更新日: 2019.01.08 その他

身近な電気の話 エアコン節約術

執筆者 : 藤森禮一郎

身近な電気の話 エアコン節約術
 夏の猛暑の時は、熱中症が心配です。毎年多くの人が病院に搬送されています。最近の傾向として熱中症患者は高齢者に多く、炎天下の屋外よりも家の中で発症する割合が多いことなどがわかってきました。
熱中症とは高温の環境下で、体内の水分、塩分(ナトリウム)などのバランスが崩れたり、体内の調整機能が働かないことによる様々な障害が起こることを言います。病院で点滴を受けただけで回復することもありますが、手当てが遅れ重症化すると生死にかかわることもありますから要注意です。そんなときはエアコンを積極的に活用し室内環境を整えてほしいですね。


 
藤森禮一郎

Text:藤森禮一郎(ふじもり れいいちろう)

フリージャーナリスト

中央大学法学部卒。電気新聞入社、電力・原子力・電力自由化など、主としてエネルギー行政を担当。編集局長、論説主幹、特別編集委員を経て2010年より現職。電力問題のコメンテーターとしてテレビ、雑誌などでも活躍中。主な著書に『電力系統をやさしく科学する』、『知ってナットク原子力』、『データ通信をやさしく科学する』、『身近な電気のクエスション』、『火力発電、温暖化を防ぐカギのカギ』、『電気の未来、スマートグリッド』(いずれも電気新聞刊)など多数。

 除湿運転には二つの方法があることを紹介しましたが。弱冷房除湿運転だと1ヶ月の電気代は1663円で、冷房運転の3分の1程度で済みます。しかし再熱除湿運転すると6283円かかり、冷房運転の場合の1.35倍になります。ただ冷房除湿は、電気代は安のですが、温度を下げすぎてしまう難点があります。気を付けたいですね。電気代がかかる再熱除湿にもメリットもあります。湿気が多く肌寒い梅雨の季節やエアコンをつけっ放しだと寝冷えが心配という人たちにとっては有効な運転方法です。このようにエアコンには機能別に目的が違いますから、どのような冷房をしたいのかを考えて運転方法を選択すれば費用対効果の高いエアコン生活が楽しめますね。

 またエアコンの性能や電気代などはダイキン、パナソニック、シャープなどエアコンメーカーによっても、また同じメーカーでも機種によって異なります。具体的な目安を知りたい場合は、PCでメーカーのHPを開くと様々な比較データが一覧できます。参考にすると良いでしょう。

 

買い替えモ電気代の節約の方法のひとつ

 

 日本の家電機器はエアコンに限らず省エネ性能や経済性が年々向上しています。技術の進歩には目覚ましいものがあります。これは日本政府が進めている省エネ制度によるものと思われます。例えば、エアコンの消費電力を比べるとこの10年間でおよそ40%の省エネを達成しています。その省エネ制度とは「トップランナー制度」と「省エネラベリング制度」です。トップランナーとは、電気機器に関わる性能向上に関するメーカーの判断基準(省エネ基準)を、現在商品化されている製品のうち、エネルギー消費効率がもっとも優れているもの(トップランナー)の性能、技術開発の将来の見通しを勘案して定めるというものです。

 その上で、省エネラベリング制度は、家庭で使用される製品を中心に省エネ法で定めた省エネ性能の向上を促すための目標基準(トップランナー基準)を達成しているかどうかを事業者が製品にラベル表示する制度です。

 消費者が製品を選ぶ際の省エネ性能の比較などに役立ちます。省エネラベルの内容は資源エネルギー庁のHPに細かく表示されています。壊れてもいないのにエアコンを買い替えるのはもったいないと思うこともありますが、省エネによる運転経費の削減効果を考えると、買い替えをした方が電気代の節約ができることがあります。加えてCO2の削減に貢献できることがあります。ぜひ省エネラベルの比較検討してみてはいかがでしょうか。 

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