰してしまうというケースが起こります。

安定を望むのなら「国内債券型」を

この対極は「国内債券」です。投資信託にたとえ1%でも株式が入っていれば、株式投資信託となります。公社債投資信託というのは、株式が全く入っていない商品で上にも下にも値動きはほとんどありません。安定といえば聞こえはいいですが、相場が盛り上がっているときにも、「ずどーん、と鎮座ましましている」というイメージです。言い方をかえれば、相場が下げ止まらないときにも、いいストッパーになってくれます。

株か債券か不動産か?国内か海外か?は最低把握してから絞り込みをしましょう

最後にまとめます。最近は商品の名前や説明文を見ているだけでは、結局「何が組み込まれているのか」わからないまま、「なんとなく」流されて購入してしまうケースが多いです。しかも家電製品のように日々使うわけではないので、購入しっぱなしで、テレビのニュースで「○○の株式相場が大幅下落!」という見出しを見て、慌ててご相談にお見えになるということがよくあります。細かい枝葉はそぎ落として、どの分類の商品を自分が買ったのかは単純化して記憶しておくことが大切です。

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