更新日: 2020.04.07 国民年金

大学生の子どもに、国民年金の加入案内が。無視しても問題ない?

執筆者 : 林智慮

大学生の子どもに、国民年金の加入案内が。無視しても問題ない?
年々、値上がりする学費。それだけでも頭が痛いのに、20歳になったとたん日本年金機構から手紙が届きます。国民年金の加入案内です。

でも、年金は10年加入していればもらえるようになったから、今、無理して入らなくても。働き始めてから入ればいいのでは? 無視してもいい?

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おすすめポイント

・自宅の売却後もそのまま住み続けられます
・売却金のお使いみちに制限がないので自由に使えます
・家の維持にかかるコスト・リスクが無くなります
・ご年齢や収入に制限がないので、どなたでもお申し込みいただけます

林智慮

執筆者:林智慮(はやし ちりよ)

CFP(R)認定者

相続診断士 
終活カウンセラー 
確定拠出年金相談ねっと認定FP
大学(工学部)卒業後、橋梁設計の会社で設計業務に携わる。結婚で専業主婦となるが夫の独立を機に経理・総務に転身。事業と家庭のファイナンシャル・プランナーとなる。コーチング資格も習得し、金銭面だけでなく心の面からも「幸せに生きる」サポートをしている。4人の子の母。保険や金融商品を売らない独立系ファイナンシャル・プランナー。

支払いが難しいなら、学生納付特例制度を利用

支払いが辛いからといって、そのままにしておくのはよくありません。必ず加入しましょう。
 
支払いが難しいなら、納付猶予の制度「学生納付特例制度」を利用します。学生納付特例対象校一覧は日本年金機構のHPに掲載されていますが、高校、大学、短大、専門学校等ほぼすべての学校と、予備校の一部が可能です。
 
手続きは住民票のある役場の国民年金の窓口、近くの年金事務所で手続きをします。ほかに、一部の学校にも手続き代行ができるところもあります。
 
申込みには、申請書と学生証のコピーまたは在学証明書を持って行きます。加入と特例の申請を同時にできます。
 
申請者本人のみの所得が「118万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等」以下の学生が対象になります。家族の所得が多いか少ないかは問われません。
 
学生納付特例制度が承認された期間は、加入期間にカウントされます。老齢年金には反映されませんが、加入していることで受けられる大きなメリットがあります。
 

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おすすめポイント

・自宅の売却後もそのまま住み続けられます
・まとまった資金を短期間で手に入れられます
・家の維持にかかるコスト・リスクが無くなります
・借り入れせずに資金を調達できます

障害基礎年金

万が一、加入期間の事故で障害を負ったとき、または心の病気で働けなくなったときに、障害基礎年金の受給対象になります。
 
事故発生の前々月に、保険料納付済み期間が加入期間の2/3以上であること、または前々月の前1年間に保険料の未納がないこと、の支給要件がありますが、学生納付特例の承認を受けている期間は、保険料納付済み期間と同様に対象期間とされます。
 
つまり、国民年金保険料を払ってなくても加入しているので、障害基礎年金を受け取ることができます。障害の状態により、受給額が違います。
 
1級の場合 974,125円(779,300円×1.25)
2級の場合 779,300円   
※ 779,300円は平成29年4月からの年金額
              
ですが、学生納付特例の手続きを取らず、未加入だった場合、障害を負っても障害基礎年金の給付はされません。
 
国民年金加入後に障害を負って障害年金を受給された人が、その後に就職することができて給料をもらっても、年金はそのままもらい続けることができます。
 
20歳前にすでに障害を負っていた場合は、20歳になると障害年金を受給できます。しかし、この場合は所得額によって年金が支給停止になります。例えば、1人世帯の場合、所得額が360万4000円を超えると年金の1/2が支給停止となり、462万円を超えると年金全額が支給停止になります。
 

10年以内であれば追納できる

老齢基礎年金を受け取るためには、10年以上の納付期間が必要です。学生納付特例納付制度の承認期間は受給資格期間に含まれますが、年金額の計算には含まれません。その期間分の年金が少なくなってしまいます。
 
10年間以内であれば追納することができます、承認を受けた翌年度から3年度以降の追納は,猶予中の保険料に加算がされます。また、追納できる期間の古いものから追納します。
 
追納することで受給額がどの程度増えるのでしょうか。例えば、1カ月分の保険料を追納したら、77万9300円(平成29年4月時点の満額)/480カ月≒1624円 年金が増額できます。1年分の追納の場合は、約1万9482円年金が増額できます。これが終身で受け取れます。
 
また、親が子どもの国民年金保険料を支払う場合、支払った保険料は親の所得から控除できます。余裕があれば少しでも掛けてあげたいですね。
 
学生免除特例制は2年と1カ月前までさかのぼって申請することができます。未加入の人は、なるべく早く手続きしましょう。詳しくは、日本年金機構のHPをご覧ください。
 
Text:林 智慮(はやし ちりよ)
CFP®認定者相続診断士 終活カウンセラー 確定拠出年金相談ねっと認定FP