公開日: 2020.10.19 年金

法改正でパートタイマーの厚生年金加入の適用範囲が拡大?加入条件は?年金額への影響は?

令和2年5月29日、「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」が成立し、6月5日に公布されました。日本の年金制度は現役世代が高齢者を支える世代間扶養の仕組みを採用しています。少子高齢化の影響で年金財政が厳しくなっています。
 
対策の1つとして、厚生年金加入の適用範囲を拡大し、従来、厚生年金に加入できなかったパートタイマーの加入条件を緩和してきました。さらに、法改正により、加入条件が緩和されます。
新美昌也

執筆者:

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

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新美昌也

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執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

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ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
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パートタイマーの厚生年金加入の条件

現行制度では、以下の条件を満たすパートタイマーは厚生年金の被保険者になります。
 
(1)週の所定労働時間が20時間以上あること
(2)雇用期間が1年以上見込まれること
(3)賃金の月額が8万8000円以上であること
 *月8万8000円の判定は、基本給および諸手当によって行い、残業代や賞与・臨時的な賃金(結婚手当等)・最低賃金において算入しないことを定める賃金(精皆勤手当、通勤手当および家族手当)は含みません。
(4)学生でないこと
(5)厚生年金保険の被保険者数が常時501人以上の企業に勤務
 
なお、厚生年金保険の被保険者数が501人未満の企業であっても、労使合意に基づき申し出をした場合は、厚生年金に加入できます。

パートタイマーの厚生年金加入の条件緩和

法改正により、従業員数が現行制度の「501人以上」から、令和4年10月以降は「101人以上」へ、令和6年10月以降は「51人以上」へ、段階的に緩和されます。また、雇用期間が現行制度の「1年以上」から、令和4年10月以降はフルタイムの被保険者と同様の「2ヶ月超」へと緩和されます。
 
その他の条件は現行制度と同じです(現状維持)。なお、企業規模要件の「従業員数」は、適用拡大以前の通常の被保険者の人数を指し、それ以外の短時間労働者を含みません。
 
すなわち、その企業に勤務するすべての従業員を対象としてカウントするのではなく、フルタイムの労働者および週労働時間が通常の労働者の3/4以上の短時間労働者を指し、それ未満のパートタイマーは含みません。そして、月ごとに従業員数をカウントし、直近12ヶ月のうち6ヶ月で基準を上回ったら適用対象です。
 
一度適用対象となったら、従業員数が基準を下回っても引き続き適用対象です。ただし被保険者の3/4の同意で対象外となることができます。

年金額等への影響

適用拡大の対象となれば、扶養から外れ、保険料の負担は増えますが、老齢基礎年金に加えて報酬比例の年金(厚生年金)が一生涯受け取れます。
 
障害がある状態になった場合には、障害基礎年金に加えて障害厚生年金を受け取れます。また、死亡した場合には、遺族の方は遺族厚生年金を受け取れます。
 
また、健康保険にも加入しますので、ケガや出産によって仕事を休まなければならない場合に、賃金の3分の2程度の給付を受け取ることができます(傷病手当金、出産手当金)。

その他の改正

強制適用の対象となる5人以上の個人事業所の適用業種に、弁護士、税理士等の士業が追加されます(令和4年10月施行)。
 
また、厚生年金・健康保険の適用対象である国・自治体等で勤務する短時間労働者に対して、公務員共済の短期給付(医療保険)が適用されます。

最後に

夫が働き、妻がパートタイマーの場合、妻の年収が130万円を超えると扶養から外れるので、この130万円を基準に働き方を考える傾向にありました。
 
適用拡大の対象となれば、厚生年金(健康保険)に加入し扶養を外れるので、年収130万円の基準を超えないようにする必要がなくなります。働き方も見直しましょう。
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー。

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