最終更新日: 2020.06.05 公開日: 2020.06.06
暮らし

悪質な事業者から消費者を守る! 適格消費者団体とは?

皆さんは、悪質な事業者との契約などで被害に遭われたご経験はないでしょうか?
 
例えば、「大々的に無料と広告していたのに、実際には有料だった」「解約はいつでもできるとのことだったが制約条件が多く、実際には解約は困難だった」「悪質な事業者を訴えたいが個人ではコストと労力がかかるので、1人では踏み切ることができない」など。
 
このように、悪質な事業者から明らかに騙された場合でも、1人の個人では泣き寝入りしてしまうことも多いと思います。そのような被害から消費者を守る目的で設立されたのが、「適格消費者団体」です。
高橋庸夫

執筆者:

執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

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高橋庸夫

執筆者:

執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

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適格消費者団体とは?

適格消費者団体とは、消費者の利益を擁護する消費者団体のなかで、内閣総理大臣の特別の認定を受けた団体です。消費者庁のホームページにその一覧が掲載されており、2020年2月末現在で全国21団体が認定を受けています(※1)。
 
適格消費者団体の目的は、不特定多数の消費者を、悪質な事業者からの勧誘や不利益を被るような契約による被害から守ることはもちろんですが、その被害拡大を防ぐために、通常の消費者団体よりも強い権限が認められています。
 
適格消費者団体は、消費者団体訴訟制度を使い、消費者に代わって事業者への訴訟を提起する権限を有しています。
 
これによって、「個人」対「事業者」では圧倒的に「個人」が不利になるケースが多いですが、個人よりも高い交渉力を有する公的機関として訴訟を起こすことで、問題解決を推し進めることができます。

適格消費者団体にできること

適格消費者団体ができることは、「差止請求」と「被害回復」の2つです。

(1)差止請求権

差止請求とは、悪質な事業者が行っている誇大広告や契約など、消費者が不利益を被る行為を止めるように請求する行為のことを指します。適格消費者団体は、消費者からの通報に基づき、まずは被害状況の調査を行います。
 
その後、事業者に対して改善の申し入れを行います。それでも改善されない、あるいは交渉が成立しない場合には訴訟を提起することになります。また、通報後の結果の概要について、消費者庁のホームページに公表されますので、状況を確認することができます。

(2)被害回復

被害回復とは、悪質な事業者との違法な契約などによって被った金銭被害を請求することを指します。この行為は、適格消費者団体のなかでもさらに特別な認可を受けた「特定適格消費者団体」(2020年2月末現在、全国3団体)だけしか行うことができません。
 
被害回復で請求できるのは金銭の被害のみとなります。精神的な苦痛を受けたことに対する慰謝料や、契約通りに履行されていれば試験に合格できたはずなどの逸失利益は対象となりません。
 
ちなみに、被害回復の初めての事例は、記憶に新しい「東京医科大学の不正入試事件」とのことです。特定適格消費者団体の特定非営利活動法人消費者機構日本が受験生3000人以上に代わって、東京医科大学に受験料の返還を求めて訴訟を提起しました。

適格消費者団体への通報

この制度を利用する場合は、消費者庁のホームページで適格消費者団体を探し、電話やメールなどを使って通報することから始まります。ただし、消費者が利用できるのは「被害の通報のみ」となっており、自ら適格消費者団体に訴訟を求めることはできません。
 
また、通報することで必ず対応してもらえるというわけではありません。さらに、通報できるのは、「消費者契約法」「景品表示法」「特定商取引法」「食品表示法」に違反する行為だけが対象となります。

まとめ

「当初思っていた契約内容と明らかに違っている」「もしかしたら騙されたのかもしれない」など、私たちの周りには、あらゆるメディアを通じてデマや誇大広告などによる危険が多く潜んでいることも事実です。
 
そのようなときに、自分自身で事実関係を冷静に判断し、自ら納得して前向きに捉えられる場合であればよいのですが、明らかに事業者側の不当な行為である場合には、1人で抱え込まずに助けを求めることができる手段があります。
 
いざというときのために、正しい情報を確認しておきましょう。
 
[出典]※1 消費者庁「全国の適格消費者団体一覧」
 
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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