更新日: 2019.01.11 老後

『老後の疑問』しっかりと理解しておきたい介護施設の選び方と付き合い方

執筆者 : 藤丸史果

ご家族の介護では、始めから介護施設を選択する場合や、在宅介護を続けているうちに症状が進んで施設を探す場合など、さまざまなケースがあるかと思います。
 
しかし、介護施設は種類が多くて選び方が難しいと感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 
そこで今回は、介護施設の種類と施設を選ぶ際のポイントについて詳しくお伝えしたいと思います。
 
 
藤丸史果

Text:

Text:藤丸史果(ふじまる あやか)

ファイナンシャルプランナー

相続、投資信託など、身近なファイナンスを中心に活動している。

藤丸史果

執筆者:

Text:藤丸史果(ふじまる あやか)

ファイナンシャルプランナー

相続、投資信託など、身近なファイナンスを中心に活動している。

介護施設の種類

施設には入居の目的や条件によって多くの種類があります。主に、「自治体等が運営する公的な施設」と「民間企業などが運営する民間の施設」の2つに分けることができます。
 
「公的施設」は費用面でのメリットが特に多く、民間施設の費用の半分以下になることもあります。そのため待機者が多く、入居条件も厳しくなる傾向があります。
 
一方の「民間施設」は公的施設に比べて費用は高くなりますが、比較的早い入居が可能です。いろいろなサービスや料金体系があるため、入居者に合わせた施設を選びやすいと言えるかもしれません。
 
さらに、介護施設は介護の必要度によって次のように分けられます。
 

介護の必要なし

・シルバーハウジング(公的施設)
特徴:比較的自立した生活を送る高齢者が対象のバリアフリー設備がある賃貸住宅。生活援助員のアドバイスや生活支援サービスを受けられる。
 
・住宅型有料老人ホーム(民間施設)
特徴:比較的自立した生活を送る高齢者が対象。要介護度が高くなって介護サービスが必要になった時は在宅の介護サービスを利用できる。
 
・サービス付き高齢者向け住宅(民間施設)
特徴:比較的自立した生活を送る高齢者が対象。生活の自由度が高く、「サ高住」とも呼ばれる。基本的に介護サービスは提供されないが、近年、サービス面の充実は増す傾向にある。
 
介護の必要あり

<要介護度が低い>

・介護付き有料老人ホーム(民間施設)
特徴:介護専用タイプでは要介護1以上が条件になるが、混合型であれば自立生活を送れる高齢者も入居可能になっている。常駐する介護スタッフによる介護サービスを受けられる。
 

<要介護度が高い>

・特別養護老人ホーム(公的施設)
特徴:寝たきりや認知症など、在宅での生活が困難で原則、要介護3以上の高齢者が入居できる施設。在宅介護が難しい人向けの施設で人気があるが、待機者が多い。
 
・介護老人保健施設(公的施設)
特徴:病院と自宅の中間的施設として位置づけられる。入居者が自宅に戻るために、専門スタッフによるリハビリテーションなどの機能訓練を行うことができる短期入所施設。
 
・介護型ケアハウス(公的施設/民間施設)
特徴:身寄りが無い、所得が低いといった高齢者を対象とした低額な施設で、いくつかタイプがあり、介護型は要介護1以上の要介護認定者が対象。
 

<要介護度が高く、認知症の症状あり>

・認知症対応型グループホーム(公的施設/民間施設)
特徴:認知症の高齢者向けの地域密着型共同生活施設で、近年、増加傾向にある。専門スタッフの援助を受けながらユニットと呼ばれる5人~9人程度の単位で共同生活を行う。
 
他にも、医療管理が日常的に必要な人には「介護療養型医療施設」がありますが、2018年4月から「介護医療院」が始まり順次転換するため、介護療養型医療施設は2024年度までに廃止予定となっています。
 

入居一時金について

先ほど、公的施設と民間施設の費用の違いについてお伝えしましたが、例えば公的施設の「特別養護老人ホーム」の費用は、月額利用料が約5万円~15万円のところが多く、入居一時金は基本的に不要です。
 
それに対し、同じように要介護度が高い入居者向けの民間施設である「介護付き有料老人ホーム」は、月額利用料が約15万円~30万円、入居一時金は数十万円から数千万円するところもあります。
 
この入居一時金とは、その施設で生活する利用権を得るための家賃前払いのようなものです。
 
民間施設でも入居一時金が無いところもありますが、一時金を必要とする施設では、その多くが入居時に30%など一部を預かり分(初期償却)とし、残りは一定の期間内に少しずつ償却されていきます。償却期間内に死亡した場合や、途中退去をした場合には未償却分が返却される仕組みです。
 
高額な一時金を支払ったのに、退去した時に思っていたより戻らなかったというトラブルも発生しています。そのため、一時金の有無のほか、内訳や退去時の返済金額などは入居前にしっかり確認しましょう。
 

施設の探し方

自治体の窓口やウェブサイトなどで施設の一覧を入手することができます。入居者に合った施設を探すのが難しいと感じたら、最寄りの地域包括支援センターや民間の紹介センターに問い合わせてみるのが良いと思います。
 
介護や福祉に関する総合窓口として、お住まいの地域の介護施設に関する情報を提供したり、相談も受け付けてくれます。
 
すでに要介護認定を受けており、在宅での介護サービスを利用している場合は担当のケアマネージャーに相談すると良いでしょう。
 
ケアマネージャーはご自宅近くの介護施設の情報に詳しく、入居者ご本人の状態や普段の暮らしをよく知っているため、その方に合った施設を紹介してくれるはずです。
 

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施設を選ぶ際のポイントと注意点

施設を決める際には、まずはサービスの内容について詳しく確認します。
 
希望のサービスはあるか、介護保険適用内のサービスには何があり、保険適用外や適用限度額を超えるサービスの利用料はいくらなのか、などをしっかり確認しましょう。医療的なサポートについてもチェックします。例えば、入居者に持病がある場合には連携病院に診療科目があるかどうかもポイントです。
 
最近はサービス付き高齢者住宅、いわゆる「サ高住」が人気ですが、医師や看護師が常駐していないところが多く、入居者にとって必要なサービスはあるかという観点は重要になります。
 
場所については、ご自宅から近くて家族が会いに行きやすいところであること。金銭面では、その施設を選んだ場合に入居時の支払いとその後の生活に無理がないかどうか。これらのことを、必ず計画を立ててみてから判断するようにしましょう。
 
できるだけ、施設の見学や体験入居はご本人に参加してもらい、入居者が普段過ごす居室の快適さや、スタッフの対応などもよく見ておくと良いと思います。
 
ご本人とそのご家族にとって、最も快適で安心できる施設を選ぶようにしたいですね。

Text:藤丸 史果(ふじまる あやか)
ファイナンシャルプランナー