最終更新日: 2019.06.13 公開日: 2019.06.02
相続

【相談】借金だけ相続したくないのですが、可能ですか?

遺産相続は、不動産や現金など「プラスの財産」を受け取ることができるというイメージを持っている方も多いと思いますが、遺産には引き継ぐことになったら困る「マイナスの財産」もあります。
 
また、マイナスの財産については、あまり人には言いたくないものですので、マイナス財産の存在を隠しておくという人や、エンディングノートを書き残していた場合でも、借り入れのページは未記入という人も多いのが現状です。
 
今回は、財産の相続や、プラスの財産よりマイナスの財産が多いケースで選択肢となる相続放棄や注意点などについて、お話しします。
 

相続とは

人の死亡によって、亡くなった人(被相続人)が所有する財産を、相続人に継承することを相続といいます。
 
また、継承する財産は、プラスの財産(不動産や現金など)だけでなく、マイナスの財産(ローンなど)や財産に関する法律的な地位(保証人としての立場など)も、すべて含まれます。
 
たとえば、亡くなった人(被相続人)が所有する財産に、実家(土地と建物)と借金があった場合、実家は相続するけど借金は相続しない(相続放棄をする)といったような「都合の良い相続」は、できません。
 
継承する財産として、プラスの財産を相続する場合は、マイナスの財産も相続しなければならないということになります(亡くなった人=被相続人から引き継ぐプラスの財産の範囲内でマイナスの財産を返済し、その範囲を超える部分については責任を負わない限定承認という相続の方法もありますが、使い勝手が悪いこともあり、あまり利用されていません)。
 

相続放棄と注意点

プラスの財産よりマイナスの財産が多いケースで選択肢となるのが「相続放棄」です。
 
相続放棄は、亡くなった人(被相続人)が所有する財産について、プラスの財産もマイナスの財産も一切引き継がないという意思表示のことで、家庭裁判所で手続きをすることができます。
 
相続放棄をした人は、相続人ではなくなるため、借金などマイナスの財産を引き継がなくてもよいことになります(もちろん、プラスの財産についても引き継ぐことはできません)。
 
ただし、相続放棄には、以下の注意点があります。
 
1、自己のために相続の開始があったことを知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申し出る必要がある
2、相続放棄をした場合、代襲相続は発生しない
3、相続放棄の意思表示は、相続開始前に行うことができない

 
また、特に注意したい点としては、相続放棄をすると、それまで相続人でなかった人が、新たに相続人になることがあるということです。
 
たとえば、相続財産にマイナスの財産(借金)があるケースで、自身が相続放棄をした場合、自身の兄弟姉妹が新たに相続人になって、借金を支払う義務を負うことになるなどです。
 

まとめ

借金があることや保証人になっていることは、亡くなった人(被相続人)しかわからない(隠しておく)ことが多いですし、マイナスの財産だけを相続しないという「都合の良い相続」ができないのも事実です。
 
財産を遺す人(被相続人)も、財産を引き継ぐ人(相続人)も、納得できる相続にするため、相続の内容について知ることや、事前の話し合い・準備をすることが望ましいと思われます。
 
執筆者:中田真(なかだ まこと)
CFP(R)認定者、終活アドバイザー
 



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