最終更新日: 2019.06.14 公開日: 2019.05.31
家計

貯蓄上手な人が知っている【自分サイズの支出】とは

私たちは、自分のライフスタイルに合わせた支出をしていると思っていますが、その実、知らぬ間に他人のものさしに振り回されているものです。自分サイズの心地よい支出の基準を知れば、それほどお金をかけなくても満足できるようになります。
 
そこで、今回はその基準の確認方法をお伝えします。
 

支出は放っておくと収入に比例して増える

ムダ使いしているつもりはないのに支出が減らない、と感じることはありませんか。収入が満足できる金額になれば解決するかというと、案外そうでもありません。
 
相談現場でさまざまな年収の方にお会いしますが、支出額はおおむね年収に比例します。特に住居費や教育費は、年収が高いほど、かける金額も増える傾向にあります。
 
つまり、意識的に支出を振り返らなければ、収入の増加はそのまま支出の増加につながってしまうのです。
 

お金は「他人の目線」で使っている

なぜ支出は増えるのでしょう。それは、私たちが「他人の目線」でお金を使っているからです。よほど気をつけないと、他人(しかも同僚、きょうだい、ご近所といったごく身近な人)の生活水準に合わせようとします。
 
さらに、周囲の水準より少し上にいることが、精神的な安定につながるのです。だからこそ、収入が上がれば、同じ収入群の支出レベルに無自覚に合わせてしまいます。
 
今はSNSで、自分より少し上の水準の支出をしている人を、簡単に見つけることができます。時々立ち止まり、自分の気持ちに軸を置いた支出に戻していくことが肝要です。
 

支出の基準を2つに分ける

では、支出を自分サイズの基準に再構築するには、どうしたらよいでしょう。それは、お金を使う対象を「外から見えるもの」と「見えないもの」の2つに分け、より後者に予算を割くことです。
 
「外から見えるもの」とは、家や車、服飾品など。さらには、ステータスのある進学先に子どもを通わせるため、必要以上に使う教育費も入ります。これらは、収入や社会的地位をわかりやすく象徴しているため、お金をつぎ込みがちです。
 
「私はそんな見栄っ張りではない」とおっしゃる方でも、皆と同じ水準に入ることで安心を得ることはあるでしょう。そうした心理から「外から見えるもの」を求めるのも、根は同じです。
 
それに対して「見えないもの」は、安全や自由時間、保険、貯蓄、レジャーなどです。「外から見えるもの」を得たときよりも、幸せが長く続くといわれています。にもかかわらず、私たちはこれらの支出を、むしろケチる傾向にあるそうです。(※)
 

自分基準で支出を選びなおす

そこで、「見えないもの」に優先的にお金を使うようにすれば、より幸せと満足がもたらされます。例えば、次のようなことをしてみてはいかがでしょうか。
 
・外出着より室内着にこだわる
・家は中古でも内装にこだわる
・お金をかけず楽しい経験をする方法を考える
・無理のない金額で積み立てを始める
・自分ひとりの時間を、少しでいいから定期的にとる
 

自分サイズの支出額を知る

さらに、どの程度お金をかけるか決めるときには、自分の心地よさに目を向けるとうまくいきます。
 
例えば、あなたが最後の晩餐で食べたいものは何ですか。それが、あなたのベーシックな食費や生活の水準です。
 
プライベートな空間での衣食住に対して、心が痛まず支出できる金額はいくらでしょうか? こうした金額を基準にして、自分の価値観とあった支出を心がければ、生活の満足度は上がります。
 

支出を整理する時間を確保する

最後に、もっとも大切なのは、自分の心地よさを再認識するための時間を、あえて確保することです。スマホやPCのない、アナログな環境に身を置いて、リラックスできる時間の中で取り組めば、自分や家族にとって必要なものはそれほど多くないと、自然に実感できるはずです。
 
出典
(※)『幸せとお金の経済学』ロバート・H・フランク著(フォレスト出版)
 
執筆者:波多間純子(はだまじゅんこ)
㈱bloom代表。ファイナンシャル・プランナー(CFP(R)),キャリアコンサルタント
 



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