公開日: 2019.12.17 暮らし

猫を飼わない人も知っておくべき、野良猫が減らない理由って?

猫が嫌いな人や、自宅の敷地をトイレ代わりにされて困っている方なら、どうして野良猫がこんなに多いのだろうと思っている方も多いのではないでしょうか。
 
しかし、自治体を初めとして野良猫を減らすことに腐心している方々はたくさんいます。それでもなかなか十分な成果が出ないのが現状です。そこで、今回は野良猫が増える理由や、野良猫を増やさないために行われている対策などについて解説します。
 
横山琢哉

執筆者:

執筆者:横山琢哉(よこやま たくや)

ファイナンシャルプランナー(日本FP協会 AFP認定者)
フリーランスライター

保険を得意ジャンルとするFP・フリーライター。
代理店時代、医療保険不要論に悩まされた結果、1本も保険を売らずに1年で辞めた経験を持つ。
FPとして、中立公正な立場から保険選びをサポートしています。

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横山琢哉

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執筆者:横山琢哉(よこやま たくや)

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代理店時代、医療保険不要論に悩まされた結果、1本も保険を売らずに1年で辞めた経験を持つ。
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猫の繁殖力は極めて高い

猫を飼った経験がなければ、おそらく猫の繁殖力が極めて高いことを知らないという方のほうが多いでしょう。
 
猫は年に2~4回出産することが可能で、1回で4~8匹の子猫を産みます。環境省が作成した資料によると、1組の猫から1年後に20匹以上、2年後に80匹以上、そして3年後には2000匹以上に増える可能性があるとのことです(あくまでこれは理論上の話と考えられます)。
 
猫は飼い続けることができなくなっても引き取り手を探すのが簡単ではないので、結果として捨てられてしまうこともあるでしょう。また、迷子になって飼い主の元に帰れず野良化してしまう猫もいます。その中に不妊(避妊)・去勢手術が行われていない猫が混じっていると、一気に数が増えてしまうというわけです。
 

多頭飼育崩壊に至る例も増えている

近年、猫や犬の「多頭飼育崩壊」が社会問題になっています。多頭飼育崩壊とは、飼い主が不妊・去勢手術を行わなかった結果、出産を繰り返して数が増えすぎてしまい、面倒を見きれなくなる状態のことです。1世帯で100匹以上になる例もあるほどです。
 
NHK「クローズアップ現代」では2016年11月15日放送の番組で、多頭飼育崩壊を起こしたある家庭の取材を行っています。
 
その家庭は夫と妻、子ども2人の4人家族で、長女が2匹の猫(オス・メス)をもらってきたのがきっかけで飼い始めました。3年後に2匹の子猫が産まれたとき、不妊・去勢手術をするのは「かわいそうだから」という理由で放置していたところ、最終的に80匹まで増えてしまったのです。
 
その家庭では手術も検討したのですが、家庭の収入が減っている時期だったこともあり、ためらったようです。そのお金を惜しんだために数が増え、結果として手術費用を大きく超える費用(エサ代など)がかかる結果になってしまいました。
 
多頭飼育崩壊が発覚すれば民間の保護団体が対応して保護することもありますが、実際は発覚せずにこっそり捨てられたり、脱走されたりして野良猫になってしまうことも多いのではないでしょうか。
 

不妊・去勢手術の費用はそれほど高額ではない

猫を飼ったことがない方であれば、「手術」と聞くと高額な費用がかかるのではないかと思うかもしれませんが、実際はそれほどでもありません。
 
公益社団法人日本獣医師会が平成27年に行った「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査及び飼育者意識調査」によると、不妊・去勢手術の相場(中央値)は以下のとおりです。
 
・去勢:1万2652円
・避妊(卵巣切除):1万9833円
・避妊(卵巣子宮切除):2万986円
 
NHKの番組で取り上げられていた家庭が2匹の猫を飼い始めた時点で手術を受けさせていれば、わずかな2~3万円程度の出費で多頭飼育崩壊を防げたことになります。
 
詳細は割愛しますが、不妊・去勢手術は猫にとって疾患予防等のメリットもありますので「かわいそう」という考え方は正しいとは言えませんし、猫の繁殖力について知っていれば、出費を惜しむこともなかったでしょう。
 

民間の保護団体が行っている「TNR」活動について

不幸な猫を減らすべく、野良猫を捕獲して不妊・去勢手術を施したうえで元の場所に戻す「TNR(Trap Neuter Return)」という活動を行っている民間の保護団体は数多くあります。
 
保護団体によって不妊・去勢手術が施された猫は、目印として片方の耳が三角にカットされていることが多いので、TNRを初めて知ったという方は、野良猫を見かけたら耳の形に注目してみてください。
 
なお、TNRにかかる費用は基本的に保護団体が負担していますが、手術の費用を無料にしている動物病院もありますし、自治体からの補助もあります。このように野良猫については行政と民間による対策が行われていますが、それでも追いついていないというのが現状なのです。
 
もし、野良猫による被害で困っているのであれば、お住まいの近くにある保護団体や、「地域猫活動」(野良猫をその地域で共生させるための活動)をしている人を探し、相談してみることをおすすめします。
 
[出典]
環境省「もっと飼いたい? 犬や猫の複数頭・多頭飼育を始める前に」
NHK「クローズアップ現代」ウェブサイト
日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査及び飼育者意識調査」
 
執筆者:横山琢哉
ファイナンシャルプランナー(日本FP協会 AFP認定者)
フリーランスライター

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