公開日: 2020.10.05 年金

定年退職後に在職老齢年金をもらいながら働く場合の注意点とは

人生における3大支出の1つである老後資金。1年半ほど前に「老後2000万円問題」が話題となりましたね。人生100年時代においては年金だけでなく、働けるうちは働くということが大事だと思います。
 
また、内閣府の高齢社会白書によると、令和元年10月時点での高齢化率は28.4%で、労働力人口に占める65歳以上の割合は907万人、13.2%となり過去最高を更新しており、この増加傾向は少子化の影響で今後も続くと考えられています。
そんな中、65歳以上になっても働き続ける場合の年金の受給について、どのようなことを知っておいて働くのがよいのかを考えていきましょう。
田久保誠

執筆者:

執筆者:田久保誠(たくぼ まこと)

田久保誠行政書士事務所代表

特定行政書士、CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士
宅地建物取引士、2級知的財産管理技能士、著作権相談員

行政書士相談センターの相談員として、相続等の相談業務や会社設立、許認可申請業務を中心に活動している。「クライアントと同じ目線で一歩先を行く提案」をモットーにしている。

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田久保誠

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執筆者:田久保誠(たくぼ まこと)

田久保誠行政書士事務所代表

特定行政書士、CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士
宅地建物取引士、2級知的財産管理技能士、著作権相談員

行政書士相談センターの相談員として、相続等の相談業務や会社設立、許認可申請業務を中心に活動している。「クライアントと同じ目線で一歩先を行く提案」をモットーにしている。

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高齢者の雇用体系はどうなっているの?

現在、高年齢者雇用安定法では、企業の高齢者雇用について、次の3つのいずれかの措置を義務付けています。
  
(1)65歳まで定年年齢を引き上げ
(2)希望者全員を対象とする、65歳までの「継続雇用制度」を導入
(3)定年制の廃止

  
この中で(2)の継続雇用制度は、すでに雇用している労働者が定年を迎えたときに、定年後も引き続き雇用する制度のことです。この制度を導入する企業は希望者全員を対象とする必要があり、次の2つの制度があります。
 
(1)再雇用制度:定年でいったん退職とし、新たに雇用契約を結ぶこと
(2)勤務延長制度:定年で退職とせず、引き続き雇用を続けること
 
現在、従業員31人以上の企業約16万社のうち、99.8%は制度を実施しており、78.8%は65歳以上まで働くことのできる制度を導入しています。

定年退職後も働きたい人はどのくらいいるの?

では、実際に定年退職後も働きたいという人は、どれくらいいるのでしょうか。
 
現在仕事をしている60歳以上の87%は65歳以上まで働きたいと回答、うち36.7%が「働けるうちはいつまでも」働きたいと回答しています。その理由の1つとして、現在の年金の受給年齢が65歳からとなっていることが関係しているのではないかと思われます。

定年退職後に在職老齢年金をもらいながら働く場合の注意点

定年退職後も働き続ける場合、企業に雇用されている間は厚生年金の加入は70歳までとなっているので、70歳まで働き続ける場合の年金保険料の支払いも70歳まで続きます(厚生年金の加入条件を満たす雇用形態の場合に限ります)。
 
年金の受給については、保険料の支払いと並行して、老齢厚生年金を「在職老齢年金」として受給することになります。これは65歳未満と65歳以上で支給の計算方法が違いますのでそれぞれ見ていきます。
 


※1 老齢基礎年金額÷12
※2 その月の標準報酬月額+その月以前1年間の標準賞与額の総額÷12

減額されない働き方は?

年金が一部支給停止などで調整されるのは、60歳以降に厚生年金に加入して働く場合のみです。
 
また、厚生年金に加入しなければならないのは、そこで働く正社員の所定労働時間と労働日数の3/4以上働く場合ですので、それ以下の労働時間(例えば正社員が40時間/週働くのであれば30時間未満/週)の短時間労働者として働けば、厚生年金に加入する必要はありませんし、個人事業主として働くのであればそもそも関係してきません。
 
ただし、厚生年金に加入することによって、退職後の年金額が増えるというメリットも忘れてはなりません。

定年退職後も働く意味も考えて

定年退職後も働き続けることは、平均寿命が延びていることからして、今後も主流となっていくでしょう。ただ、残念ながら現役時代のように働くことは、体力的にも能力的にも難しくなる場合があります。
 
働くということは、お金を稼ぐ手段が主目的ですが、働くことによって得られる生きがいや健康維持は、趣味で得られるそれとはまた違った意味合いを持ってきます。そういった面でも人生100年時代に、心身ともに豊かに過ごすためにも、定年退職後の働き方について現役時代からしっかり考えておきましょう。
 
(出典)内閣府「令和2年版高齢社会白書」
 
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表

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