更新日: 2019.01.08 セカンドライフ

人生100年の時代がやってきました。65歳は次のステージの始まり~引退の歳ではありません

執筆者 : 宮﨑真紀子

人生100年の時代がやってきました。65歳は次のステージの始まり~引退の歳ではありません
 
 「LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」(リンダ・グラットン著・東洋経済新報社)が話題になっています。著者はイギリス人ですが、長寿化が進む日本における「人生100年」は、次の世代のことではなく、我々世代の問題なのです。本では、2007年に日本で生まれた子どもの半分は107歳以上生きることが予想される、と書かれています。医療の進歩を考えると、現在50歳代の人も100歳が当たり前の時代がやってきそうです。今回は65歳からのライフデザインを考えます。
 
宮﨑真紀子

Text:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。

自分好みの働き方を選ぶ

 

 定年が延長され、サラリーマンの引退は現在、65歳が節目と考えられています。100歳-65歳=35年間を考えた時に、暮らし方は様々ですが、心配なのは「お金」の問題です。これまでの“退職の時点で残高3000万円を目標に貯蓄しましょう”で大丈夫なのでしょうか。これは高齢夫婦無職世帯の一か月の支出が約28万円(総務省家計調査)と、厚生労働省が想定するモデル(会社員の夫と専業主婦)の年金受給月額の約22万円、更に想定される支出を盛り込んで、ざっくりと試算したものです。

 35年の生活の仕方によって、必要な資金は大きく違ってきます。「一日中テレビを見て過ごすのなら、高級テレビを買った後は、そんなに費用は掛からない」といった極端な話もあるくらいです。とは言え寿命が長くなり、支出が増えそうなのですから、収入を増やすことを考える必要があります。65歳からの老後資金の増やし方を整理してみます。

 

【働いて収入を得る】

東京都福祉保健局が5年毎に行っている「高齢者の生活実態」調査によると、65歳以上(平均年齢74.8歳)の3割が収入のある仕事をしています。

内訳は 自営業 32.3%  契約社員・パート 26.3% 会社役員 7.4% 正社員 7.1%

35%の人が70歳くらいまで働ける社会が理想と回答しています。

仕事を見つける手段としていくつか挙げてみました。

 

1.シニア向けの転職サイトを利用する

 これまでの経験が活かされるようなヘッドハンティングやスカウトがあれば、やりがいやお給料の面で齟齬が少ないので、応じるのが良策だと思います。シニア向けの転職サイトがありますので自分で探す環境も広がりつつありますが、特別なスキルがないと厳しい場合も多いです。

これまでと全く別の仕事をしたい~という人もいますが、この場合は相当の準備と情報収集が必要です。
 

2.クラウドワーカーとして仕事を受注する

 ネットを媒介にして企業が仕事を発注する「クラウドソーシング」が増えています。やり取りは全てネット上ですので、当初は副業にする人が多かったのですが、子育て中の主婦と共に存在感が増しているのがシニア層です。仕事の内容は、専門性の高いものから、そうでないものまで幅広いですが、内容によって時給も大きく異なります。①のような「就職先を探す方法」にプラスして、こうした「仕事そのものを探す方法」も選択肢に入れる時代になりました。いずれの場合も、経験やスキルによってお給料は大きく変わりますので、ますます自分磨きが重要になってきます。

 

3.シルバー人材センターに登録をする

 60歳以上になると地域のシルバー人材センターに登録することが出来ます。加入者は全国で72万人(平成27年度 内 男性が48万人)です。基本的に都道府県知事の指定を受けた社団法人なので、安心感があります。「生きがいを得るための就業」や「地域社会の活性化」がセンターの目的です。一定の安定収入は保証されず、1か月5万程度です。仕事の内容は、臨時的かつ短期的又はその他の軽易な業務です。これまでは仕事一辺倒だったので、地域に仲間を増やしたい人に向いています。

 

4.趣味を生かして先生になる

 陶芸や絵画の作品展に行くと、時々、値札の付いている作品を見かけます。もともとは教室の日頃の成果を発表する場であったのでしょうが、腕が上がると、展示即売会になる例はよくあることです。出来上がった作品を販売するだけでなく、上級になると、指導者になることもあります。自宅でお料理やフラワーアレンジメントの教室を開く例は身近です。こちらも地域密着型なので、ご近所のネットワーク作りに役立ちそうです。

 

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お金に働いてもらう

【資産運用で増やす】

 繰り返しになりますが、65歳から100歳までは35年間もあります。長期間でお金を増やす方法に欠かせないのは「お金に働いてもらう」ことです。3000万円の資金を毎月10万円ずつ取り崩す例で考えます。単純に取り崩していると、3000÷(10×12か月)=25年でなくなります。2%で運用しながら取り崩すと、なくなるまでの年数が34.7年。約10年間も延びるのです。低金利の時代は暫く続きます。今までの「定期預金頼み」ではなく、少しリスクをとって、お金を増やす時代になってきたと言えます。