最終更新日: 2019.01.10 公開日: 2018.10.31
年金

父子家庭が遺族年金を受けるためには(2) 共働き家庭の妻が亡くなったら?遺族厚生年金も受けられるのか

執筆者 : 井内義典

前回は、父子家庭が遺族基礎年金を受けるための条件について取り上げました。父子家庭が遺族基礎年金を受けることになった場合、もし、亡くなった妻に会社員としての厚生年金加入期間があれば、遺族厚生年金も併せて受けられるのではないかという疑問もあるでしょう。
 
遺族基礎年金と併せて遺族厚生年金も受けるための要件とはどのようになっているのでしょうか。
 
 
井内義典

Text:

Text:井内義典(いのうち よしのり)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

1982年生まれ。株式会社よこはまライフプランニング代表取締役。

資格学校勤務時代には教材編集等の制作業務や学習相談業務に従事し、個人開業の社会保険労務士・FPとしては公的年金に関する研修講師を務め、また、公的年金の相談業務も経験してきている。

これらの経験を活かして、専門誌で年金に関する執筆を行っている。2018年に、年金やライフプランに関する相談・提案、教育研修、制作、調査研究の各事業を行うための株式会社よこはまライフプランニングを設立、横浜を中心に首都圏で活動中。日本年金学会会員、日本FP学会準会員。

井内義典

執筆者:

Text:井内義典(いのうち よしのり)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

1982年生まれ。株式会社よこはまライフプランニング代表取締役。

資格学校勤務時代には教材編集等の制作業務や学習相談業務に従事し、個人開業の社会保険労務士・FPとしては公的年金に関する研修講師を務め、また、公的年金の相談業務も経験してきている。

これらの経験を活かして、専門誌で年金に関する執筆を行っている。2018年に、年金やライフプランに関する相談・提案、教育研修、制作、調査研究の各事業を行うための株式会社よこはまライフプランニングを設立、横浜を中心に首都圏で活動中。日本年金学会会員、日本FP学会準会員。

遺族厚生年金を受けるための要件とは?

妻が亡くなって、夫が遺族厚生年金受けるためには、まず、妻に厚生年金加入期間があることが条件です。そして、亡くなった妻が【図表1】の要件(1)~(4)のうちいずれかを満たしている必要があります。
 
在職中の妻が亡くなると、保険料納付要件を満たせば(1)に該当しますが、亡くなる当時まで専業主婦をしていた妻は(2)(3)(4)のいずれかに該当している必要があるでしょう。
 

 
また、遺族厚生年金を受けるためには遺族と亡くなった人と生計が同じ(同一世帯で同居など)で、遺族が収入要件(前年の年収が850万円未満など)を満たさなければならない点は、遺族基礎年金の場合と同じです。
 
なお、夫が遺族厚生年金を受ける場合、遺族基礎年金と異なり、高校卒業までの子(一定の障害がある場合は20歳未満の子)がいることは要件となっていません。
 

夫が受ける遺族厚生年金には年齢要件もある!

遺族厚生年金は、亡くなった人の厚生年金加入期間や在職中の給与(標準報酬月額)や賞与(標準賞与額)に応じて、金額が決まってくることになりますが、先述の要件さえ満たせば夫は遺族厚生年金を受けられるかというと、実はそうではありません。夫が亡くなって妻が遺族厚生年金を受ける場合と異なり、妻が亡くなって夫が受けるにあたっては、夫に年齢要件もあります。
 
妻が亡くなった当時、夫が55歳以上でないとまず遺族厚生年金は受けられません。しかも、55歳以上であっても、まだ60歳になっていない場合は、すぐに遺族厚生年金は受けられず、夫自身が60歳にならないと受給が始まらないのが原則です。
 

遺族基礎年金と併せて受けるためには?

ただし、60歳前に父子家庭として遺族基礎年金を受けられる場合は、55歳以降60歳前の期間に遺族厚生年金も受けられることになっています(【図表2】)。妻が亡くなった当時、夫が55歳以上で、高校卒業までの子(または障害がある20歳未満の子)がいるときのみ、遺族基礎年金と遺族厚生年金両方を受けられるということになるでしょう。
 

 
平成26年4月より父子家庭も遺族基礎年金を受けられるようにはなりましたが、遺族厚生年金は依然として年齢制限もあり、母子家庭の場合と異なりますので、注意する必要があるでしょう。
 
Text:井内 義典(いのうち よしのり)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー