更新日: 2019.06.15 介護

親の介護のこと、考えていますか?仕事・子育て・介護、働く主婦の親の介護実態を探ろう

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

親の介護のこと、考えていますか?仕事・子育て・介護、働く主婦の親の介護実態を探ろう
自分が年齢を重ねるにつれ、気になるのが親の介護。最近では、老後に2000万円の貯蓄が必要といった見解が出てくるなど、なにかと金銭面に不安を抱えている家庭も多いと思います。
 
「そんなときに親を介護施設に入れるお金なんてない」「ヘルパーさんにお願いするお金もない」となったとき、自分で親の介護をするという選択をすることもあるでしょう。
 
そこで今回は、働く主婦の親の介護実態について見ていきたいと思います。みなさんどのようにしているのでしょうか。
 
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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働く主婦が介護を始める平均年齢とは?

ソフトブレーン・フィールド株式会社が発表した、「《働く主婦》の仕事と介護に関する意識調査」(※1)の結果を見ていきましょう。この調査は、働く主婦830名を対象に行われたものです。
 
【親族の介護や日常生活においてのお世話などを担った経験はありますか?】
1位:介護経験なし(現在介護が必要な親族はいない)        57.0%
2位:親族の介護を担った経験がある               18.9%
3位:介護経験なし(現在介護が必要な親族がいるが自分は担っていない) 14.5%
4位:現在、親族の介護を担っている                 8.9%
 
この回答によると、介護経験がある働く主婦は約3割という結果に。働きながら介護となると、約3割という結果は決して少ない数字ではないという印象です。
 
【介護の対象者は?(複数回答)】
1位:自分の親   61.5%
2位:配偶者の親  29.9%
3位:その他の親族 21.2%
4位:その他     2.6%
5位:配偶者     1.7%
 
介護経験のある働く主婦の介護対象の内訳は、上記の内容に。一番多かったのが自分の親という結果になりました。では、みなさん何歳くらいから介護を始めることになったのでしょうか。
 
【介護を始めた年齢は?】
1位:40代   34.6%
2位:50代   23.4%
3位:30代   19.9%
4位:20代   14.3%
5位:60代以上  7.8%
 
もっとも多かったのは、3割強の40代でした。介護を始めた平均年齢は43歳。仕事や子育てをバリバリやるような年齢から介護を始める人が多いという実情が見えてきました。
 

働く主婦は、仕事・子育て・介護の両立を求められている

では次に、介護をしている働く主婦の仕事や子育ての実態を見てみましょう。
 
【介護時の就業形態について/兼業を含む(複数回答)】
1位:個人事業主やフリーランス形態・自営業      60.3%
2位:パートタイムなどのアルバイト形態        36.5%
3位:フルタイムで働く社員形態            15.3%
4位:派遣社員などの派遣形態             10.1%
5位:内職等の家内請負形態              6.9%
5位:ウェブ上のやりとりで完結するクラウドソーシング  6.9%
 
フルタイムで就業していた人は15%程度にとどまり、多くの人が比較的就業時間に自由のきく自営業やアルバイトのようなかたちで働いているということがわかります。やはり介護と仕事を両立しようとすると、フルタイムで働くのは厳しいものがあるのかもしれません。
 
【介護時の子どもの有無】
1位:介護時に同居している(いた)子どもはいない 35.9%
2位:6歳 ~12歳                 13.4%
3位:16歳 ~18歳                12.1%
4位:3歳~小学校に上がる前の未就学児       11.3%
5位:23歳以上                   8.7%
6位:13歳~15歳                  8.6%
7位:妊娠中~満1歳未満              4.8%
8位:19歳~22歳                  3.0%
9位:1歳以上~2歳                 2.2%
 
この回答によると、介護時に子どもがいた働く主婦は64.1%という結果に。妊娠中~小学校に上がる前までの未就学児の子どもがいたという人は18.3%、小学校~高校生の子どもがいたという人は34.1%ということになります。
 
半数以上の人が、仕事・子育て・介護の両立を求められていたという事実が明らかになりました。
 

公的介護保険制度は意外に知られていない?

現状の日本は、高齢化が進む一方。家族全員で親族の介護をしなければならない機会も増えるかもしれません。
 
そこで活用したいのが、家族の負担を軽減し、介護を社会全体で支えることを目的に、2000年に創設された「介護保険制度」(※2)です。これは、介護保険の被保険者が要介護・要支援状態になった際、自宅・日帰り・宿泊などの介護サービスを受けられるというもの。
 
では、まだ介護の経験がない働く女性たちの間で、介護保険制度の認知度はどのくらいなのでしょうか。
 
【公的介護保険制度について知っていますか?】
1位:ほとんど知らない 55.8%
2位:あまり知らない  29.6%
3位:少し知っている  12.1%
4位:よく知っている   2.5% 
 
なんと「ほとんど知らない」「あまり知らない」という人が約85%という結果に。いざ自分の手で親族の介護をすることになった際、この制度のことを知らないとかなり苦労してしまうかもしれません。
 
ちなみに、介護未経験の働く女性に「親族の介護について、親や祖父母などと話をしたことや準備をしていますか?」と聞いたところ、「話したことがない(備えもしてない)」が52.2%、「話したことがある(備えをしていない)」40.5%、「話したことがある(備えをしている)」5.6%という結果に。
 
この調査結果を見る限り、「親族の介護なんてまだまだ現実的じゃない」と思っている人が多いことが伺えます。しかしながら、不慮の事故や突然の病気などで、ある日いきなり介護が始まる可能性もあります。
 
実際自分が介護することになったとき、頼れるサービスはあるのか、自分にはなにができるのか、家族とどう役割分担をするのかなど、今からしっかり話し合っておくことが大切といえそうです。
 
※1 ソフトブレーン・フィールド株式会社「《働く主婦》の仕事と介護に関する意識調査」
※2 厚生労働省「介護保険制度について」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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