最終更新日: 2020.04.08 公開日: 2020.04.10
資産運用

さあ、投資を始めよう! 50代、60代からの投資の考え方

これまで2回にわたって、これから投資を始めようとお考えの方に向け、投資の「はじめの一歩」として取り組みやすい「積立て投資」と「ドルコスト平均法」についてお伝えしました。
 
投資は時間をかけて行うと、大きなメリットを享受できる可能性が高まります。しかしながら、定年まで10年を切っている方や退職金の運用などを考える場合には、考え方も変えなければなりません。
 
今回は50代、60代からの投資の考え方についてお伝えしたいと思います。
 
西山広高

執筆者:

執筆者:西山広高(にしやま ひろたか)

ファイナンシャル・プランナー、宅地建物取引士、西山ライフデザイン代表取締役

「円満な相続のための対策」「家計の見直し」「資産形成・運用アドバイス」のほか、不動産・お金の知識と大手建設会社での勤務経験を活かし、「マイホーム取得などの不動産仲介」「不動産活用」について、ご相談者の立場に立ったアドバイスを行っている。

西山ライフデザイン株式会社 HP
http://www.nishiyama-ld.com/

詳細はこちら
西山広高

執筆者:

執筆者:西山広高(にしやま ひろたか)

ファイナンシャル・プランナー、宅地建物取引士、西山ライフデザイン代表取締役

「円満な相続のための対策」「家計の見直し」「資産形成・運用アドバイス」のほか、不動産・お金の知識と大手建設会社での勤務経験を活かし、「マイホーム取得などの不動産仲介」「不動産活用」について、ご相談者の立場に立ったアドバイスを行っている。

西山ライフデザイン株式会社 HP
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若者と中高年の投資に対する向き合い方の違い

20~40代の人たちには、今後も働く期間が長期間あり、投資期間も確保できることから、投資を始める際には前回までお伝えたような「積立て投資」が、リスクを抑えて運用する方法として適していると思います。
 
一方、定年まで10年を切っている、あるいは退職金の運用方法を考えているという人はどうでしょう。
 
定年間近になると収入が減り、定年後は収入よりも支出が多くなる方が増えます。定年時に持っている資産は、その後を生きていくための大切な資産です。
 
定年時に手元にある資産を、すべて元本割れの恐れがあるリスク性資産にして運用することはお勧めできません。とはいえ、人生100年時代といわれるようになった今、定年後30年くらい先のことまでを考えれば、長期投資も並行して考えることができます。
 
50代以降の投資はリスクを抑えて蓄えておくべき資金と、多少のリスクをとっても運用していく資金に分けて行うのが良いでしょう。

将来の必要資金を試算する

まず、自身が何歳まで生きるかを想定します。「自分はあまり長生きしたくないから」と言って、短めに設定するのはお勧めできません。それでは長生きすることがリスクになってしまいます。少なくとも95歳くらいまでは想定しておいたほうが良いでしょう。
 
定年後にどれだけの資産が必要かは人によって違います。人生100年時代といわれるようになり、長生きすれば、それだけ生活費が必要な期間も長くなります。以前、「老後2000万円問題」が話題になりましたが、2000万円では全然足りないという人も少なくありません。
 
年金生活に入ると、収入よりも支出が多い状態となり、日々資産を取り崩していくという方が増えてきます。
 
日々の生活費のほかにも、家の修繕費、賃貸住宅で暮らす方は家賃なども想定しておく必要があります。お子さまがいらっしゃる方は、その子が結婚するときなどに資金援助を想定される方もいらっしゃるでしょう。
 
たまには旅行に行きたいという方もいらっしゃるでしょうし、趣味を楽しむために必要な費用も見込む必要があります。
 
年金などの収入と今後の支出を想定し、必要な資金を算出しておきます。面倒くさがってはいけません。この資産がすべての計画のベースになります。

住宅ローンの一括返済はお勧めできない

退職金のようにまとまったお金を一時金で受領する場合、その資金をどのように使うかが重要です。できれば増やしたいという気持ちも理解できますが、増える可能性があるということは減る可能性もあるということです。不用意にリスクのある投資をすることは、避けなければなりません。
 
