最終更新日: 2019.06.13 公開日: 2019.06.07

病気で通院すると、いくらかかる?傷病別の通院医療費を男女別に調べてみた

もし病気になって通院することになった時、どのくらいの費用がかかるのでしょうか?個人差はあるものの、傷病別の平均値を知ることができれば、経済的な準備はかなりしやすくなります。
 
そこで、健康保険(公的な医療保険制度)の給付実績を調べた統計から、傷病別の通院医療費を男女別に調べてみました。
 

傷病ごとの通院医療費の多くは1万円程度!?

厚生労働省の医療給付実態調査では、健康保険に加入している人の受診状況を診療報酬明細書等から詳細に調査しています。その結果から、1件(1回)あたりの入院外医療費を傷病別・男女別にまとめ、まずは男性についてグラフにしてみました。
 
健康保険は全国健康保険協会管掌健康保険や組合管掌健康保険、後期高齢者医療制度等に分かれていますが、ここでは各制度の合計値を載せています。また、グラフには入院外件数の多い傷病や医療費の高い傷病等を中心に、主要な傷病のみ載せています。
 

 
男性1件あたりの入院外(通院)医療費を傷病別に見てみると、「腎不全(28.2万円)」の高さが際立っています。
 
比較的高いのは「白血病(7.9万円)」や「直腸S状結腸移行部及び直腸の悪性新生物(6.3万円)」で、がんはどの部位でも比較的高くなっています。その他の傷病は、1件あたりの通院医療費は1~2万円程度で済んでいます。
 
また、グラフの1件あたりの医療費は費用全体(10割)の額なので、健康保険加入で自己負担割合が3割であれば、自己負担額はグラフの額を0.3倍した額になります。骨折の入院外医療費は15,494円ですが、15,494円×0.3で自己負担額は5千円もしません。
 
しかし、完治までの通院が1回とは限りません。例えば、がんの治療は昨今入院による治療より通院による治療が多くなっていますが、医療給付実態調査では胃がんの入院件数235,926に対し、入院外(通院)件数は1,764,679で7.5倍もの件数にもなっています。
 
そのため、入院外件数には同じ患者が複数回数えられていると考えられます。
 

腎不全の通院医療費は男女共に高額

次に女性の1件(1回)あたりの入院外医療費を傷病別にグラフにしてみました。女性特有の疾病も含まれるため、男性のグラフとは一部傷病の種類が異なっています。
 

 
女性の1件あたりの入院外(通院)医療費でも「腎不全(27.1万円)」が際立って高額で、グラフに載せた傷病の中では、「乳がん(4.7万円)」や「結腸がん(3.8万円)」が次に高くなっています。ただ、多くの傷病は男性と同様に1~2万円程度で済んでいます。
 
1件あたりの入院外医療費を男女で比べてみると、多くの傷病で男性の方が高くなっています。例えば「結腸がん」は男性4.6万円に対し女性3.8万円、「統合失調症,統合失調症型障害及び妄想性障害」は男性2.2万円に対し女性1.7万円等です。
 
通院した時の医療費は入院に比べてかなり少額です。1件あたりの入院外医療費を見る限りでは、気合を入れて準備しておくほどの額ではありません。しかし、一度の傷病でかかる入院外医療費はグラフに記載の1回分とは限らず、医療費以外でかかる費用(交通費や自由診療等)もあります。
 
通院ではなく入院で治療する場合もあるので、あまり油断せずに普段使う予定のないお金を貯金しておいたり、医療保険に加入したりする等して、経済的な備えもしておくようにしましょう。
 
執筆者:松浦建二(まつうら けんじ)
CFP(R)認定者
 



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