人気の『つみたてNISA』を今、始めるべきではないワケ

配信日: 2018.08.22 更新日: 2019.08.30

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人気の『つみたてNISA』を今、始めるべきではないワケ
毎月一定額を拠出し、投資信託を購入する「つみたてNISA(少額投資非課税制度)」。投資初心者である女性や20代〜30代の若年層に人気で、2019年には1000億円規模になるペースで資金が流入しています。
 
つみたてNISAでは、毎月一定額を長期に積み立てることで、ドルコスト平均法という投資方法が使えます。購入時期の分散をして長期に積立することで、平均購入価格が高くなるリスクを抑える投資方法です。
 
毎月少額からできるので気軽に始めている方も多いのではないでしょうか。
 
今回は、つみたてNISAのリスクと、ドルコスト平均法のリスクを説明したいと思います。
 
大堀貴子

執筆者:大堀貴子(おおほり たかこ)

CFP(R)認定者 第Ⅰ種証券外務員

2008年南山大学法学部法律学科卒業後、大手証券会社で、営業として勤務。主人のタイ赴任がきまり、退社。3年間の在タイ中、2人をタイで出産、子育てする。本帰国後、日本で3人目を出産。現在、3人の子育てと長女の国立小学校受験に奮闘中。子供への早期教育の多額の出費、住宅ローン、子供の学資資金、また老後資金準備のため、いろいろな制度を使って、資産運用をしています。実際の経験を踏まえた、お金に関する、役立つ情報を発信していきたいと思います。

つみたてNISAとは?

「つみたてNISA」とは、2018年から始まった投資の非課税制度です。
 
つみたてNISAは、毎月一定額投資信託を購入することができる口座で、その投資信託の利益(売却益・分配金)が非課税になる制度です。
 
投資する前に、つみたてNISA専用の口座を証券会社で作る必要があります。対象年齢は20歳以上。毎年40万円を限度とし、最長20年間(2018年~2037年)、最大800万円が非課税となります。一般のNISAと併用することはできません。
 
■つみたてNISA投資対象(例)

つみたてNISAは、長期積立に適した対象商品のみ購入できます。
 
日経平均株価に連動する投資信託(日本株式)
TOPIXに連動する投資信託(日本株式)
世界株式に連動する投資信託(世界株式)
新興国株式に連動する投資信託(新興国株式)
バランス型(株式・債券・不動産投資信託証券REIT)など

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ドルコスト平均法

「ドルコスト平均法」とは、一定間隔を空けて決まった額を購入することで、購入時期を分散し、リスクを抑える投資方法です。
 

例えば、上図のように、投資信託を毎月1万円購入するとします。
 
投資信託の価格が高い10円の時(1月)は、1000口購入で口数が少なくなります。
 
投資信託の価格が安い 2円の時(9月)は、5000口購入で口数が多くなります。
 
つまり、価格が高い時は購入口数が少なく、価格が安い時は多くなるので、平均購入価格を下げることができるのです。
 
しかし、ドルコスト平均法で注意しなければいけないのは、上げ相場で始める時です。価格がどんどん上がっている時、もしくはずっと高い時にドルコスト平均法で投資を始めてしまうと、平均購入価格が高くなってしまいます。
 
上げ相場は、購入してすぐに利益が出て売却するならば良いのですが、ドルコスト平均法で一定額を少額で購入していく場合、すぐにまとまった資金にはなりません。始めて数年後にやっとまとまった資金になるので、売却時に下げ相場になった時、損をするリスクがあります。
 

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【NISA】
・投資できる商品が多い
・NISA口座での国内株式 売買手数料0円
【つみたてNISA】
・幅広い投資信託ラインナップ
・100円から積立がスタートできる

今は上げ相場?下げ相場?

日本株式の代表指標である日経平均は、バブル相場の史上最高値3万8957円(1989年12月29日)をそれ以後、更新したことがありません。
 
また、2018年7月31日、日経平均終値は2万2553.72円と、ITバブル崩壊(2000年)以来の最高値を記録しています。
 
今、つみたてNISAを始めない方がいいのは、今が上げ相場で高い時期の可能性があるからです。このように株価が高い状況で始めてしまうのは考えものです。
 
下がり始めた時や、大きく下がった時に、つみたてNISAを検討してもいいと思います。
 
出典
金融庁 つみたてNISAとは
金融庁 投資の基本
 
Text:大堀 貴子(おおほり たかこ)
CFP(R)認定者・第Ⅰ種証券外務員
 


 

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