更新日: 2019.06.28 その他

2019年上半期には何が変わる!私たちの生活に関わる主な制度改正

執筆者 : 高橋庸夫

2019年上半期には何が変わる!私たちの生活に関わる主な制度改正
2019年には、新元号の制定や消費税率UPなど、極めて大きな変化が予定されています。今年がどのような1年なのか、私たちの生活に直接影響を及ぼす可能性のある上半期(6月末まで)の制度改正について、順を追って確認してみたいと思います。
 
高橋庸夫

執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

1月に開始されたもの

(1)休眠預金等活用法によって「休眠預金」が発生
2018年1月に施行された「休眠預金等活用法」により、2019年1月1日から、10年以上入出金などの取引のない預金口座を「休眠預金等」と定めることとなりました。
 
これまでは各金融機関が管理していた休眠預金を、国が一括で管理し、有効に利用できるようにする制度です。万が一、休眠預金となった場合でも、しかるべき措置をとれば、お金を引き出すことは可能です。これを機に、古い口座や、口座に登録してある住所などを確認・整理しましょう。
 
(2)「出国税」の導入
正式には「国際観光旅客税」と言います。日本を出国する人に対して、国籍に関係なく、1人あたり1回1000円が徴収されます。大人も子供も同額(2歳未満は非課税)です。出国税の使途として、国税庁は、観光基盤の拡充や強化を図るための恒久的な財源を確保するためと説明しています。
 
(3)地震保険料の改定
地震保険料が全国平均で約3.8%引き上げられます。昨今の地震に対するリスクの高まりなどから、全国の多くの地域で引き上げとなっています。
 
地震保険料は、国と民間が共同で運営しているため、全社で共通の保険料改定となります。改定額は、都道府県別、建物の構造別に定められています。次の更新の際には、忘れずに改定後の保険料を確認しましょう。
 
(4)自筆証書遺言の財産目録がパソコン作成でも可能に
これまで、「自筆証書遺言」はすべて本人が手書きで作成する必要がありました。自筆証書遺言自体は費用もかからず、自宅でも作成できる遺言です。しかし、本人が高齢であったり、財産が多い場合などに、全文自書することへの負担が指摘されていました。
 
今回の遺言作成方式の一部緩和により、財産目録をパソコンで作成することが認められました。また、不動産の登記事項証明書の写しや預金通帳のコピーの添付も可能となりました。
 

3月に開始されるもの

(1)「教育資金の一括贈与の特例」の適用期限が2年間延長
2013年4月から始まった「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税」の適用期限が2年間延長され、2021年3月までの贈与分となります。
 
(2)「結婚・子育て資金の一括贈与の特例」の適用期限が2年間延長
2015年4月から始まった「直系尊属から結婚・子育て 資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税」の適用期限が2年間延長され、2021年3月までの贈与分となります。なお、両制度に共通する適用条件として、受贈者の合計所得金額が1000万円を超える場合には、適用外となります。
 

4月に開始されるもの

(1)「働き方改革関連法」の施行開始
これ以降順次「働き方改革関連法」が施行されていきますが、4月に施行される「年次有給休暇の確実な取得」と「時間外労働の上限規制の導入」が、最も多くの方々に影響があると思われます。
 
年次有給休暇については、企業は労働者に対して年5日の有給休暇を取得させるように義務付けられます。時間外労働の上限については、原則として「月45時間、年360時間」となります。
 
(2)国民年金加入者の産前産後期間の国民年金保険料免除制度
国民年金第1号被保険者(自営業とその配偶者、フリーランスなど)が、産前産後期間の国民年金保険料の支払いを免除される制度がスタートします。免除期間は、出産予定日または出産日の属する月の前月から4ヶ月間です。また、この保険料免除を受けた場合でも将来の年金額には影響せず、満額支給対象となります。
 

まとめ

上半期だけでも、これほどの大きな制度改正が予定されています。働き方改革関連法の施行は、多くの労働者やその家族の、生活そのものに影響を与えていくことでしょう。
 
今回は、上半期の制度改正をピックアップしてご紹介しました。皆さんのマネープラン、ライフプランのお役に立てば幸いです。
 
執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)
ファイナンシャル・プランナー
 

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