最近は結婚年齢も上がっていることから、住宅ローンの残債が定年時に残っている方も少なくないでしょう。退職金の使い道として「住宅ローンの一括返済」をお考えの方もいると思いますが、その先も長く続く人生に必要な資金を考えておかなければ、取り返しのつかないことにもなりかねません。
 
定年を迎えた後は住宅ローンの借り換えや、新たな借り入れも難しくなります。融資を受ける際にはそのときの収入などが審査の際に問われるからです。
 
住宅ローンも今はとても低い金利になっています。2%以上の金利がかかる住宅ローンの残債がまだ残っている場合には、できるうちに借り換えを検討しておくべきでしょう。借り換えには手数料もかかりますので、今後の総返済金額の変化と手数料も合わせ、トータルで借り換えが有利になるか判断する必要があります。
 
また、住宅ローン以上に有利な金利の資金調達方法はありません。住宅ローンを上回る投資利回りを確保できるのであれば、住宅ローンはあえて繰上げ返済せず、その分を投資に回すことも1つの方法だといえます。

定年時に保有資金を3つに分けて考える

そこで、定年時に保有する資産を3つに分けます。
 
・当面の生活資金……普通預金やすぐに現金化しやすい定期預金などに
・10年以内程度で使う資金……あまり変動の大きくない金融商品などに
・10年以上先に使う資金……長期投資を前提に運用を検討
 
このように資金を使う時期ごとに3つに分け、使う時期が近い資産ほどリスクのない、あるいは小さい運用方法を検討すべきでしょう。

長期投資のリスク

長期投資を行う場合、最大のデメリットは資金化したいタイミングで相場が下がっている可能性があることです。
 
長い目で見れば相場はおおむね上げ下げを繰り返します。積み立て投資の場合には、相場が下がった時を経過することで将来の値上がりが期待できますが、相場の周期に規則はありません。たまたま資金化したいタイミングで評価が下がってしまっている場合、元本を割る可能性も否定できません。
 
長期投資を行う場合でも、どこかのタイミングで資産の配分を見直す必要が出てくるでしょう。

金融機関は退職金を狙っている?

定年を迎えるまで、築いてきた資産はすべて預貯金になっているという方も少なくありません。そういう方にとっては、定年後に初めて投資をするということになります。
 
退職金が銀行に入金されると、多くの場合、銀行から連絡があります。
 
退職金を手にした方はその資金を有利に運用したいと考えるでしょう。銀行は、その大きな資金を運用する際の手数料収入を狙っているかもしれません。銀行に運用方法を相談するのは少々危険です。銀行が勧める商品は「銀行が儲けやすい商品」である可能性があります。
 
金融機関も営利企業であり、どこかで儲けを得ています。昨今は低金利時代なので、定期預金を預かってもあまり金融機関はうれしくありません。今、金融機関は利益の多くを「手数料」から得ています。そしてその手数料はわれわれが支払うものです。
 
手数料を支払ってもそれ以上に恩恵があるのであれば良いのですが、金融機関はお客さんが儲けようが損しようが、確実に得られる手数料を得ることを狙っている可能性があるのです。
 
ましてや、退職金のような大きな金額で手数料が得られる金融商品を購入すれば、支払う手数料の金額も大きくなってしまいます。投資する側にとっては痛いコストになりかねません。

投資はタイミングが大切

長期投資を考える資金で金融商品等を購入する場合には、どのような銘柄、商品を選ぶかも重要ですが、それ以上に大切なのはタイミングです。一括して購入せず、時期をずらすほうがリスク分散につながります。
 
また、その金融商品が買っても良いタイミングなのかどうかも、見極める必要があります。
 
投資を行う際には、その商品がどのように運用され、どのような値動きをしているのかを確認してからでなければなりません。タイミングを見極めるのは決してたやすくはありません。投資のプロでも勝率100%ではないのです。ましてや、投資経験が少ない人は失敗する可能性がより高くなります。
 
投資も経験が重要です。はじめは少ない資金から始め、慣れてきたら少し運用額を増やしてみる、というように考えたほうが安全です。できれば、定年になる前から少しずつ投資を始め、慣れておいたほうが良いと思います。
 
執筆者:西山広高
ファイナンシャル・プランナー、宅地建物取引士、西山ライフデザイン代表取締役

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