更新日: 2020.04.30 損害保険

自転車事故や家電の破損も対象? 意外と知らない火災保険

執筆者 : 馬場愛梨

自転車事故や家電の破損も対象? 意外と知らない火災保険
「火災保険=火事や災害のときに使うもの」だと思っている方が多いかと思います。でも実は、契約内容によってはテレビの破損や自転車事故、ひったくり被害など、さまざまなリスクに対応していることをご存じでしょうか。
 
馬場愛梨

執筆者:馬場愛梨(ばばえり)

ばばえりFP事務所 代表

自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強。銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。

過去の自分のような、お金や仕事で悩みを抱えつつ毎日がんばる人の良き相談相手となれるよう日々邁進中。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。平成元年生まれの大阪人。

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意外と知らない、火災保険の補償範囲

火災保険が役に立つのは、火事や台風で被害を受けたときだけではありません。あまり知られていませんが、住宅に対するその他の被害はもちろん、日常生活で発生するトラブルも、保障内容に含まれていることがあります。
 
家の契約をするときになんとなく加入した火災保険に、実は特約として補償が付いていて、その分の保険料も払っていた。しかし、契約内容の詳細を把握していないばかりに、本来受け取れるはずの保険金を請求しないまま放置しているというケースも散見されます。
 
いざというときにきちんと役立てられるよう、自分の保険契約がどんな場合にいくら保険金を受けとることができる内容になっているのか、把握しておくことは大切です。

こんなときに使えるかも! 火災保険でカバーできるトラブルの例

契約している保障プランによっては、以下のような場合も保険金を受け取れる可能性があります。
 
・自室の模様替えをしていたら、家具をドアにぶつけて壊してしまった
・パソコン作業中に誤ってコーヒーをこぼしてパソコンが動かなくなった
→契約内容に「破損、汚損」が含まれていたら補償されるかもしれません。
 
・空き巣に窓ガラスを割られた
・泥棒に現金や家財を盗まれた
→契約内容に「盗難」が含まれていれば補償されるかもしれません。
 
そのほかにも、雷が落ちてきて家電製品が壊れた、雪や雹(ひょう)でベランダが損傷したなど自然災害のリスクや、運転を誤った車が自宅に突っ込んできた、自宅の給水管の設備が壊れて水漏れした、など日常生活のリスクに備える保障も、比較的多くの火災保険にセットされています。

付帯されている特約も要チェック!

オプションで付けることができる特約は、保険会社ごとに違っていてさらに多彩です。実際の火災保険で補償される例を挙げてみます。

・個人賠償責任特約(日常生活賠償特約)

自転車事故で相手の体や物を傷つけた、自室で水漏れを発生させてマンションの下階の住民に被害を与えた、飼い犬が散歩中に人にかみついた、など日常の中で発生しうるさまざまな損害賠償リスクに備えられます。

・携行品損害特約(自宅外家財特約)

旅先でカメラを落として壊した、買い物帰りにひったくりにバッグを奪われたなど、家の外で所有物に関するトラブルに巻き込まれた場合に補償されます。

・受託物賠償特約

人から預かったものやレンタルしているものなど、自分以外が保有する物品を壊したり、紛失したり、盗まれたといった場合に補償されます。
 
そのほか、水道管が凍結して使えない場合の修理費用が出るものや、玄関の鍵の紛失や閉じこみなどのトラブルに対応しているものなどもあります。
 
これらの内容は、すべての契約に自動的に付いているものだったり、1ヶ月あたり数百円程度で追加できるオプションだったり、保険会社によっても違いがありますのでよく確認しておきましょう。

自分の火災保険の契約内容をチェックしてみよう

火災保険は、家の賃貸契約とセットになっているものにあまり意識せず加入していたり、更新時期が来ても「前と同じでいいか」とそのまま手続きしたり、10年など長期にわたる契約になっていたりするので、あまり内容を精査しないままずっと放っておく方も多いようです。
 
でも、実際に何か起きてから「あれ? 補償されると思っていたのに出ない!」とか「本当は保険金を請求できたはずなのに全部自腹で修復してしまった!」となってしまうと、何のための保険なのかわかりません。保険料ももったいないですよね。
 
地震保険は付いているのか、建物だけでなく家財(家具や家電など)も補償されるのか、どんな特約が付いていてどんなときに利用できるのかなど、自分や家族がいざというときに困らないよう、自分の保険内容を知っておきましょう。
 
保険証券をひっぱり出してきて、中身を一度チェックしてみるのがおすすめです。わかりにくければ、保険会社に問い合わせれば教えてもらうこともできます。
 
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表


 

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