更新日: 2019.07.17 NISA

職場積立NISAのメリット、積立NISAとの違い

執筆者 : 大場脩

職場積立NISAのメリット、積立NISAとの違い
2017年末の投資信託の純資産残高は111兆円となり、2年ぶりに過去最高を更新しました。確実に「貯金から投資へ」の流れが来ています。
 
そんな中、今年1月から既存のNISA制度(少額投資非課税制度)に加えて「つみたてNISA」がはじまりました。
 
それと並行して、金融庁は職場を経由してNISA制度を活用、役職員の資産形成を促す「職場積立NISA」も推進してきました。
 
今回は職場単位で資産形成を図る「職場積立NISA」について触れていきます。

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大場脩

執筆者:大場脩(おおば しゅう)

ファイナンシャルプランナー。

山形をベースに全国で活動する。
本人が地方在住、そして独身のため、独身向けのマネープラン、地方ならではのマネープラン実情に精通している。
得意分野は、専門用語を使わないお金の話、資産運用、確定拠出年金、保険の見直し、地方在住者の教育資金など身近なお金に関わること全般。
お金のことは前向きにシンプルに考えることがモットー。
ブログはほぼ毎日更新、専門用語を使わないわかりやすい説明を心がけている。
地元山形の金融リテラシー向上のために日々奔走中。
https://fp-syu.com/

NISAについて。

NISAと呼ばれるものは2つあります。2つの違いを明らかにしましょう。
 
<既存のNISA>
非課税枠:年間120万円
非課税期間:5年間
投資対象:上場株式、公募株式投資信託、上場REIT(不動産投資信託)、ETF(上場投資信託)、ETN(指数連動証券)
 
大別すると「上場株式」と「投資信託」になります。
 
投資手法:毎月積立で投資、またはスポット的に任意の金額を投資することも可能。
換金:いつでも可能
 
<つみたてNISA>
非課税枠:年間40万円
非課税期間:20年間
投資対象:金融庁が選定した投資信託のみ。
 
投資手法:毎月積立形式のみ。スポット的に任意の金額を投資することは不可。
換金:いつでも可能
 
投資スタイルや投資対象、期間や金額で自分に合ったNISAを選んでいくことが重要です。また、既存のNISAとつみたてNISAは併用不可、どちらかを選択する必要があります。いずれのNISAも個人でやるものです。
 

職場積立NISAを知っていますか?

上記のNISA制度と並行して、金融庁を中心に職場単位で上記のNISA制度を利用して、役職員等の自助努力による資産形成、福利厚生の充実を図るため、給与天引き等で投資信託等に投資する「職場積立NISA」を普及させていきました。
 
<職場積立NISA概要>
対象者:実施する企業等の20歳以上の役職員等
非課税枠:年間120万円
投資対象:契約先金融機関の商品ラインナップによる(上場株式、投資信託等)
投資手法:毎月積立形式が基本(主に給料天引きなど)
換金:いつでも可能
 
※NISAは一人一口座なので、既に証券会社等で開設している役職員等は、職場積立NISAは利用できません。
 
福利厚生の一環である財形貯蓄制度は給与天引きの積立貯金ですが、「職場積立NISA」は毎月給与天引きでNISA制度を使い、資産運用をしていくという感じです。
 
日本証券業協会によると、職場積立NISAは平成29年末現在、全国8685社(うち306社は給与天引き)で導入されています。
 
日本証券業協会 『職場積立NISAの導入状況等について(平成29年7月~12月)』
http://www.jsda.or.jp/sonaeru/content/tsumitatenisa201712.pdf
 
職場積立NISA導入を決めた会社が規約を規定し、金融機関(銀行や証券会社など)と契約します。金融機関は、商品提供はもちろん、説明会などで投資教育を行います。
 
手続き等も金融機関を通じて行うことになります。このように会社が規定を作り、金融機関と契約を締結するといった事務的な作業に時間がかかるのが難点です。

また、「職場積立NISA」を取り扱う金融機関は少ないです。特に私が住んでいる東北地方を地盤とする金融機関はありません。地域的な差が存在します。
 
金融庁 『職場つみたてNISA 取扱金融機関一覧』
https://www.fsa.go.jp/news/29/20171226/171226-4.pdf
 

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「NISA」を使って長期的な資産形成を。

国はNISA制度や個人型確定拠出年金(イデコ)など長期的な資産形成を図る制度を推進、拡充してきました。
 
特にNISA制度は運用収益に対する非課税、イデコは所得税や住民税の控除と国民に対してメリットがあります。
 
そこまで国が主導して制度を拡充している背景には「少子高齢化の影響で、今の社会保障制度を維持できるかわからない」、「国民一人一人の自助努力を喚起する」、「国は制度を拡充してきた。
 
だから導入の是非は各人の自由」といったメッセージが込められているとも考えられます。
 
そのような背景から、「人生100年時代」と言われるこれからの時代、中長期的な資産形成は非常に大事になってくるはずです。
 
「職場積立NISA」は、導入する企業側にコストの負担はありません。職場を通じた資産形成、福利厚生の充実は企業価値向上にもつながるのではないでしょうか?
 
Text:大場 脩(おおば しゅう)
山形をベースに全国で活動するファイナンシャルプランナー。

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