最終更新日: 2019.01.10 公開日: 2018.11.30
暮らし

ヘルパーさんに、草むしりやペットの世話をしてもらうためのルールが明確化

平成30年9月28日、厚生労働省から、事業者が介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせて提供する場合の取扱いについて通知が出されました。
 
この通知は訪問介護事業者や通所介護事業者側のルールを整理したものですが、利用者にも関係がありますので主なポイントを解説します。
 
新美昌也

Text:

Text:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

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新美昌也

執筆者:

Text:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

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ヘルパーさんに頼めること、頼めないこと

ホームヘルパーは、自宅を訪問し、食事・入浴・排せつなどの「身体介護」や調理、掃除などの「生活援助」を行います。
 
また、通院などを目的とした乗降介助も行います。
 
本人の自立支援と重度化防止のためにサービスを提供しますので、本人以外の家族の食事を作ったり、日常生活の援助の範囲を超える支援をしたりすることを頼むことはできません。
 
例えば、本人以外の家族のための洗濯や掃除、ペットの世話、草むしり・花の手入れ、来客の応対、大掃除や屋根の修理などの日常的な家事の範囲を超えるもの、洗車などは介護保険サービスの対象外です。
 
ホームヘルパーはお手伝いや家政婦ではありません。このことを利用者や家族は十分理解しましょう。
 

訪問介護におけるルール

事業者は、ペットの世話や草むしりなどの保険外のサービスを介護保険サービスと組み合わせて提供する場合として、両者を明確に区別するため「訪問介護の前後に連続して保険外サービスを提供する場合」と「いったん訪問介護を中断して保険外サービスの提供、その後に訪問介護を提供する場合」の2つがあります。
 
一方、介護保険サービスと保険外サービスを同時一体的に利用することはできません。
 
例えば、本人分と同居家族分の料理を同時に調理することなどです。
 
なぜなら、両サービスを区別することが困難だからです。
 
保険外サービスは、訪問介護事業者と利用者の契約で利用できます。
 
必ずしもケアマネジャーを通す必要はありません。
 
ケアプラン(週間サービス計画表)に記載するかどうかは、必要に応じて行います。
 
通知では、訪問介護事業者は重要事項について文書で説明をして利用者の同意を得ること、その上で契約の締結前後にケアマネジャーに報告することなどが明記されました。
 
費用については、介護保険で事業者に支払われる額と同水準とすることが望ましいとされていますが、文書で丁寧に説明し同意を得られれば別料金の設定も可能となっています。
 
ただし、指名料や繁忙期の時間指定料を徴収することは認められていません。
 

通所介護におけるルール

通所介護(デイサービス)事業者が、保険外サービスを組み合わせて提供する場合のルールも、考え方は基本的に訪問介護の場合と同様です。
 
通所介護サービスの提供時間内に保険外サービスを利用することはできません。
 
通所介護では、入浴、 排せつ、食事等の介護、生活等に関する相談及び助言、健康状態の確認その他の居宅要介護者に必要な日常生活上の世話並びに機能訓練を行うサービスですので、様々なサービスが介護保険サービスとして提供可能です。
 
したがって、通所介護としての内容と保険外サービスとしての内容を区分することは、基本的には困難です。
 
しかし、以下の4項目の保険外サービスについては通所介護と明確に区分することが可能ですので、通所介護を一旦中断したうえで利用でき、その後、引き続いて通所介護を利用することが可能です。
 
事業者が提供する通所介護との組み合わせの例としては、(1)事業所内において、理美容サービス又は健康診断、予防接種若しくは採血を行うこと、(2)利用者個人の希望により通所介護事業所から外出する際に、保険外サービ スとして個別に同行支援を行うこと、(3)物販・移動販売やレンタルサービス、(4)買い物等代行サービスの4項目が挙げられています。
 
このうち、(3)物販・移動販売やレンタルサービスに関しては、高額な商品を販売しようとする場合は、あらかじめその旨を家族やケアマネジャーに連絡することとされています。
 
また、認知機能が低下している利用者に対しては、高額な商品の販売を禁止しています。
 
さらに、通所介護を提供していない休日や夜間等に、事業所の人員や設備を活用して、保険外サービスを提供できるとして、例えば以下のようなサービスが挙げられています。
 
(1)通所介護事業所の設備を、通所介護サービスを提供していない時間帯に、地域交流会や住民向け説明会等に活用すること、(2)通所介護事業所の人員・設備を、通所介護サービスを提供していない夜間及び 深夜に、宿泊サービスに活用すること。
 

今後の保険外サービスの充実に期待

高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるためには、介護保険制度に基づくサービスの充実に加え、高齢者の様々なニーズに対応する保険外サービスの充実を図ることも重要です。
 
介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせて提供する場合の取扱いについてのルールが明確になったことにより保険外サービスの充実が期待されます。
 
一方、人手不足なので、今後、事業者が保険外サービスにどこまで対応できるか未知数です。
 
今後の展開を注視したいと思います。
 
出典:厚生労働省「介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせて提供する場合の取扱いについて」(平成30年9月28日)
 
Text:新美 昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー
 



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