最終更新日: 2019.06.13 公開日: 2019.06.05

「定年後は何をしたい?」定年後の居場所探しのポイント

「定年後は何をしたいですか?」の質問に、返ってくる答えの代表は「旅行」です。しかし、一通り旅行を楽しんだら、その後は?自分の居場所を作ることは、シニアの生活にとって重要課題です。一例を見ながら考えてみましょう。
 

地域密着型の居場所は必要

63歳の会社員Tさんが、会社OBの先輩達に会うと、度々受けるアドバイスがあるそうです。それは「出来るだけ長く働いた方が良いよ」だそう。これは経済的な理由もありますが、むしろ“暇をもてあそんで退屈している”という先輩諸氏の本音があるようです。
 
もうすぐ65歳を迎えるSさんは、2年ほど前から定年の準備を始めました。準備内容は2つです。
 
(1)資格の取得:これまでの経験を活かせる仕事を模索する中で、資格取得の必要性を感じたそうです。
 
また系統立てて勉強することで、これまでバラバラに思えた知識の整理が出来て良かったとのこと。これらを自分の強みとして活かしていく方法を、さらに探っている最中です。
 
(2)地域のネットワーク作り:彼は仕事一筋の会社人間でしたので地域活動に縁がなかったのですが、消防団に入ることにしました。
 
命に関わることですので、講習会や装備を付けての訓練など戸惑いもあったようですが、“初めての経験”を語るSさんは雄弁でした。地元に知人が増えたことは、災害時の安心に繋がります。ご近所の懇親会に参加する機会を得たことで、交流の枠が広がっているようです。
 

公共施設で情報収集

消防団は無理でも、何か地域の活動に参加することで、ネットワークを広げることは出来ると思います。身近な事例として、シルバー人材センターやボランティア活動をするのも一案です。
 
著者は実家の庭木の剪定を、シルバー人材センターにお願いしています。依頼する側も、担当者が近隣の方という安心感があります。
 
地域によって提供しているサービスは違いますが、庭木の剪定・大工工事・裁縫・翻訳・パソコンなど特殊技術や専門技能を要するもの以外に、簡単な作業もあります。これまでに培った経験を活かす機会が見つかると思います。
 
先日、大田区社会福祉協議会の方と話す機会がありました。今年度、組織改正が行われボランティアセンターがスタートしたそうです。ボランティアは主に、高齢者施設などで活動するのですが、募集の内容は多岐に亘っています。
 
楽器の演奏・歌の披露・踊りの披露・話し相手、これらの募集が多いことに少し驚きました。他に囲碁や麻雀のお相手や、絵画・書道を指導できる人も求められています。趣味を披露することで喜んでもらえる、これはボランティアする側も楽しいのではないでしょうか。
 
図書館や公民館などの公共施設に置かれているチラシには、地域の耳寄りな情報が盛りだくさんです。もちろん、ネットで検索も出来ます。参加したくなるイベントが見つかるかもしれません。
 

健康状態良好の秘訣は“外出と会話”

内閣府「高齢者の健康に関する調査(平成29年度)」によると、社会的な活動への参加の有無を健康状態別にみると、健康状態が「良い」「まあ良い」「ふつう」とする人では、3割以上が社会的な活動に参加していたのに対し、「あまり良くない」では20.3%、「良くない」では11.5%と低くなっています。
 
ここでの「社会的な活動」は、自治会や町内会の活動、地域安全や子育て支援、その他のボランティアや社会奉仕活動、お祭りなどが選択肢となっています。
 
団塊の世代が退職して数年たちます。リタイアメント後の過ごし方が話題になることも増えました。寿命が延び、還暦世代はライフプランの見直しが必須となっています。
 
「現役を退いて“余生”を過ごしています」「年金生活なので細々暮らしています」なんて、とんでもありません。活動範囲を狭めると、健康的ではありません。有償・無償を問わず、活動的な毎日を過ごすことが健康に繋がります。これは医療費の節約になります。
 
執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
 



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