前回の記事では、変動金利と固定金利について簡単にお話ししました。
今回は金利の変動要因についてお話ししていきたいと思います。
執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。
子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。
2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai
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金利変動の要因
どういうときに金利が上がったり、下がったりするのでしょう。
この仕組みを理解していると、住宅ローンを借りたり、借りかえをする際に便利です。
(1)景気と金利の関係
○景気が良くなる?⇒金利が上がる
○景気が悪くなる?⇒金利が下がる
景気が良くなる局面では、通常、金利は上がっていきます。
これとは逆に、景気が悪くなる局面では金利は下がっていきます。
景気が良くなる状況では企業活動が活発になり、より多くのお金を必要とするため、企業はお金を借りようとします。
一方で、景気が悪くなる状況では、企業活動が鈍り、企業はお金を借りようとしません。
(2)株価と金利の関係
○株価が上がる?⇒金利も上がる
○株価が下がる?⇒金利も下がる
景気が良くなるか、悪くなるかは、日常生活ではなかなか判断できません。
そんなとき、簡単に判断の基準になるのが株価です。
ここでいう株価は、日本の場合、日経平均株価指数を指標にすると分かりやすくなります。
一般的に景気、つまり実体経済は、株価の動きから半年~1年遅れで現れると言われています。
このことから、「日経平均株価」の動きをチェックしておくと、将来、景気が良くなるか、悪くなるかを判断しやすくなります。
結果として、金利が上がるか、下がるかの傾向を予測することができます。
(3)雇用統計と金利の関係
○完全失業率が下がる⇒金利が上がる
○完全失業率が上がる⇒金利が下がる
完全失業率は、15歳以上で働く意欲のある人(労働力人口)のうち、働き口がなく仕事を探している人(完全失業者)がどれぐらいいるかを示す指数です。
通常、完全失業率が低いときは景気が良く、完全失業率が高いときは景気が悪いと判断します。
完全失業率は、景気動向をみる指数のうち遅行指数と呼ばれ、実体経済を色濃く反映するとされています。
これをみることで景気が良い、悪いの判断がされるため、(1)と同じような流れで、金利の上昇や下落を予測することができます。
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まとめ
ほかにも金利に影響を与える要因はたくさんありますが、日常生活を送りながら金利が上がる・下がるを自分なりに予測する簡単な方法としては、上記の3つを知っておくと便利かもしれません。
ただ、実際は、(1)・(2)・(3)が必ずしもあてになるとは限りません。
例えば、今は国の政策により低金利が維持されているため、3つの関係性がそのまま当てはまらない部分もありますよね。
これだけで金利が上がるか、下がるかを予測するのは難しく、もう少し直接的な国の金融政策などを理解しておくと、金利がどう動くかをより判断しやすくなります。
次回は、そういった、より直接的に金利に影響を与える要因についてお伝えしていきます。
Text:重定 賢治(しげさだ けんじ)
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