更新日: 2020.04.03 その他年金

過去10年間で年金保険料は増えている? 減っている?

執筆者 : 辻章嗣

過去10年間で年金保険料は増えている? 減っている?
皆さんは、国民年金保険料や厚生年金保険料を納めるなかで、「保険料が毎年増え続けている」と思ったことはありませんか?
 
また、今後も保険料が増え続けるのでは、と不安に思う方もいるかもしれませんが、実際はどうなのでしょうか。今回は、過去10年間の年金保険料の変遷を見ながら、年金保険料の仕組みを解説します。
 

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辻章嗣

執筆者:辻章嗣(つじ のりつぐ)

ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

元航空自衛隊の戦闘機パイロット。在職中にCFP(R)、社会保険労務士の資格を取得。退官後は、保険会社で防衛省向けライフプラン・セミナー、社会保険労務士法人で介護離職防止セミナー等の講師を担当。現在は、独立系FP事務所「ウィングFP相談室」を開業し、「あなたの夢を実現し不安を軽減するための資金計画や家計の見直しをお手伝いする家計のホームドクター(R)」をモットーに個別相談やセミナー講師を務めている。
https://www.wing-fp.com/

年金の仕組みは平成16年(2004年)に大きく変わった!

わが国の年金制度は、平成16年の年金制度改正によって大きく変わりました。
 
それまでは、年金の給付水準を維持することを優先し、それに必要な負担(保険料)を後から設定していましたので、保険料が際限なく引き上げられる仕組みになっていました。
 
しかし、平成16年の改正によって、まず初めに将来の負担(保険料)の上限を設定し、その範囲内で給付水準を調整することになりました。
 
そして、保険料の上昇は極力抑え、将来的にその保険料水準を固定することになったのです。
 
つまり、これから先、保険料が増え続けるということはありません。
 
一方、この改正では、国民年金の国庫負担分を3分の1から2分の1に引き上げて財政の安定を図るとともに、経済マクロスライド制を導入して年金の給付水準を抑えることになりました。(※1)
 

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厚生年金保険料の仕組みと変遷

厚生年金保険の保険料は、下表のとおり、毎月の給与と賞与にそれぞれ共通の保険料率を掛けて計算され、事業主と被保険者が半分ずつ負担しています。(※2)
 


 
そして、平成16年の年金改正において、厚生年金の保険料率の上限が18.300%(被保険者負担分9.150%)に設定され、下のグラフのとおり段階的に引き上げられ平成29年9月以降は固定されることになりました。
 

 
このように、毎年増えているように感じられたかもしれない厚生年金保険料ですが、平成29年以降は引き上げられていないのです。
 

国民年金保険料の仕組みと変遷

国民年金の保険料は、国民年金の第1号被保険者が納める保険料で、毎月一律の保険料を納付します。国民年金保険料は、毎年度その額が決定されますが、令和元年度の国民年金保険料は、月額1万6410円になっています。(※4)
 
平成16年の年金改正において、国民年金保険料についても、上限額が月額1万6900円と定められました。そして、それまでは、下表のとおり保険料が毎年280円ずつ引き上げられ平成29年度に上限に達しました。(※5)
 
執筆者:辻章嗣
ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士