最終更新日: 2019.01.10 公開日: 2018.06.23
暮らし

「ウチの子は悪くありませんから!」は通用しない、自転車の交通事故

執筆者 : 大泉稔

筆者は若かりし頃、タクシーの交通事故係をしていました。その仕事はタクシーが引き起こした交通事故の相手(=その多くは被害者)に謝罪と話し合いをし、示談書の取り交わしを行う、というものです。
 
最も、てこずったのは反社会的勢力に属する方でもなければ、著名な会社の社長さんに代表される社会的地位の高い方でもありません。
 
警察署の中で周囲の目をはばかることなく「びゃー」と大声で泣きじゃくり、「ウチの子は悪くありませんから!」と金切り声を挙げて叫びまくるお母様なのです。
 
大泉稔

Text:

Text:大泉稔(おおいずみ みのる)

株式会社fpANSWER代表取締役

専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師
明星大学卒業、放送大学大学院在学。
刑務所職員、電鉄系タクシー会社事故係、社会保険庁ねんきん電話相談員、独立系FP会社役員、保険代理店役員を経て現在に至っています。講師や執筆者として広く情報発信する機会もありますが、最近では個別にご相談を頂く機会が増えてきました。ご相談を頂く属性と内容は、65歳以上のリタイアメント層と30〜50歳代の独身女性からは、生命保険や投資、それに不動産。また20〜30歳代の若年経営者からは、生命保険や損害保険、それにリーガル関連。趣味はスポーツジム、箱根の温泉巡り、そして株式投資。最近はアメリカ株にはまっています。

詳細はこちら
大泉稔

執筆者:

Text:大泉稔(おおいずみ みのる)

株式会社fpANSWER代表取締役

専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師
明星大学卒業、放送大学大学院在学。
刑務所職員、電鉄系タクシー会社事故係、社会保険庁ねんきん電話相談員、独立系FP会社役員、保険代理店役員を経て現在に至っています。講師や執筆者として広く情報発信する機会もありますが、最近では個別にご相談を頂く機会が増えてきました。ご相談を頂く属性と内容は、65歳以上のリタイアメント層と30〜50歳代の独身女性からは、生命保険や投資、それに不動産。また20〜30歳代の若年経営者からは、生命保険や損害保険、それにリーガル関連。趣味はスポーツジム、箱根の温泉巡り、そして株式投資。最近はアメリカ株にはまっています。

詳細はこちら

覚えていますか?自転車の高額賠償事故。

今から、ちょうど10年前の9月15日というと、アメリカリーマンブラーズの破たんがあった日です。その日から1週間後の(同じ年の)9月22日夕方、神戸市北区の坂道で、その交通事故が起きました。
 
当時11歳の少年が運転する自転車が、当時62歳の歩いている女性をはね、女性は脳挫傷の重傷を負い、意識が戻らないまま寝たきりの状態になってしまったのです。
 
そして、その賠償額は裁判所の判決により9500万円と1億円に近い、高額な賠償金となったことが報道されたのが5年ほど前のことだったと思います。
 
ハンドルを握っているのがいまだ幼い小学生であっても、人の一生を瞬時に変え、それと共に、高額な賠償金の支払いをしなくてはなりません。自転車は、そういう可能性を秘めた乗り物だということです。
 

自転車VS自動車の交通事故でも、自転車に責任が生じるのは?

自転車が交通事故を引き起こした場合、その責任を問われるのは相手が歩行者の時だけではありません。
 
自転車の交通事故の相手が自動車であったとしても、自転車のハンドルを握っていた人に、一定の割合で交通事故の責任を問われることがあります。
 
例えば、「信号機のない交差点」で起きた交通事故を想定してみましょう。
 
「自転車が交差点を右折&(対抗方向を走る)自動車が直進で交差点に進入」、自転車と自動車が衝突した場合、自転車を運転していた人(以下、自転車側)にも40%の(交通事故の)責任が生じることになり、自動車を運転していた人(以下、自動車側)の(交通事故の)責任は60%ということになります。
 
恐らく、ケガの程度が大きいのは、もちろん自転車側でしょう。しかし、自転車側の治療費等は自動車側から賠償してもらえるのは、その責任の割合に応じ60%です。
(ただし、実際には自動車側の自賠責保険により120万円までは賠償してもらえる)。
 
また、逆に自転車側は自動車の修理代のうち、その責任の割合に応じて40%を賠償しなくてはなりません。
 
交通事故に遭い、ケガをして痛いのは自転車側ですが、そんな自転車側にも交通事故の責任の割合(先述の例ですと40%)が生じます。
 

自転車も「軽車両」。ハンドルを握り、ペダルを漕げば

自転車も軽車両です。ハンドルを握り、ペダルを漕げば、たとえ、子どもであろうと道路交通法というルールを守らなくてはなりません。
 
何事もなければ、文字通り「無事」なのでしょうが、ひとたび、交通事故が起きれば、自転車と言えども「交通事故の責任の割合」が生じるのです。
 
お母様が「ウチの子は悪くありませんから」と金切り声を挙げ、泣きじゃくったとしても事故は事故なのです。
 

入って安心?自転車の保険

さて、(先述のような)ルールと責任を問われる自転車ですが、自動車とは異なり自転車には運転免許制度もなければ、車検もなし、さらに自賠責保険のような強制保険もありません。
 
しかし、先述の神戸での自転車での高額な交通事故に影響されてか、一部の自治体では自転車保険への加入が義務化されたり、努力義務になったりしています。
 
http://www.pref.saitama.lg.jp/a0311/jitensya/jitensyajyourei.html
上記のURLは、埼玉県のWEBサイトです。損害保険会社各社のWEBサイトが案内されていますので、興味のある方はご覧ください。
 

まとめに代えて

さて、自転車の保険というのは、どのような保険なのでしょうか?実は、新たにご契約なさらなくても、既に契約済みの損害保険でカバーできる場合もあります。「それって、どんな時?」ということで、続きは次回。
 

余談ですが

「ウチの子は悪くありませんから」とお母様が金切り声を挙げる時のお子様って、読者の皆さまは何歳くらいのお子様を想定されていらっしゃいますか?
 
恐らく、たいていの方は「幼稚園から小学生くらいまででしょう」とおっしゃると思いますが。筆者のこれまでの経験では、お子様のご年齢が「27歳」とか「38歳」ということがありました。
 
ちなみに、筆者の当時の年齢は31歳でした。
 
Text:大泉稔(おおいずみ みのる)
株式会社fpANSWER代表取締役 専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師



▲PAGETOP