公開日: 2020.10.09 暮らし

コロナで収入減なのに、どんな給付制度も対象外!一体どうすればいい?

新型コロナウイルスの影響で収入が減少した人に対して、持続化給付金や雇用調整助成金などさまざまな対策が打ち出されています。しかし、40代シングルマザーの陽子(仮名)さんの場合は、それら制度の対象外でした。どのような事情があったのでしょうか。
前田菜緒

執筆者:

執筆者:前田菜緒(まえだ なお)

FPオフィス And Asset 代表
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
確定拠出年金相談ねっと認定FP、2019年FP協会広報スタッフ

保険代理店勤務を経て独立。資産運用と保険に強いファイナンシャル・プランナーとして、子育て世代向けに相談やセミナーを行っている。全国どこからでも受講可能なオンラインセミナーを毎月開催。自宅で学べる手軽さと講座内容のわかりやすさが好評。子どもが寝てからでも参加できるよう、セミナーや相談は夜も行っている。

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前田菜緒

執筆者:

執筆者:前田菜緒(まえだ なお)

FPオフィス And Asset 代表
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
確定拠出年金相談ねっと認定FP、2019年FP協会広報スタッフ

保険代理店勤務を経て独立。資産運用と保険に強いファイナンシャル・プランナーとして、子育て世代向けに相談やセミナーを行っている。全国どこからでも受講可能なオンラインセミナーを毎月開催。自宅で学べる手軽さと講座内容のわかりやすさが好評。子どもが寝てからでも参加できるよう、セミナーや相談は夜も行っている。

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パート先でコロナ感染者が3名発生

陽子さんは、小学生と保育園の子どもを持つシングルマザーです。ダブルワーカーで、自営で子ども向け英語教室を運営する一方、一般企業で事務のパートもしています。英語教室がメインの仕事ですが、これだけでは2人の子どもを養っていけず、パートもしています。
 
今回コロナ感染者が出たのはパート先の会社です。中堅企業の支社で、50人ほどが1つのフロアで働いています。この支社で最初の感染者が出たのは、2020年8月初旬でした。その時には濃厚接触者はおらず、その1名のみ仕事を休んでいた状況でした。
 
しかしその1週間後、新たに感染者が3名も出ました。しかも、濃厚接触者は4名いることが判明しました。同じフロアで働いていますから1名出ただけでも怖い気持ちがあったのですが、たった1週間で3名も増え、さすがに陽子さんもこのまま働き続けるにはリスクが大きいと思いました。
 
というのも、陽子さんは英語教室を運営していますから、万一自分が感染したら、そこに通う生徒を感染させてしまうリスクがあります。また自分の子どもに感染させてしまうリスクはもちろん、自分の子も感染したら、子どもが通っている小学校や保育園も休校、休園になり、その保護者にまで迷惑をかけてしまいます。
 
もちろん同じ職場で働く人も同じ考えを持っており、とにかく自分が感染する怖さより人に迷惑をかけてしまうことを恐れ、仕事を休みたいと思っていました。しかし、休むと収入が減ります。有給は3日しかありませんし、生活がかかっていますから、休みたくても簡単に休めるわけではありませんでした。
 
ところで、一般的にコロナ感染者が出ると、会社は一時休業するケースが多いようです。しかし、陽子さんの会社は宅配関係の会社で、休業は考えていないようでした。また、陽子さんは事務ですから、テレワークしようと思えばできます。しかし、会社はそれを推進しようともしません。
 
今回のコロナ対策で会社がやったことは、事務所の消毒です。本社から3人やってきて、事務所の一部を拭いた程度。正直、本社からわざわざ来なくても、支社のメンバーでできる程度の消毒を行っただけというのです。

仕事を休みたくても休めない理由

さすがに、このような会社の対応に陽子さんは不信感を抱きました。そこで、パートの仕事を休むため、収入減少に対する国の制度を調べたのです。結論からいうと、陽子さんが利用できる制度はありませんでした。
 
今回のケースにあてはまりそうな制度は、「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」です。会社の指示で休業した中小企業の労働者を対象として、平均賃金の8割を支給してくれる制度です。今回、会社の休業指示はありませんが、会社にお願いすれば、休業指示をしてくれそうです。
 
「この制度を使えば、仕事を休んでも生活ができるかも」陽子さんはコールセンターに問い合わせました。しかし、ここで対象外ということがわかったのです。なぜなら、支給対象となる会社は中小企業で、この制度において、陽子さんの会社は中小企業にはあたらなかったからです。
 
そこで、次に考えたのが雇用調整助成金です。会社が申請する制度ですが、大企業でも中小企業でも対象になります。しかし、この制度も対象外でした。なぜなら、対象となる企業は、売り上げが前年同月比で5%「以上減少しているという条件を満たす会社です。
 
陽子さんはパートなので、会社の売り上げがどの程度なのかは知りません。しかし、宅配関連ということもあり、コロナで逆に売り上げを伸ばしていることは明らかでした。確かに、売り上げを伸ばしている大企業に対して助成する必要はないでしょう。
 
しかし、売り上げが増加しているからといって、コロナが原因で会社を休んでも、会社からの補助はありません。一方、出勤すれば給料はもらえます。しかし、コロナ感染のリスクは非常に大きく、ある意味命がけです。会社は、休みの指示もなければテレワークの指示もありません。出勤の判断は従業員本人任せです。
 
結局、陽子さんは収入減少させるわけにはいかず、出勤し続けました。幸いコロナに感染することなく、今もパートを続けていますが、このように会社でコロナ感染者が出たにもかかわらず、会社から何の指示もなく、通常どおり出勤せざるを得ない労働者は、陽子さんだけではないと思われます。

休んだ時のために家計の防衛力をアップする

もし、会社を休むという選択をしたのなら、給料もなく国からの給付もない以上、貯蓄を切り崩すことになります。したがって、ふだんから家計の防衛力を強化しておく必要があります。防衛力とは、手元資金がいくらあるかだけにはとどまりません。
 
今回の陽子さんのように、国の制度を知ることも防衛力の1つです。どのようなケースに国から保障がある、またはないか知ることは重要です。また、将来必要になるお金を早くから準備することも防衛です。
 
防衛力のある家計とは、予想外の支出にも耐えられる家計です。必要資金が準備されていれば、不測の事態が起こっても、ダメージは少なくて済みます。
 
陽子さんは今回、家計に大きな打撃はなかったものの、余裕ができてから貯めはじめようとするスタンスを改め、今からすぐに貯めはじめること、英語教室の早期経営強化を決めたそうです。
 
執筆者:前田菜緒
FPオフィス And Asset 代表
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
確定拠出年金相談ねっと認定FP、2019年FP協会広報スタッフ

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